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鉱物鑑定検定受けてきたよ
さて、去年ぐらいからぼんやり「やってみようか」と思い、そして今年ようやく日程が合って受けられました、鉱物鑑定検定です。
そう、ずーっと「受けようかな」とは思ってたんですよ。でもね、仕事がぜーんぶかぶってたんです、去年は。
もうね、歯軋りしましたよね。
鉱物検定、規模がそこまで大きくないために、年に3日ぐらいしかやってないんです。というか、3日もやるだけ上等なんですが。
そして、試験会場が必ずしも近場というわけではない。
その割に、下の級から必ず受けなきゃ行けないから、とにかく時間がかかる。
漢字検定や英語検定みたいな大規模なヤーツではないから、ある程度は仕方ないんですけどね。
ということで、名古屋のミネラルショーの最終日に実施される鉱物鑑定検定に行ってきました。
当然にして、一番下の級である八級からです。
そして、併願も可能だったため、七級も同時受験しました。
検定の流れとしては、まずネットや郵送などで申し込みをします。
すると、今回は試験範囲に係る鉱物の概要が書かれたプリントと、受験票、会場案内などが封書で届きます。これが大体試験の一ヶ月前。
勉強するとして、プリントの内容をザーッと読むのか?となりますが、七・八級に関しては、多少自信があるならノー勉強でもイケます。
なぜかと言うと、これらプリントや参考書籍(スマホ使用はダメなので電書はNG)は、試験時に持ち込みが許可されているからです。
持ち込み可については、事前の説明にもあるのである程度察することは出来るのですが、同時にこの二つの級は事前に講習があります。
そして、その講習の内容がほぼ出て来ます。
講師は「それ」とは直接言わないまでも、「これは覚えて下さいね」みたいな事を板書したり、重ねて言ったりして、結構親切です。
講習中「あ、これ重要かもしれん」と思ったことはプリントなどに書き込んでおくと良いです。
あと、試験に出てくる鉱石の標本が、実際に見たり触ったり出来るのは良いですね。
八級だと二人に一つ、七級だと四人に一つの標本セットが当てがわれ、講習中に、説明を聞きながらそれらを観察することができました。
その講習の後、試験準備のために一旦教室を出て、その後再び入室してから試験開始になります。
内容は、筆記と実技の半々。
筆記に関しては、かなり簡単です。事前の講習をよく聞いておく、気になった事をメモしておくのが大事。人の話はよく聞いておこう、ということですね。
実技は、そのまま鉱物標本を与えられて「これは何ですか?」というのを紙に解答していくんですが、ここで注意事項が。
講習はよく聞いておいた方が良いです(それかよ)
これねー、標本をよく見ている人ほど陥りがちだと思います。標本は確かに「その鉱物の一形態」ではあるんですが、いつも、どこでも、その成状とは限らないという大前提を忘れがちになるんですよ。
概ね、習った内容、良く知られる形状、見た通りの標本が出るんですが、「こんなんあったか?」ってのがたまにあります。それについても、大体講習でチョロっと言ってます。
そこに気づくかどうかですね。
八級であれば、設問数は知れており、ぶっちゃけ検定の要項にもあるのですが「子供でも受験可能」だけあって、五感を満足に使え、漢字や日本語の能力があれば誰でもできます。
持ち物もルーペと筆記用具ぐらいで良いので、特殊な器具は使うことがありません。
間違えやすいモノ、一見分かりにくいモノ、様々な成状があるモノは要注意、という所ですかね。
七級もまた、紙資料の持ち込み可能なのですが、鑑定する範囲の鉱物が倍以上に増えますので、やはり一筋縄では行きません。つまり、事前の七級講習で習っていない八級のモノも出てくるということなので。
実際、取り違えやすい鉱物は幾つか出て来ますし、非常に迷います。ここで、ちゃんと見分け方を講習で聞いていたかどうかがキーポイントになりますね。
設問数も八級とは違って、歯応えのあるモノに変わります。筆記と実技が半々なのは変わらないのですが、内容も数もグレードアップです。ここら辺までが持ち込み可能の級の限界級ですので、一発で合格したいところ。
でも、不注意ってのがあるので、まだなんとも…結果はちゃんと返ってきたら言いますね。
さて、ここからは試験に関する、個人的な注意事項を。
この鉱物鑑定検定、隣り合う級が「午前→午後」の順に並んでいれば併願が可能です。
実際多くの方が併願しておられ、七級でも引き続き見覚えのある人が、というのがありました。
ただ、こうなると試験間の時間が確保できるかが不安なんですよね。
お昼ご飯はどうしたら、とか、せっかくミネラルショーに来たんだから買い物もしたいとか。
それについては、頑張ればメッチャ時間は作れます。
というのも、この試験は筆記・鑑定を早く済ませれることが出来れば、早々に退席して構いません。時間の制限が特にないため、八級に関しては速攻で解答が終わってしまい、「流石に出るか…」となりました。
そうなると、試験時間の残りは丸々自由時間になりますので、色々と余裕が生まれます。この文章をわざわざ読みにきて下さったマニアックな方は、おそらくすぐに解答が終わるタイプの方でしょうから、この方法が一番良いかと。
今回お邪魔した名古屋会場は、レストランも併設されていたので、そこで済ましたり、コンビニ飯なんかで済ませるのも手ですね。
そして、ミネラルショーを心置きなく周る…というのが一番良い時間の使い方だと思います。
そして、最近検定に関する参考書が一新され、新しい本が出たため、そちらの本を手に入れるのも急務かと。
今はその切り替え期間に当たるため、申し込みの返信時点で参考文献をまとめたプリントを、受験票と共に配布されます。これが大変良くまとまっている関係上、「一回受けるだけなら別に無くても良いや…」となりそう。
とは言え、自分もその本を手に入れたんですが、スタンダードに良くまとまった本なので、純粋に鉱物図鑑としてこれを購入するのも損は無いと思います。
そして、これはしばらくの期間、書店に出回らないと思われるため(言葉を濁しておられたが、こちらは理由を知らないのでそのまま書いてます)京都の益富地学会館に行ける人以外は、ミネラルショーorネットで益富地学会館のページで申し込む以外、手に入れるのが困難かと。
試験受けたいマニアは真っ先に手に入れるだろうから、早い者勝ちになるのは目に見えてる…と思います。
あと、本より大事だなー、と思ったのが、本だけで覚えていると痛い目を見るって事ですね。
それこそ、標本を自分で所持して普段から観察していると、かなり理解度と応用が違ってきます。
よく見る黄鉄鉱の正六面体(ダイス型)結晶の他に、様々な形をとる事を覚えているか、とか。赤鉄鉱の成状には様々なものがあるが、じゃあそれをそれぞれ見たことがあるか?とか。雲母は薄く剥がれるけど、じゃあその薄く剥がれたそれはどんな特徴を持つか、とか。何処の産地だとこんな成状だけど、他ではどうか、とか…
ただ眺めてるだけでは掴めない特徴もあったりと、一筋縄では行かないのが鑑定です。フィールドワークが遠回しに役に立つこともあるんだな、というのを講習補助に入っていた方と話していて思いました。
…って所ですかね。
ともあれ、合格してると良いなぁ。