【FC、文字カード、導入絵カード】みん日教案14課前半(A1,A2)解説と約3時間分のデータ
お久しぶりです!
Sasayuです。今日は皆さんに「みんなの日本語」14課教案を共有したいと思います。最後に教案、教材のファイルをアップしているのでぜひ見てみてください!
14課といえば初めて「て形」を導入する課ですね。同時に「ます形」も導入して、学生にとっては一気に難しくなっていくところではないでしょうか。
・A1:「て形の導入」(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲグループ)
・A2:~(て形)ください(指示、依頼、勧め)
・A3:~(ます形)ましょうか
・A4:~(て形)います(現在行われている動作)
今回は前半(A1,A2)をそれぞれ私なりに解説、していきたいと思います。
1. A2(B1):「(て形)+ください。」(指示)
まず、文型の使用場面を導入してからの、て形導入になるため「A2→A1」の順で進めます。
ですが、A2では練習Bでそれぞれ
「問題を読んでください」(指示B1)
「すみませんが、塩を取ってください。」(依頼B2)
「どうぞたくさん食べてください。」(勧めB3)
と役割が三種類あり。別れています。
そのため導入は分けて行う必要があります。と同時に「て形」の導入もします。
まずは(指示)だけを導入します。
1-1.A2(指示B1)導入
☆導入1「空港で、職員がパスポートをチェックする場面」
T:「これはどこですか?」
S:「空港です。」
T:「そうですね。この人は空港の人です。言います。」
T(空港の人):「パスポートを見せます。ください。」
「パスポートを見せてください。」(リピート)
☆導入2「先生が、学生にプリントに名前を書かせる場面」
(出来たら学生と)
T:「S1さん、今からテストをします。ここに名前を書きます。」
「ここに名前を書いてください。」(リピート)
この導入で「~てください」が(指示)であることを理解させます。
簡単に言うと「断ることができない」ということです。
よく、ドアを開けてください、エアコンをつけてください。で導入する方がいるかと思いますが、場合によっては(依頼)の役割も入ってくるため、あえてしないようにしています。
そして板書をさせて、学生に説明をします。以下説明↓
T:「パスポートを見せます。ください。パスポートを見せてください。」
「空港です。パスポートを見せません。悪いです。」
「”見せて”ください。 です。」
文型を板書させるときに
「パスポートを見せてください。」
「見せます」→「見せて」であることを強調します。
この時初めて、「ます形」、「て形」の概念を教えます。
そして、「て形」の導入に入ります。
1-2. A1て形導入(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲグループ)
「~てください」の導入、板書をした次は「て形」を導入します。
動詞には「Ⅰ,Ⅱ,Ⅲグループ」があることを学生と確認し、変形方法を導入します。導入する順番は(Ⅱ→Ⅲ→Ⅰ)で行います。これは簡単なほうから導入するためです。
☆Ⅱグループ
まずはⅡグループから導入していきます。Ⅱグループの動詞は国語で勉強した下一段活用、上一段活用の動詞です。
Ⅱグループの動詞は、「~ます」の前が「え、け、せ、て、、、、」の動詞であることを、五十音表とともに説明します。「食べます」「見せます」など。
そして、スペシャルとして、少しだけ「い、き、し、ち、、、」の動詞もあることを注意させます。「見ます」「借ります」など
Ⅱグループの動詞は「ます」を消して、「て」に変えることを説明します。
学生は簡単に理解できると思うので、ノートを取らせた後に、フラッシュカードで確認します。
☆Ⅲグループ
次にⅢグループを導入します。国語で言うとカ行変格活用、サ行変格活用ですね。「来ます」「します」です。
Ⅲグループは「来ます」「します」「運転(〇〇)します」の三種類だけなので、単純に覚えるように指導します。
ただし、「話します」「貸します」のように、「漢字1文字+ます」はⅢグループじゃないので、注意します。(例外で、楽(らく)しますなどありますが、、、)
Ⅲグループの活用も、「ます→て」だけなので、学習者にとっては簡単だと思います。ノートを取らせた後に、フラッシュカードで確認します。
☆Ⅰグループ
最後にⅠグループを導入します。国語でいうと五段活用の動詞ですね。「話します」「遊びます」などです。
1グループは「ます」の前が「い、き、し、ち、、、」です。Ⅱグループのスペシャルと混同しないように気を付けさせます。
1グループは「ます」の前の文字によって、変形が様々あるので、学生にしっかりと覚えるように注意します。
・「~(き/ぎ)ます」「聞きます」「泳ぎます」など
「ます」の前が「き/ぎ」のとき、「ます→いて/いで」になります。
・「~(び/み/に)ます」「遊びます」「休みます」「死にます」など
「ます」の前が「び/み/に」のとき、「(び/み/に)ます→んで」になります。
ちなみに、「死にます」は14課ではまだ未習(39課初出)ですが、私は余談的な感じで教えています。Ⅰグループでますの前が「に」は「死にます」だけなので、ついでに教えています。(フラッシュカードには入れません)
・「~(い/ち/り)ます」「買います」「待ちます」「帰ります」など
「ます」の前が「い/ち/り」のとき、「(い/ち/り)ます→って」になります。
・「~(し)ます」「話します」「貸します」など
「ます」の前が「し」のとき、「します→して」になります。
・スペシャル「行きます」→「行って」
「行きます」はスペシャルです。これだけルールから外れて、「行って」になるので、学習者にしっかり覚えさせましょう。
それからⅠグループの変形をフラッシュカードで確認します。
最後に、Ⅰ,Ⅱ,Ⅲグループのフラッシュカードをミックスして、確認してA1は終了です。
