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拝啓ジュディ・ガーランドさま
41日目。
2月2日の発表会でピアノを弾く。
2曲弾く予定で、そのうちの1曲は「over the rainbow」。
ジュディ・ガーランドに関するなにかをやりたかったからだ。
ジュディの自伝映画『JUDY 虹の彼方に』を観た。
ジュディの人生にふれて、ジュディに手紙を書きたくなった。
***
拝啓
ジュディ・ガーランドさま
あなたがカーネギーホールで歌ったときの「over the rainbow」を聴きました。
映像で見たいけれど、今は残っていないのかもしれません。YouTubeで音声だけを聴きました。
あなたの歌声に、あなたの人生のすべてがつまっていて、何度聴いても胸が震えます。
「オズの魔法使い」のときの、クリアなのに深みのある歌声も好きだけれど、大人になってからかすれた声で歌う「over the rainbow」もわたしはとても好きです。
あなたが子どもだった頃、大人たちはあなたからたくさんのものを奪ってしまいましたね。けれど、あなたのほんとうの輝きは決して失われることはなかったと、あなたの歌声を聴いていて、感じます。
大変な子ども時代を過ごしましたよね。
ご飯もちゃんと食べたかったし、ちゃんと眠りたかったですよね。
あなたは、ジュディ・ガーランドとしての人生の中では、自分の才能を自分のしあわせのために使うことができなかったかもしれないけれど、もし今度生まれ変わることがあったら、あなたがあなたの才能を、あなたがしあわせになるために使えるといいな、と祈っています。
あなたが亡くなってから50年後に、あなたの人生が映画になりました。
その中で、あなたと、あなたのファンだったゲイのカップルとの友情が描かれていました。
あの夜のような出来事が、あなたの人生の中にほんとうにありましたか?
もしそうだったらとてもいいな、って。
あの静かな美しい夜のこと、ずっと忘れられません。
あなたはいつも「over the rainbow」をどんな気持ちで歌っていましたか?
あなたの声から聴こえるのは、悲しさ。切なさ。
しあわせは、いつもここではないどこか、虹の向こうにあるって思ってる、そんな狂おしいほどの悲しさと切なさが込められている気がしてなりません。
わたし、今度ピアノで「over the rainbow」を演奏するんです。
あなたが歌った「over the rainbow」のアンサーソングとして、
あなたへのラブレターとして、
わたしへのラブレターとして、
弾けるといいな、と思っています。
しあわせは、わたしの中にあると思うから。
今ここにあると思うから。
しあわせは誰かに与えられるものじゃなくて、自分でつくるものだって思うから。
みんなひとりひとりにその力があると思うから。
美しい世界は、虹の向こうじゃなくって、今ここにあるのだと思うから。
ジュディへ
愛と尊敬を込めて
***
2月2日、発表会に出ます。
「第3回グランド発表会」
東京・五反田文化センター音楽ホール。
13:15開場、13:30開演。
平日のお昼間ですが、よかったらあそびにいらしてくださいね。
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次期の募集は、1月20日頃を予定しています。
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