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本当に優秀な人のポジション

教科書の歴史は印象操作がされている

 本屋さんで買った歴史の本を読んでいると、歴史上の人物のイメージが覆されることがあります。

 時代を引っ張っていったり、時代に翻弄されて現代の人たちに悪く言われている人だって、周りの〝勝者〟が作り上げたものだったりします。

 ヒトラーだって、マリー・アントワネットだって、そうなってしまった背景があります。どちらかというと、教科書で悪人仕立てにした原因を作った人たちこそが悪人なんじゃないかな。

 歴史は勝者目線で書かれるので、徹底的に「勝者が正しい」という前提で、嘘も誇張もされていくのでしょう。

本当に優秀な人が作ったものは続かない

 歴史の教科書は範囲が膨大すぎて、その裏に流れる因果関係や法則性に触れる機会は少ないのですが、勉強し直してみると日常に使える教訓がたくさんあって面白い。

 今回気になったのは、「組織を作る人の器量と組織の寿命」の関係です。

 日本の戦国時代、圧倒的なカリスマを誇った織田信長の政権や思想は、一部豊臣秀吉に引き継がれたものの、その後あっけなく消失しています。

 第一次世界大戦前に他国と同盟や契約を結んで、ドイツ統一と安全保障を達成したビスマルク体制も、ビスマルクが更迭されてからあえなく崩壊しています。

 圧倒的なカリスマが作った組織や体制は実は保たないのですね。
 これは、カリスマ本人以外が、カリスマの思想(なぜそうしているのかの意図)を理解できず、組織や体制を維持する方法すらわからないからです。カリスマと同じレベルのことなんてもちろんできませんし。

 一方、〝実は凡人〟だったらしい徳川家康の政権は、300年近く続いたわけです。

優秀な人が取るべきポジションとは

 この組織や体制は、1代だけで構わない。自分の時代だけでいい。

 こう考えるなら別ですが、本当に優秀な人が組織を末永く持続させたい、ニーズがあるから安定させて広めたい、という時、取るべきポジションは「補佐、二番手」ではないかな、と思います。

 優秀な人がトップを取ると、暴走してしまう確率が高くなり仲間が逃げていく可能性があります。そもそも、誰もついていけなくなり、気がついたら周りから人が消えていたということになっているかもしれません。
 また、周りの人がカリスマトップに頼り切り、自分の頭で考えなくなり組織の成長が頭打ちになってしまえ可能性もあります。

 トップが凡庸ではないにしても普通の人であれば、ある程度ストッパーも働きます。
 また、普通の人であれば、カリスマがあまり気にしない世間の常識という目線も取り入れてくれるため、カリスマの独断専行も和らげられるのではないでしょうか。

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