
戦後の日本の公用語が英語にならなかった理由
こんにちは🌞真十鏡です。
私は英語が好きです。海外に暮らすまでは、その必要性も感じず、カタカナ英語で受験をパスする為の科目の一つとして学んだ程度でした。海外に初めて住んでから、会話が全く出来ないことに自分でも驚き、非常に苦労しました。今では、最低限のコミュニケーションは何とか英語で取れるようになり、英語で本を読むことも、英語の歌を歌うことも好きです。
英語がここまで勉強されているのに、話せない国というのもアジア諸国の中でも珍しい。以前からなぜ?という疑問がありました。
さて、スレッズでアメリカの戦後占領の時期になぜ日本は英語公用語をまぬがれたのか?という投稿を議論している人たちがいたので、日本が公用語として英語を採用しなかった理由と背景を調べてみました。
日本が第二次世界大戦後、公用語として英語を採用しなかった理由は、文化的な背景や国民的アイデンティティを守るための選択にあったと言われています。
1. 日本語の強さと文化的アイデンティティ
日本には高い識字率があり、戦前から日本語での教育システムが整っていたため、公用語を英語に変える必要性は薄いと考えられました。また、日本語が十分にその文化を表現できる力を持っており、国民の反発も強かった。
2. GHQの方針
連合国による占領政策を進めたGHQ(連合国最高司令官総司令部)は、当初日本語を廃止し英語を導入しようとしたものの、日本人の識字率が非常に高かったため、その方針を見直しました。ある調査では、日本人の識字率は97.9%に達しており、これはまさに予想以上の結果でもあった。
3. 経済的および政治的背景
戦後の混乱を乗り越えるため、日本は自身の文化や言語を維持することで国民の団結を強め、国家のアイデンティティを保とうとしました。このような背景から、英語を公用語にすることで得られる経済的な利益よりも、日本語を維持することの方が政治的にも重要視された。
4. 戦争の記憶と国民感情
戦争の結果、外国の影響を受けることに対する警戒心が強まっており、特にアメリカとの関係において、英語を公用語とすることは反発を招く恐れがありました。つまり、英語を導入することは、国民の歴史的な傷跡を再び刺激することにもつながりかねなかった。
このように、日本が英語を公用語に採用しなかった背景には、文化、経済、政治、そして国民感情が複雑に絡み合っています。
日本が英語を公用語にしなかった背景には、さらにいくつかの要因も影響しています。
まず、日本は、英語を公用語にすることによって文化的アイデンティティが脅かされるとの懸念がありました。日本語はその独自の文法や豊かな表現力を持つ言語であり、アメリカの支配からの独立を目指す中で、母国語を大切にすることが国民を結束させる要因となったのです。この文化的な価値観を保持しつつ国際競争力を高めるため、日本の教育システム内では英語教育が強調されていきましたが、公用語にすることはなかったのです
次に、GHQが日本に対して占領政策を取った際、英語教育を推進する一方で、日本語に対する全面的な廃止を強制しなかったことが重要です。占領期間中、アメリカは直接的な文化的改変よりも日本の自主性を尊重する方針をとり、その結果、日本の言語政策が大きく変わることはありませんでした。
さらに、英語による教育を完全に導入するには、膨大なコストと時間がかかるため、実現不可能と判断された点も挙げられます。このように、言語の変更には物理的な困難も伴ったことが、公用語化を妨げる一因となったのです
このように様々な要因が複雑に絡みあって、日本語が今も公用語となって、話されている。これはある意味で、言語による植民地支配、伝統文化、アイデンティティーの破壊から免れたので、良かったと思いました。