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読書メモNo.12 「ちょっと今から仕事やめてくる/北川恵海」

ちょっと昔の小説。去年のコロナ自粛の時、Amazonprimeで映画途中までみてたので読んでみることに。映画は面白くなかった(失礼)ので最後までみれなかったけれど本はどうかなー。


新入社員で営業マンとして就職した隆。就活に疲れていた時に内定を貰えて飛び込んだ会社。そこはいわゆるブラック企業だった。
土曜も働き、日曜は携帯がなって起こされ、上司である部長から罵声を浴びせられる日々に疲れを抱き始めていた。学生の頃は割となんでもこなせて社交的な性格だったと自負していた隆は社会でも上手くやっていける自信があった。
「できる人間はどんな環境でもできるんだよ」と得意げに言っていた隆。

入社半年後の駅のホーム。けたたましく鳴る携帯。このままホームに落ちたら明日を考えなくて済む。そしたら、明日会社に行かなくて済むな。とふわふわとした考えが浮かんでフラフラ前進する隆。
ーーーーその隆の腕を急に掴んできた青年がいた。
「久しぶりやな。俺や。ヤマモトや」というその青年は隆の同級生だという。
ヤマモトとの再会で、隆は明るさを取り戻した。自信を掴み始めた。

順風満帆の入り口をくぐり始めた隆に、無常のミスが発生する。

自分は周りを不幸にするんだと思い、会社の屋上の縁に立った隆を再びどこからか現れたヤマモトが腕を掴む。


ヤマモトが隆を諭す。「お前の人生は誰のためにあるんだ?
ーーー隆の父親の会社が倒産して、田舎に引っ越した高校時代。東京を離れたくないと罵詈雑言を浴びせた隆に何も言わず、大学まで行かせてもらって仕送りまでもらっていた隆。両親の愛情を当たり前のように受けていたことを忘れていた。涙が止まらない隆。実家に電話すると、無償の愛を注いでくれていた母親の言葉を聞けた。何も言っていないのに会社が辛いなら戻ってこいと言ってくれる両親。

隆は決めた。今から会社辞めてくる。と。

辞表を出しに行くと烈火のごとく暴言を吐きまくる部長に対し、どこか冷めた気持ちの隆は言った
「僕には世界を変えることはできません」
「でも、そんな僕でも変えられることはあります。
自分の人生です。
気付かせてくれた友人がいるんです。心配してくれている両親がいるんです。」

隆は会社を辞め、そのことをヤマモトに報告に行くとヤマモトは姿を消していた。


実はヤマモトは隆の同級生ではなかった。仕事に悩み自殺した双子の兄弟“純“がいた精神内科医の優だった。
あの日、ホームで見た隆に自分が救えなかった純を見たのだ。
優は鏡を見るのが怖かった。そこには自分が救えなかった純が写っているから。
元の仕事に戻った優。隆を救えただろうかと考えていた。
天職に巡り会えた人も、巡り会えなかった人も、みなもがき苦しみながら生きていくのだろう。
と考えていた。


病院の廊下で優の背中から声が聞こえた。
「先生、俺にも救いたい人がいるんだよ。俺はその人に命を救ってもらったから、今度は俺がその人を苦しみから救いたい。」


まぁ、感想としては普通。営業系ならあり得そうだし。ただ、映画向きではない気はします🤐(失礼part2😔)
私も転職経験者なので、初めは辞めることを、ものすごーーーーく悩んだけれど、辞めると言った瞬間から幸せを感じました。

辞めると決めた時は、どっちが正しいかわからなかったし(例えば後ですごく良くなる会社もあると思う)、次の仕事見つけていなかったので不安もあったし、、、でも、そのままズルズル居座ることも怖かった。
その時何かの本で見たのが、どちらの道を選んでも後悔するかもしれない。
という言葉。
それならば、やらない後悔よりやる後悔。と思って辞めました。
今でもどちらが正しいかはまだわかりません。どちらを選んでも同じくらい幸せで不幸だったかもしれない。

私が好きな漫画のセリフ「人生、七転び八起き。立ち上がり続ければ勝つのだ


おすすめ度 :★★☆☆☆
読了感   :★★★☆☆
コスパ   :★★★☆☆



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