劇場版幼女戦記を是非観てほしい

 もう劇場公開も終わって、BDも発売済だけど、ネトフリ配信記念と、あと1時間後くらいに控えたAT-X配信という言い訳で言わせて。

まだ見ていない人は!劇場版幼女戦記を観てくれ!!!!!!

 何故劇場版なのか?と言われると

滅茶苦茶面白かったから

 いたって普通だけど、どのくらいかと言うと、劇場版を観終わった後予想以上の出来に「面白かった~」ではなく「え?なにこれ?めっちゃおもしろ……」と、困惑してたほど。

 ただそんな語彙力のない感想を聞かされても何も分からないと思うので、頑張って分かりやすくろくろを回して行こうと思います。

ストーリー

 そもそも幼女戦記とは「現代のエリートサラリーマンが魔法で戦争している世界に幼女として転生していた」という設定だけ見ると大事故起こしてるようにも見えるし、ファンタジーな印象も受けるかもしれない。が、実はけっこうガチガチな戦記もの。幼女は添え物くらいでメインの登場人物の8割がオッサン。異世界かるてっとの1話でのターニャ(主人公)のモノローグが一番分かりやすいので、アマプラ入っている人は見よう。あといせかるが普通に面白い。

 話を劇場版に映すと、大体同時期に上映されていた劇場版シティハンターが「ラーメンを頼んだらラーメンが出て来た」という評価で、安心感のある面白さが評判だったと記憶してるけど、その謳い文句をお借りするなら劇場版幼女戦記は「明らかに具をのせすぎているのに何故か味がまとまっているラーメンが出て来た」みたいな感じ。

 いやそれあったら確かに美味しいだろうけど、あんまり具がありすぎると食い合わせ悪いし胸焼けするじゃん!と言いたいぐらい具と言う名の要素がてんこ盛りなのに、不思議と味の事故が起こらずなんかおいしかった。

 劇場版はテレビアニメの続編で、劇場版の目玉は、メインビジュアルでもターニャの背後に立つ「メアリー・スー」というターニャとは対の存在のヒロイン。髪切ったもんだから一瞬誰だか分からなかったよ。

画像1

 メアリーはテレビアニメの最終回で父を殺した帝国への敵討ちのために、合衆国の徴兵へ志願。この劇場版ではお父さんを殺したのはターニャであることが分かり、激昂からの神様からのチートを受け継ぐというコンボを決める。

 心優しく正義感に溢れるが、猪突猛進なところがある。という、いかにも「主人公」然とした性格だけど、その性格が戦場においてどう影響するのか?という点も幼女戦記の面白さの一つになっている。ちなみにメアリー・スーはあのメアリー・スーから来ています。

 実はメアリー、原作でお父さんの仇が分かるのは実質劇場版でいうと終盤くらいの時期からで、劇場版で起こる諸々の闘いは大体原作でも描かれていたがメアリーは本来いなかった。

 じゃあなんでおるねんと言うと、監督と脚本さんが原作者である同志カルロ・ゼンと話し合って、カルロ氏の助言の下史実をうまく使った設定変更を行いうまくメアリーを劇場版のラスボスとして活躍させることに成功。(パンフレットの対談より)

 その他でも原作ではメアリーよりライバル的なポジションになっていく連合王国の胃痛担当ドレイク中佐や、応援上映で大人気だった連邦の頭の良い変態という嫌なマリアージュが成立している同志ロリヤなど、色々と濃いキャラクターたちも登場してくる。だけど、それぞれ食い合うこともなくキャラクターが立っている。

 勿論、ターニャといせかるにも登場する203航空魔導大隊の愉快な仲間たち、出番は少ないながらもしっかりとした重みで存在感を残してくる参謀本部のゼートゥーア、ルーデルドルフ両閣下、100分の間にきちんと2回も胃を痛めたレルゲン大佐もいる。

 そして楽しい宴会シーン、作戦会議、しっとりとしたおじさまたちの会話、敵味方問わず全員活躍した上にとても迫力のある戦闘シーンまで付け加えて……

 なんと100分

 100分でまとまっているんです。違和感なく。

 この内容で新規に分かるようになっているのかと疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

 ご安心ください。新規を完全に振り放しております。

 開始直後は何十年も後のオッサンたちの会話が唐突に始まり、その後やっと主人公らしき幼女が出て来たかと思えば砂漠の上で戦闘真っ最中、しかも敵の本拠地らしきところを謎の力でぶっ飛ばした後にやっと顔を拝めるものの、分かるのは名前と役職程度。

 勿論、テレビアニメを見ていれば十分に分かる状況だけど、新規のお客さんに分かってもらおうという気概が一切見られない。だけどそこがいい。

 いや、実は少し売り上げ的な意味で心配はしていたけど、今いるファンへの矢印を全力に向けた内容が、満員御礼や上映劇場数の拡大につながったんだと思います。ありがとう……!

