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『アフターコロナに会いましょう -note版-』 #6 - ラオス レストランで -
こんにちは。写真家のMiNORU OBARAです。本日はシリーズ連載『アフターコロナに会いましょう -note版- 』の第6話です。
このシリーズは、現在発売中の写真集『アフターコロナに会いましょう -完全版 -』と合わせてお読みいただくとさらにお楽しみいただけますので、ぜひ。
さて、第6話は、ラオスでの出会いです。
ラオスといえば、別記事でも特集しましたね。そう、「空の上で神様にあった話」として。こちらもお暇な時にぜひともお読みくださいね。
今回お話しするエピソードは、まさにこの時のラオスです。そうです、嵐に巻き込まれて死すら覚悟した夜の、その次の日のお話です。
そんなこんなで予定より1日半遅れで入ったラオスの町。昨夜の嵐はなんだったのかというほどの、晴天でした。
いや、本当になんだったのか・・・・。やはり、僕はきっと空の上で神様に会ったに違いない。(参照:『ラオスの空の上で僕は神様に会った』)
とにかく、雲一つない青空のもと、僕は意気揚々とラオスの町に踏み出しました。
とはいえ、相変わらず何の予定もないんです。基本的にのんびりするのが僕の旅のスタイルなので・・・。
とにかく、小腹が空いたので、とりあえずご飯を食べることにした僕は、この町を流れる川と並んで走ると通りに足を向けました。
ちなみに、例のオランダ人にも道すがらで再会しました。笑(参照:『ラオスの空の上で僕は神様に会った』)
この町は、メコン川に沿って佇む小さな町。
メコン川といえば、チベットで生まれ、中国、ミャンマー、ラオス、タイ、再びラオス、カンボジア、ベトナムを流れ、南シナ海に注ぐという、全長4,000kmのも大河川。その大河をほんの数百メートルでも感じようと、僕はメコンへ向かいました。
そして、川沿いの、一番最初に目についたレストランに入ったところで、彼女に出会いました。
たまたま隣のテーブルになった、彼女は家族と食事に来ていたようでした。
最初のうちはさほど気に留めることもなく、僕はメコンの雄大さに心を奪われていました。しかし、ほどなくして、右側に感じた視線。振り向くと、彼女でした。
彼女は、すでに食事に飽きてしまったのか、お腹がいっぱいになってしまたのか、なにやら僕と話したそうにこちらを見ていました。
そこで、僕は「隣に来る?」と、自分の隣のイスを指差しました。
それに答えてくれた彼女は、大きな笑顔で僕の隣に座ってくれたのです。しかも、その両手には食べかけのサラダとお魚の大きなお皿を持って。
これは、毎回言ってますけど、お互いの言葉なんて通じない。でも、会話ができる。不思議ですよねぇ。
僕と彼女は、メコン川を眺めたり、船の数を数えてたり、サラダと魚を食べ合ったりしながら時間を過ごしました。
そのうちに僕もお腹がいっぱいになると、彼女は、レストランの前の通りに僕を誘い出し写真をせがみました。
この町、本当にのんびりとしていて、しかも、この日はお祭りの日だというのに、それでもとにかくゆったりしていて、最高なんです。
そんな緩やかな町の空気の片隅で、僕と彼女はとても仲良くなりました。
言葉って何なのでしょうか? 生まれた国って、いったい何の意味を持つのでしょうか。
僕は、国籍も言葉も違う彼女と友達になりました。
じきに日が傾き、その雄大な水面がオレンジに染まるであろうメコン。その大河は何カ国にも渡る旅を続けます。もちろんそれにはパスポートもビザも必要ありません。ある時は中国人の身を清め、ある時はカンボジア人の喉を潤します。そこに差はありません。すべての人に平等に流れる大河メコン。
思えばそこを泳ぐ魚だって、その上を渡る鳥だってそうです。
国境なんてナンセンスだな。
なんて、その時思ったどうかは覚えていませんが、とにかく僕はまたこの小さな彼女に会いに来ます。
次はお祭りのお寺にでも誘い出そうと思っています。
そうです、これは、『アフターコロナに会いにきた』への序章です。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
□ 写真集『アフターコロナに会いましょう -完全版- 』
□ ラオスに行くならこの本がおすすめ。
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