・「て形の歌」
時間があれば、Youtubeで「て形の歌」「tekei no uta」「te form song」など検索させましょう。
て形の勉強は、疲れやすいので、スマホを使わせたり、動画を見せたりしたほうが気分転換にもなると思います。
1-3. A2(指示B1)口頭練習
一通り、て形の導入が終わったら、次は文型を作る練習に入ります。
☆口頭練習1(フラッシュカード)(8枚)
T:「〇〇てください。言います。」
T:〇〇ます→S:〇〇てください。
☆口頭練習2(文字カード)(8枚)
T:「〇〇を〇〇てください。言います。」
T:〇〇を〇〇ます。S:〇〇を〇〇てください。
(わたしは教材作成時間を減らすのと変形部分は口頭練習1で練習しているため、答えは見せません。)
☆口頭練習3(絵カード)(8枚)
T:「〇〇を〇〇てください。言います。」
T:〇〇を〇〇ます。S:〇〇を〇〇てください。
その後、教科書の練習B1を学習者に自分で解かせます。(ノートに書かせたり、口頭で確認したり)
2. A2(依頼B2)「すみませんが、~(て形)ください。」
2-1. A2(依頼B2)導入
導入をしっかりしないと、学習者が「すみませんが」を入れようとしなかったり、なんでB1,B2,B3が分かれているのか解決しないまま進むことになります。
☆導入1「女性が重い荷物を持っている場面」(一人二役)
女の人「うう、、、重いです。」
「あ、佐藤さん。すみません。持ちます。お願いします。」
「すみませんが、荷物を持ってください。」(リピート)
男の人「いいですよ。」
☆導入2「教室が暑くて、学生が依頼する場面」
学生「暑いです、、、先生、すみません、エアコンをつけます。お願いします。」
「すみませんが、エアコンをつけてください。」(リピート)
先生「いいですよ。」
ここでは「すみませんが、」がつくことによって(依頼)の機能が付くことを学生に説明します。「(依頼)なので断られる可能性もあることを説明します。「お願いします。」も依頼を表わす重要な部分です。
板書以下説明↓
T:「すみません。荷物を持ちます。お願いします。」
「”すみませんが、”荷物を持ってください。 言います。」
「でも、空港じゃありません。仕事じゃありません。”持ちません。”オ ッケーです。」
「でも、親切じゃありませんね。」
学習者に板書させたら、早速文字カードで練習していきます。
わたしは、て形の再確認をせず、すぐ文型を導入していきます。(学生が飽きてしまうので)
2-2. A2(依頼B2)口頭練習
☆口頭練習1(文字カード)(7枚)
T:「すみませんが、〇〇てください。言ってください。」
T:〇〇ます→S:すみませんが、〇〇てください。
☆口頭練習2(絵カード)(7枚)
T:「すみませんが、〇〇てください。言ってください。」
T:〇〇ます→S:すみませんが、〇〇てください。
練習が終わったら、教科書の練習B2を学習者に確認させます。(ノートに書かせるなど)
2-3. 練習C1 会話練習
練習C1は会話練習です。
まずは、例文を先生と学習者で読み合わせしましょう。
それから学習者に練習する時間を与え、発表させます。
気を付けるところは。(1)と(2)で最後の文が違うことです。
(1)はい、どうぞ。→ものをあげるとき
(2)いいですよ。→動作をしてあげるとき
でちがうので練習の前に学生に説明してあげます。
3. A2(勧めB3)「どうぞ~(て形)ください。」
3-1. A2(勧めB3)導入
「どうぞ~てください。」「どうぞ」によって親切心が付与されることを説明します。
ちなみに、「どうぞ~てください。」の時は目的格をあまりいいません。というのもシチュエーションを考えると、実際に物を出してから勧めるからだと考えます。(実際に教科書の練習A,練習B3はすべて目的格がありません)
☆導入1(ミラーさんが一時帰国した後にお土産をあげる場面)
ミラー:「先週:国へ帰りました。」
佐藤:「いいですね。」
ミラー:「はい、これはアメリカのお菓子です。」
「どうぞ食べてください。」(リピート)
板書させて説明します。
T:「ミラーさんは親切です。佐藤さんが好きです。どうぞ、どうぞ。」
「どうぞ食べてください。 言います。」
「”どうぞ” ここに おみやげがあります。わかります。
ですから ”おみやげを” 言いません。」
(目的格など言わないことの説明)
3-2.A2(勧めB3)口頭練習
☆口頭練習1(文字カード)(6枚)
T:「どうぞ〇〇てください。言ってください。」
T:〇〇ます→S:どうぞ〇〇てください。
☆口頭練習2(絵カード)(6枚)
T:「どうぞ〇〇てください。言ってください。」
T:〇〇ます→S:どうぞ〇〇てください。
最後に教科書の練習B3を学習者に確認させます。(ノートに書かせたりなど)
ここまでで、14課前半終了です。
※教案データ
わたしが使用している、教案、教材のデータを以下に共有します。
プライベートで一人に教える場合、約2時間分、
教室で大人数に教える場合約3時間分の教案教材になります。
教案:導入、練習時の具体的なセリフ、流れ、口頭練習のネタ(9ページ)
教材:導入絵カード、板書、口頭練習のフラッシュカード、文字カード(約100ページ)
※”教材口頭練習の絵カード”に関しては、「いらすとや」の絵素材を大量に使用しているため、権利の問題で削除しています。導入イラストは残しているのでそれを参考にご自身で作成してください。
「いらすとや」さんから許可はもらっています。
それぞれ編集できるようにofficeファイルと、pdfをアップロードします。
質問、ご意見などジャンジャンコメントください。
皆さんのフィードバックが私自身の教材の向上にもなりますし、わからないことがあれば、全力でフォローさせていただきます。
以上Sasayuでした。
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