舞台「風が吹かない、コンクリートの上で立ち尽くす」雑記
舞台「風が吹かない、コンクリートの上で立ち尽くす」無事閉幕いたしました。
たくさんのご来場・ご声援ありがとうございました!
さて。
せっかくなのでnoteを書こうと思いつくままに書き連ねてみます。
今年2024年3月に、舞台「僕らは未だにに定まらない」という作品を東京・大阪で公演させていただきました。
初めてに近いほど、自分の「今描きたいもの」を好き勝手書いてみようと思い作った作品です。
この作品を描いたことで、私の中で作品づくりへの考え方が少し変わりました。
結果論で述べると、「これでいいんだ」と。
小劇場界隈含む自制作規模演劇においての作家性というものの必要性を確認できた作品でした。
作家の人生観や経験を踏まえた上で何を届けるか。
正しい正しくないとか客観的なものの見方ではなく、これが書きたいから描いたんだという作家の主観。(そこにもちろん伝えたいものも含まれるわけですが)
見る人にとって公平なものを作ることは本公演にとって違うなと、劇団の座付き作家としてのある意味での責任感を感じました。
そうして過ごしている中で、不意に、キャスト選出も含めて、一度自分がやりたいようにやったらどうなるんだろう、と考えました。
今までは、劇団主宰の來河とキャスティングや内容含め話し合いをしていました。
でも年齢を重ね、様々な俳優さんと出会ってきて、様々な作品を作っていき、役者ありきではない、作品ありきで作ってみたいと思いました。それが今後の自分の劇作家人生にいい経験になるんじゃないかと、それが今なんじゃないかと思ったわけです。ミニマムでいい、とにかく一回やってみよう、役者もオーディションで、私がこの人と作品を作ったら面白そうだなという人を選んで、内容も学校の文化祭という限定したシチュエーションにしてみよう、と。そうしてこの作品が動き出しました。
学校のいうシチュエーションをとったのは、潜在意識にある「学校教育」の大事さを感じたからだと思います。閉鎖された小さな社会で、無遠慮で育まざるを得ない人間関係という窮屈さの中で、何を学ぶべきなのか、捨てるべきなのか、それが将来どんな意味を持つのか、向き合ってみたいなと。
奇しくもそれは、私の演劇との向き合い方と同じだと、制作中に気付かされました。そしてよくしていただいている劇評家の方がこの作品を見て賛辞のお言葉をいただくとともに、「これは、茉美さんの演劇論なんだと途中で気づきました」と言われ、届いた嬉しさと自身のこの作品においての演劇との距離が確認ができました。
今作は、私自身が誰かを教え育てるという経験と共に、何を教えられるかどう教えていくか、そしてそこに内在する感情は何かを発見するための時間でした。制作を通して、稽古を通して、そして作品を通して。
この経験は私の中に大切に、ようやく形を見せ、残っていくのだと思います。
兎にも角にも、作品の一部になってくれた役者、ありがとう。
支えてくれた心強いスタッフ、ありがとう。
そして感じとりに受け取りに劇場に来てくださった全てのお客様へ、ありがとうございました。
また思いつくままに諸々書き連ねていきたいと思います。
もしご興味あればぜひ
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