音響・音楽

 ストーリーも面白かったけれど、音響もすごい

 私は劇場版が行ける範囲で上映している間に大体14回ほど通った。

 理由としては、早い段階で劇場数が増えたものの「いつ終わるか分からない」という焦りや、スタッフによるトークショーがちょいちょい行われたこと、また4月から4DXでの上映が行われたことなど結構ある。ほぼ毎週通ってて、上映しているのにいけない週とかどこか挙動が変だったと友達に言われた。それはさておき、もう一つの理由として「この劇場でしか味わえない音響を、上映している間に堪能しておきたい」というのが大きかった。

 音響を担当したのが岩浪美和さんと言う方で、ジョジョやスパイダーバース、ガルパンなど様々な作品の音響を担当されており、最近(と言う程でもない)では聴覚障害の方が「聞きやすい音響」だと絶賛されていたツイートを見た人もいると思う。

 で、この音の響きがもうなんといっても心地いい。

 戦争ものであるためドンパチがあり、その銃声音や爆発音、空を飛ぶ風の音やレーザー(メアリーがレーザーを出す)の音に至るまですべてが腹に響く良い音で、毎回鳥肌が立つ。

 公式で上げられている冒頭の戦闘シーンがこちら(イヤホンお勧め)

 ここで「よく分からんけど、なんか好き」と思った方!このあとすぐAT-Xでも放送するらしいですよ?

 私がここで大好きなのはターニャの付けている演算宝珠95式の起動シーン。劇場版だとここでしか聞けないのが残念なくらい好き。

 聴こえ方に個人差はあると思うけど、これだけ激しくやり合っているのに台詞を喋る時はうまく爆発音などを抑えて聞きやすくなっており、かつ音楽の盛り上げ方もうまい。

 これが映画館だとね、ほんと四方八方から飛んでくる銃声音に包まれる感覚がね、いいんですよ。もうやってないんですけど。

 何より岩浪音響監督が、爆音上映で有名な立川シネマシティをはじめ、いくつかの劇場でそのスピーカーに合った設定をしてくださった特別音響上映がまた凄かった。関東圏はみなとみらい含めて全部見たけど、それぞれ重低音がすごかったり、映画の中に入り込んだような広がりのある音響だったりと、それぞれ分かるような差があってどこの劇場も足を運んだ価値があったと自負している。半年、いや1年に1回でいいのでどこかの映画館で上映してほしい。現状だとイヤホンで耳が壊れない程度に聞いたりパセラで見たりするのがお勧め。因みに一番のおすすめはアバック座(レンタルホームシアター)

 音楽は全て劇場版に合わせた生演奏の録り下ろし。特に終盤の山場であるティゲンホーフでの戦いの音楽は、その時の映像が頭に浮かぶほどストーリー性が高い。私ほどのジャンキーになると、サントラを聞くと台詞まで全部思い出せるくらいになれるよ。

作画

 まずは4DX記念にアップされたメアリーVSターニャの動画を見てほしい。

 上村泰監督が腰をぶっ壊してまで頑張ったという(語弊)このシーン、確か上映2週間前までは真っ白だったらしいっすよ?

 これを見た瞬間からずっと4DXで見てえ~と思っていたのですが、出来ても秋ぐらいだと思っていた。そしたらまさか4月にやると聞いた時は準備してたんじゃねえかとも思いました。(けどやっぱり最初のあまりにも自信なさげな上映数を数えると違う気がしてきた。)

 時々可愛い作画もあるので、探してみると楽しいです。私のおすすめは宴会シーン後半のケーニッヒのとある引きの顔がすごくデフォルメされてる時と、可愛いとは違うけど作戦会議の時の妙に気合の入ったヴィーシャのケツです。

 ここまで書いた感想。何かをプレゼンする文章ってクソ難しいんだなと実感した。ブログ書いている人すごい。何故かケツで終わっちゃったし。

 とにかく是非!一度でいいので、劇場版幼女戦記を観て頂けると本当に嬉しいです。ただあんまりろくろ回しすぎて落差が激しかったらごめんなさい。

 テレビアニメの方はいいの?って言われると、全く説明が無いのでテレビアニメを見てからの方が面白さは断然違うけど、如何せん12話もあるので……どこからでもいい!とりあえず何か合いそうだと思ったら見て欲しい!

 こんなパッションだけの文章で改めて見てくれる人がいるかどうか怪しいにも程がありますが、もし見てくれて、更に面白いと感じてくれる人がいたら嬉しいです。

 ということで、劇場版幼女戦記を吸ってほしいという話でした。おしまい。

※ここまでの画像および動画は劇場版幼女戦記の公式ツイッター並びに公式サイト様から引用させて頂きました。


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