「これが正しい」の判断基準は分からない。
ジムのパウダールームにて。
2021年02月9日。緊急事態宣言の影響もあって、通っているジムが営業時間を短縮し、平日は午後8時に営業終了することになった。また、飛散防止目的でジム館内で不必要な会話は一切禁止というルールも加わった。
そのジムは1階が更衣室と屋内プールに銭湯、2階がマシンエリアになっており、普段はプールをメインに利用している。自宅から自転車で片道20分くらいかかるが、週2~3程度で通えている。この時期かつ夕方~夜にかけての移動なのでかなり冷える。
午後7時45分。プールからあがり、銭湯で洗髪・洗体後にパウダールームで備え付けのドライヤーで髪を乾かすつもりだった。パウダールームにはドライヤーが6~7つ。通常は8~10席使用できるが、ソーシャルディスタンスの観点で、一部着席できない仕様になっていた。その席には使用できないように「×」と注意書きが張られている。別の時間帯であればもっと空いているのだが、この時は満席。時刻は閉館10分前に差し掛かろうとしていた。
「これから使います」とドライヤーの利用を断られる
自分の髪は肩ぐらいまでで、美容師さんからも認められるほど量が多いタイプ。しっかり乾かそうと思えばものの10分はかかってしまう。あたりを見渡して、未使用のドライヤーがあったため、その席に座っている60~70代初老女性に向かって「これ、使いますか?」と聞いた。するとその女性は「(今は使ってないけど、)これから使います」とこちらに見向きもせず、冷めた口調で告げた。ヘアアイロンか何かで髪を整えているようだった。
「そうですか、分かりました」と言い、トボトボと「×」の張り紙の辺りに行き、「早く、誰か、乾かし終わらないかな...」と待っていると先ほどの初老の女性が「(×のところ)そこ、使えないからね!」とこちらに振り向いて言ってきた。「(いや、分かってるし、あなた方がドライヤー終わるの待ってるんですけど....)はい」と言って、若干、周囲にプレッシャーを与えるよう、見ていた。すると、今度は右隣にいた40代くらいの女性が「(あそこで)並んでますよ」とロッカールームの方を指差しながら言ってきた。
そちらに目をやるとドライヤー待ちと思しき女性が2名、並んでこちらを見ていた。(この人たちも待っているんだな....8時で閉まるのに席が空く様子は一向にない。しょうがないから先に着替えて、また後で来よう。その時に空いてたら使えばいい。)そう思ってその場から離れようとすると初老の女性が「皆、(ドライヤー使いたくて)待ってんのよ(だからあんたもそこに突っ立ってないで、並びなさいよ)」と言ってきた。
自分の荷物を置いているロッカーまで戻ると先ほどの場所から笑い声が聞こえてきた。もう一度書く。飛散防止目的でジム館内で不必要な会話は一切禁止というルールも加わっている。「並んでいる人がいるのに、傍で突っ立ってるからびっくりしたわよね~」などと、他利用者と軽い談笑をしていたのだと思う。
何とも言えないもやっとした気持ちだけが残った。
老害か倫理観の違いか
5分後、パウダールームに戻ると初老の女性はまだ居た。が、並んでいる人の気配に気づくと自分が使った机などをティッシュなどで拭き、支度をして離席した。
結局、ドライヤーで髪を乾かすことができ、閉館前に出ることができて良かった。濡れた髪を冷たい夜風にあびて風邪をひくことはこの時期避けたい。
結果、オーライではあれど、自分が直面した出来事を果たして老害と呼ぶべきものなのか?「混雑が嫌であれば、その時間帯を避けて施設を利用すればいい」という声が聞こえてきそうだからだ。もちろんその日はたまたま遅い時間に利用しただけで、日中行くときは空いているので、こちらが行く時間を調整すればいい話だ。
ただ今回、私が気になったのは以下2点だ。
・ドライヤーを利用するために、パウダールームを使用する人が大多数の中(もちろんスキンケアをする利用者もいる)閉館10分前にヘアアイロンらしきもので髪を整えている利用者に、使用していないドライヤーの使用を断られたこと。
・不必要な会話禁止になっているのにも関わらず、40代女性が初老に加勢し、またそこで初老女性が何度も話しかけてきたこと(口を動かすよりも、手を動かしてさっさとドライヤー使わせてほしかった....)。
ソーシャルディスタンスがあるし、もちろん×の箇所で利用は倫理的によろしくはないだろうし、「そこまでして....」と私の性格をせっかち・自己中と取られてしまうかもしれない。
ましてやパウダールームの使い方も人それぞれ。"メインはドライヤーを使う場所"と捉えるのは私だけかもしれない。少なくとも私の中でのプライオリティーは髪を乾かすことだけなので「家帰るだけなのにヘアアイロンかよ!!」とか「髪乾かしたらさっさと帰れよ!!」と言ってしまうのは自論100%かもしれない。
エゴ同士のぶつかり合いは解決しない。困ったら施設のスタッフに助けを。
老害や個々の倫理観の違いが明白なら、ジムの古株たちの場所取りということも考えられる。
新参者、ましてや自分の孫か娘ぐらいの年の離れた20代の生娘なんかが、下着姿でパウダールームをウロウロしている(私だけでなくて、年配の方などもバスローブ巻いた格好でとかあります笑)もんだから、ただでさえ煙たい存在だったかもしれない。私は初老の女性に対して、上記のあらゆる観点で「自分勝手、倫理観が欠けている」と感じ、彼女らは私に対して、「協調性がない、施設のルールを正しく守らない」と感じたかもしれない。
そしてその時の正しい行動なんて、正直分からなかった。ただ、ことを荒立てたくはないし、この混む時間帯に施設に来たのは私なんだから我慢して、順番を待てばいい、とも思えた。し、実際、数日経ってその思いが強くなってきた。
でもあえてまた同じ時間帯に行ってみようと思う。そして彼女たちが閉館間際までヘアアイロンを使用し、その横でドライヤー待ちの列ができているのか。これがもし日常の光景だとどうだろう。
そしてジムに行く前かその後でも施設のスタッフの人に、そのジムで定められているパウダールームの使い方を聞いてみようと思う。利用者の使い方なんて、傍から判断はできない。事情を説明して、スタッフが何と言うか、施設の利用ルールはどうなっていたのか。これが大事だと思う。もし彼女たちの使い方が間違っているようならば、スタッフの人からがつんと注意してもらうつもりだ。