意識を別のものに向けさせる
小さい頃、いや、大人になってからも、親に何か言いづらいことを言う時は、別の話題も用意していました。
テストで悪い成績だった時に、クラスの中で喧嘩が勃発したとか、試験で再試になった(つまり、いったん落第)時に、アルバイトが決まった、とか。
これ、人の注意を分散させるテクニックなんだと気づいたのは、最近です。
そうすることで、隠したいものがうまく隠せることがあるからです。
なぜ気づいたのかと言うと、ここ数年目にする情報が、「伝えるべきことを伝えていない」「とあることで騒ぎになっているけれども、その裏でとんでもない事実があった」というものだらけだったからです。
ここで、昔読んでいた推理漫画で、こういうものがありました。
大きな犯罪を犯す時に、犯人たちが取った行動。
「本物の証拠を隠すため、捜査しやすいミスリードの証拠をたくさんばらまいておく。警察がミスリードの証拠から捜査しているうちに、本物の証拠は跡形もなく消えている」
もちろんフィクションの話ではありますが、フィクションだからと言って無視はできない考え方がここにあります。
〝木の葉を隠すなら、森の中に隠せ〟という言葉もある通り、表に出したくない〝本物の事実〟は、他の雑多な話題に紛れ込ませてしまえばいい。できれば、関係する人たちに口止めもしておいて、できるだけ外に出ないようにすればいい。
普段の生活で違和感があれば、すぐに気づくこともできるでしょう。
でも、違和感を覚えるためにはそれなりの知識や知恵がないとなかなか難しいものです。
だからこそ、このテクニックは有効なのですね。