「君は、悪口を言っていますか。」
「君は、悪口を言っていますか。」
偶然出逢った精神科医の先生に言われた言葉。
なぜか、涙がでそうになったので、グッと堪えた。
むかし何かで見た本で、仲睦まじい夫婦の奥さんが息絶える前に「生まれ変わっても、またあなたと、悪口が言いたいわ。」と語った文章があって、それがわたしの中では、かなりしっくりきたことを思い出した。
小学生の頃は誰かと仲良くなる為に悪口が必需品だった。
お姉ちゃんと悪口って言うか、けちょんけちょんに何かに突っ込む時間が好きだった。
言っちゃいけないことも、言っちゃえばたのしい。そんな時間。ダメな言葉、ぜんぶ。
あいつアホやわ!とか、なんでもいい。
悪口と言うか、笑えることって言うか、
「つかれた」って言うことと、似ている。
なんかこう、つかれたよな、ハハ。って。
溜め息みたいな、悪意のない口。
んで、ビールか緑茶かなんでもいいけど飲んで
「また明日もがんばろな」みたいな。
そんな、悪口。
今日も、おっちょこちょいをした。
クリニックの予約が13:00だとメモしていたのに、到着すると15:00だと言われた。幸い何も予定がなかったのだが、2時間を持て余す。
なので、noteを開いてみようかと思った。
この前、少しだけグッときたことを。
毎日何かしらアホなことをしてしまう。
ニュースに落ち込み、いつも焦っていて、なんか落ち着かなくて、ぜんぶがめんどくさい。調子がわるいとこうなる。いま、そんな感じ。
ただ、これが抜ける想像もできるので、まだ少し時間はかかるけど、少しずつ良くなりたい。
そして世界も、環境も、どうか良くなっていきますようにと。
人といる時間が、信じられないくらい苦痛になっていくことが、年々悪化していく。
悪いことだとは思わないし、ひとりの時間が好きだと言うのは宝物のような幸せだとも思うけど、働く上ではやっぱりきつい。
みんなが嬉しいゴシップや、下ネタ、そういうなんだか悪意のある世間話が、精神が参っているときは、しぬほどつらい。
この手の話は多くの人は大好きで興味があるけれど、わたしは日常からほとんど、動物の話か、宇宙の話か、前髪がきまらないとか、好きとか嫌いとか、死ぬ前に何が食べたいとか、小説や映画が最高だったとか、たまにお金の稼ぎ方なんて真面目なこと言ったり、そんな話だけをしていたい。
たまに現れる
「心がきれいなことがいちばんだよ。髪の毛を染めなくても、何も身につけなくても、本当に身につけるものは内側にある。」
なんてことを話せる人がいると、一気に心が晴れるけれど。
たまたまその中で出逢った精神科医の先生がいて、脳の話をしていた。楽しかった。と言うか、やっと落ち着いて息ができた。
自分のことを話してほしいと言われたので、いつも通り適当に話していた。
「まあ、ぜんぜん元気なんですけど。」
と終わらせるまでに自虐を含んだり、適当に悩みとか言ってみたり、自分から開いとけって、話のネタになればいいやって、いつもの、そんな感じ。
すると先生はわたしの顔を覗き込んで言った。
「君は、悪口って言っていますか。誰かに、話せますか。」と
この瞬間、猛烈に泣きそうになったのだか、必死に堪えた。
たぶんそれかどれほど大切なことなのかを
心が一瞬で理解したからだ。
裏をとられることもしんどいし
表で話せる相手もいないかもしれない
わたしは自ら一人の時間を望んで生きている。
それが悪いこととも思わないけど
心がワクワクする感覚はもう何年も味わっていない。気がする。
「悪口」は何年も言っていない、言うメリットもないし、内容も思いつかない。ブラックジョークと言うのか、毒舌と言うのか、関西出身のわたしにはお得意のものだけど。
わたしは口を開いた
「先生、それって大切なことですね。」
先生は笑って
「そうです。人生ながいですからね。」
と言った。
深夜帰宅して、お酒をたらふく飲んで、YouTubeをみた。
少し増えてしまった脂肪を落とす為に、ダイエットを2週間も徹底したのに、1キロも痩せなかった。
一日一食。夜お酒。
これで20代は余裕で3キロは減っていったのに。
30代は1キロも減らない。1グラムも。
ストレスはこんなにも影響するのか、と思う。
33歳の身体は本当に思い通りにはならない。
悪口の分が、3キロも身体の中に蓄積されているのだろうか。
流すしかないな。
別に誰かに話さなくても、流す方法はたくさんあるだろう
まあ、ぜんぜん大丈夫だろ。
そろそろ、クリニックに行かないと。
今日もがんばったね、
ありがとう。
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