10ハウス=職業という罠
占星術を勉強していて、一番理解しがたいのがハウスでした。
中でも10ハウス。
10ハウスは、市販の占星術やSNSで活躍する占星術師さんによると、仕事や肩書き、人生目標、職業のハウスです。そして、10ハウスに太陽があると、仕事に意識がいく、仕事が好き、キャリアを求める、表舞台に立つ、地位のある旦那の妻になる、などなど、とにかく、「仕事人間になりますよ〜」みたいなことをいわれています。
これが、私はあまり納得がいかなかったのです。なんだか安直だなあという印象だったし、占星術の勉強を始めてから知り合いに鑑定の練習がてら生年月日を聞くと、太陽10ハウスの人ってまあまあいるんですよ。仕事人間の「し」の字もないうえに、旦那さんもごくごく普通(または結婚していない)、って人いるけど?と思っていました。
出生時刻についての統計を調べてみると、1日の中で昼頃生まれる確率って高いんですね。ハウスは12あり、日本だとだいたい生まれ時刻2時間刻みでハウスが変わります。そうなると一つのハウスに太陽がある確率は12分1。夜中より昼生まれのほうが多いので、10ハウス太陽は10人に1人くらはいるのではないでしょうか。仕事人間、10人に1人もいるかな〜?ということもとても疑問だったんです。
かといって、「目標」とか「表舞台」とかそういったキーワードでこねくりまわし読んでみても、意味がよくわからず……。
それが、最近受講している酒井日香先生の講座で、まるきり解決。
「10ハウスは、職業傾向を表すこともあるが、ほとんどの場合は家庭環境ですね、母親という意味もあります」と。
驚いたと共に、それだ!ぜったいそれだ〜、と思いました。太陽10ハウスの友人たちのホロスコープと家庭環境思い返しちょっと検証しただけで、ビシッと当てはまったからです。そろいもそろって皆実家の家庭環境がちょっと変わっていたり複雑だったりで、太陽だけでなく10ハウスに入っている他の惑星で見事にそれらが暗示されているのです。
かくいう私も5度前ルールで10ハウスに冥王星がありまして、実家では私がまだ若い頃に父親が出て行き、母は片親で私と弟妹を育てました。母親や家庭を表す10ハウスに権力や底力を表す冥王星があるのは、やはり私の運命を暗示しているようです。
これを、10ハウスを仕事や肩書きという巷の占星術形式で読むと、「仕事で権力をもちたい」とか「カリスマ性がある」「仕事の仕方が極端(がむしゃらにキャリアを求めるか働かなくなるか)」などといわれます。なんだかとても曖昧な解釈になります。だから10ハウスが理解不能過ぎる……、とずっと思っていたのでした。
この「10ハウスは職業というより家庭環境である」という酒井さんの解説には、他の受講生たちも、驚き&大いに納得、というムードでした。
酒井さんによると昔の人は職業を選べなかった。親が職人なら職人になるし、武士なら武士になる。どこの国でも家=職業だった。なのでかつては10ハウスを職業と捉えていたが、今はそうではない、とのことです。
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