季語「曼珠沙華」
カナリアの墓標や庭の曼珠沙華
※推敲by鶫さん
(推敲前)曼珠沙華庭の墓標はカナリアの
彼岸花小面歪むもの狂ひ
小学生の頃、カナリアを飼っていました。
小さな命が虹の橋を渡り、庭の土に返した時の感触を今でも覚えています。
「小面」は能のシテ(主役)が若い女性を演じる時につける面です。能の「物狂ひ」は、亡き夫を深く思い続けたり、別れた我が子を訪ね求めたりする、女性の狂乱のさま(あるいはそれを演じること)を表します。
小面そのものは何も変化しないのに、俯いた時の陰影や、囃子の緩急、声の感情表現などが相まって、本当に泣いたり喜んだりしているかのように表情か生まれるのが不思議です。
句とはうらはらに、穏やかな満ち足りた一日を過ごしました。感謝。
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