薬草好きなら行ってみて①奈良・森野旧薬園
↑サクッと音声でも聞けます
大体は同じ内容ですので宜しければ
先日、奈良県の「宇陀市」(うだし)にある
森野旧薬園と薬草料理で有名な大願寺さんにいってきました。
今回は森野旧薬園の話題です。
(ボリュームが大きくなりそうなので2回に分けて書きます)
薬草園はずいぶん前に夫と訪問したことがあったのですが
大願寺さんは初めてでした!
行きたいなあと思いながら、
薬草料理を好んで食べるその筋の方と一緒に行きたいのでチャンスをずっと温めてました(笑)
今回、中医学勉強会の有志の方とお邪魔してきました。
色々段取りなどしてくださり本当にありがとうございました。
宇陀は昔から薬草のメッカで、今に繋がる薬関係の起業家たちもそこからたくさん輩出されているというようなところなんですね。
資料館には、今期の朝ドラで話題の牧野富太郎さん関連のものも結構展示されてましたよ。目当てに来られる方も今後あるでしょうね
薬草ブーム、起きるかなぁ?
でもブームにはならなくていいかな、好きな人が増えてくれたら。
森野旧薬園は、代々森野さんが管理されてまして、吉野葛の製造もされています。昔の手工程でされていた説明などもお聞きしました。
あの、白い葛粉になるまでには吉野の豊かな水に何度も晒して沈殿させるのを繰り返すんです。スゴイ大変。昔の人はやっぱりすごいですね
管理され過ぎていない風情のある感じがたまらない
私たちが薬草園をイメージするときは、本当に管理されていて 温室があったりとか、植物にあった環境にして、そこでお行儀よく薬草が生えているようなイメージを持つ方が多いかと思います。
ですが、ここはちょっと違って、風情があります。
薬草園の表玄関は、本当に街の通りというか昔のメイン通りみたいなところに面しています。
ですが、奥一歩入るとずっと斜面が広がっていきなり山で、 そこの斜面に沿ってジグザグに道が作られていて、その斜面にいろんな薬草が生えています。ハイキングがてらに行くという感じで、来ていただいてもいいところなんじゃないかなと思います。
足元は石畳なので、歩きやすい靴で、一応両手も開いた方がいいですね。
自然に種が飛んだりして、またそれが育っていたりするので、自然に近い感じで四季折々の薬草の姿を見ることができます
もちろん、畑をつくり栽培しているエリアもあります。
私が行ったのは4月中旬で、吉野桜は散り、カタクリの花は終わりかけていましたが、お蔭様で混雑に巻き込まれることはなく、それは有難かったです。
見頃だったのは、イカリソウとアミガサユリ
この花が特に印象的でしたかね。
イカリソウはインヨウカクという生薬名です
羊がモリモリ食べて精力がついたって云われがある名前なのですが
そんな話は想像できない可愛らしい花でした。生薬的には花は関係ないことも多いのですけれど、いつでも花を見られるわけではないので嬉しいですね
アミガサユリは貝母です。
ネバネバした痰を切ってくれる。 乾いた肺を熱とかでカサカサしてる時に潤してくれます。
ここにも、あなたの足元にも薬草。
その他にも、管理されている方にお話を伺いながら歩いたので、すごく勉強になりました。
説明の札は一応立っているんですが、でも全部に立っているわけじゃなくて、その辺に生えているのは「これは何です」って教えてくださって気づく感じでした。
足元の草花や草やぶの中にも、何となく見ていれば雑草ですが
良く見れば薬草があります
セリバオウレンは花から実が出てきていました
黄連は熱を冷ましてくれる薬草の一つなんですけども4月が花の見ごろで結構生えてましたね。これもまた可愛かったんですよね。
他にもかなりの数の薬草があります(ですが季節によりみられるものは異なります)
大和当帰、芍薬、黄耆、麻黄、細辛、連翹など有名なものももちろんあります。
ぜひ興味のある方はこの薬草園に限らず、生薬に使う植物はどんなのかなというのを見ていただくと、すごく知識が深まると思いますよ。是非訪れてみてくださいね^^
先ほどの写真の正解は、附子(トリカブト)でした
漢方では欠かせない附子でした。
附子は狂言の題材になっていて、附子が入っていると聞かされていたのがホントは黒砂糖が入った壺だとしり、それを全部食べてしまったので
附子を食べて死のうとしたんだといいわけする・・・というやりとりを狂言でおもしろおかしく表現しております。小学校の教科書に載ってませんでしたか?今も載ってるのかな?
薬草園に行く時には、スマホのバッテリーを別に持っていくのをオススメします!
写真撮りまくってすぐになくなります