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時代の生んだヤバメシ

食の軍師解説でもネタに上げた「レバ刺し」だが、色々振り返っていて割とヤベー問題に気づいてしまった。
ということで、懲りずに食の軍師ネタ3回目です。
今回は、時代に流されたヤバいブツのお話。

例の場面…

自分自身もレバ刺し好きではあったが、食中毒やらを調べていくととても食う気が起こらなくなったのも現金なもので、今では「狂ってんな」と思ってしまう。
規制前なんかは、今は亡き京都の焼肉屋の名店でバカスカ食いまくっていたものだ。
ただ、解体作業というものを経験した人しか分からんかもしれないが、汚染を避けて解体する、というのはとても難しく、高コストにならざるを得ないというのが実感だ。特に豚は簡単に汚染されてしまう。
そんな豚のレバーを、生で?
流石に気が狂ってると思うよ。

それ他のホルモンも浸けてますよね

漫画の中の話だから…とは素直に言えないのが、こういう半実録系の漫画の良くない所だ。
実際に生のホルモンを、豚に限らず鶏などでも扱っていた店を京都で知っているし、食ったこともある。
新橋に鶏ホルモン刺しの店が…とか聞いたこともある。
まぁ、豚レバの生食も実際にあった文化なのかも…と思っていたんだが。

モブおじさんのこのセリフに注目

民主党政権が始まったのは2012年。
牛のレバ刺し規制…2012年。

文化とかじゃねぇな?(勘)

コレは事実としてあるデータなんだけど、レバ刺し規制の後にE型肝炎の感染報告が倍増したという話がある。
文化としてあったなら、それは増加では済まないはずなのだが…

事実、その年ぐらいから検査に保険が適用されるようになったなどの要因はあるが、そもそも食中毒の場合は過小評価になっている可能性も考慮しなければならない。
当たったのに病院に掛からないケースもあるからだ。

だから、牛のレバ刺し規制以後に倍増したというのは、単純に「代替品として豚レバーを刺しで出す店が増えたから」だと思う。
これは個人的な予想なので、外れていても全然構わないと思っているが。

そう考えていると、この時代を表すセリフから「この店、別に昔から出していたわけじゃないな…?」とも思えてくるわけである。

くわばらくわばら。

さて、時代に流されたヤバいメシ、実はもう一つ食の軍師に出て来ているのはご存知だろうか。
主人公・本郷が鹿のマスクのプロレスラーに扮して野菜を食いまくる回(8巻・新宿三丁目の昼食)だ。
ここに、生エノキが登場する。

受けて立つな

ご存知かどうかは知らないが、キノコの類は基本的に生食はNGだ。
というか、キノコというモノがほぼ毒を持っている。食用だろうと、だ。これは加熱すれば基本大丈夫である。
この辺りの規制が全くないのは、ひとえにキノコの扱いの難しさが現れている。一概に規制すると、もちろん今の数少ない食用種も規制せざるを得ないという事態になりかねないだろうから。

芋と豆とキノコはよくよく注意しなければならない。

で、このエノキの生食で大惨事を起こしているのがアメリカだったりする。
というのも、マッシュルームが世にも珍しい「生で食えるキノコ」だったので、それと混同して食ったとのこと。
2020年に死人まで出した大惨事だ。

ちなみに余談として。
この時のエノキは韓国産だと報道され、韓国政府の発表として「生で食う文化はない。火を通して食わなかったのか」という旨の発表をしていたと記憶している。

なお、僕の記憶ではかなり前から日本にある韓国料理屋がエノキを生食サラダとして出していたと思う。
えー、ヤダよ俺死にたくねぇもん、と言っていた記憶があるのだ。

そう思って色々検索したら、やっぱり出してた。しかも「韓国ではポピュラー」とまで言及してるブログ発見。
2014年…どう考えても「文化」としてましたよね?

そりゃ驚くよ、毒だもん

何故火を通したモノしか食わないのか、ということについて、もう少し考えを巡らせた方がいい。
そりゃ香りの飛ばない生で食えば、食感も生きて風味も強くて美味かろうよ。
問題は、食中毒菌と、もともとある毒だよ。

ということで、こういう所脇が甘いなぁ、と思わされる時代メシでした。
ジャーサラダとか出てたら本気でやばかったと思う。

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