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競争なき運動会:なぜ勉強は例外なのか?

今回は「競争なき運動会:なぜ勉強は例外なのか」というテーマで話します。

近年、体育祭や運動会でかけっこやリレーがない、つまり子ども同士で競争させないというケースが増えているようです。

理由は、子ども一人一人の体の発達や特徴が違うため、その状況で競争させるのはどうかという声があるからです。

そのため、運動会や体育祭で競争の要素を減らしている、あるいは無くしているそうです。

これについては、個人的には一理あると感じているので、まあありかなと思っています。

一方で、なぜ勉強だけは競争原理がひたすら働いているのかということに疑問を持っています。例えば、一人一人の成長スピードは全く違います。

学習塾でいろんなお子さんを見ていると、中学受験生にそれが顕著に現れます。同じ小学6年生でも本当に大人びている子もいれば、まだ幼い子もいます。

前者は総じて成績が良いことが多く、後者は成績がイマイチで、勉強しなきゃと思っていても遊んでいることが多いです。

私はその後者の方が小学生らしくて親近感が湧きますが、中学受験では不利です。

しかし、受験の仕組み上、同じ小学6年生という成長のスピードや特徴が全く違う子どもたちを同じ土俵で戦わせています。

これはちょっとおかしくないですか?私はこの点について疑問を持っています。運動会は競争の要素を減らしている一方で、勉強に関しては全然変わっていないように感じます。

私がこの記事で疑問を投げかけたところで変わるとは思っていませんが、やはりおかしいと感じています。

中学受験はどこまで行ってもペーパーテストです。最近では思考力を試すテストや面接を導入している中学校もありますが、依然としてペーパーテストで成熟している子の方が断然有利な仕組みです。

12歳時点での能力や成長でその先の人生が決まるとは思っていませんが、受験を受ける子どもたちにはきついものがあります。

大学受験はペーパーテストから推薦型に徐々に切り替わってきているため、受験も多様化してきていますが、依然として勉強という同じ物差しで子どもたちを競わせることは変わりません。

根本の理由は就職活動だと思います。いい大学に行った方が就職に有利で、一部上場企業に勤めるのであればいい大学の方が有利です。

その前段階として勉強で競わせるため、新卒一括採用システムを変えないと教育は根本的に変わらないと思っています。

話は変わりますが、先日「努力革命」という本を読みました。武蔵野大学アントレプレーナーシップ学部学部長の伊藤羊一さんとIT批判家の尾原和啓さんの共著です。

この本では、これからの努力の概念が変わると述べられていました。

AIが台頭している中で、私たちはどこに力を入れるべきか、AIの浸透によって世界やキャリアがどう変わるのかを論じています。

その中で、受験勉強は一切いらなくなると書かれていました。

それはそうですよね。受験勉強の本質はAIの下位互換を作るものだと思っているので、個人的には不要だと考えています。

それよりも大事なのは意思・意欲です。一人一人が持っている「こうしたい」「ああしたい」という意思・意欲がオリジナリティに繋がると思います。

最後に話が逸れましたが、なぜ勉強だけ未だに競争原理が働いているのかという疑問についてでした。

フィンランドなどでは、同じ教室で一人は国語をやっていて、もう一人は算数をやっているというのが当たり前です。

江戸時代の寺子屋でも同様で、一人一人に合わせたアドバイスを先生がするという形が昔からありました。これからの教育もそういった方向に戻ってくるのかなと思います。

今は40人ぐらいのクラスで先生が一方的に授業をする形態が続いていますが、オンライン授業では各々の興味に応じた授業を受けています。

日本もそろそろ、同じ物差しで競争するのではなく、一人一人の興味・関心・能力・特徴に合わせた教育に移行すべきだと思います。

本当のパーソナライズ教育とは、一人一人が学ぶ内容が違うことです。

日本では受験をベースにした同じ内容を最終的に受ける試験を前提にしていますが、それでは本質は変わっていません。

最後にいろいろ話が脱線しましたが、言いたいことは、なぜ未だに勉強だけが競争原理に基づいているのかということでした。

参考になれば嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました。それでは良い一日をお過ごしください。

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