認定NPO法人カタリバの珠洲入りプチ炎上を解体してみたら、戦後の教育の問題が浮かびあがってくるなど-戦後レジームの本体は教育―
2022年の初秋、暇空茜氏がColabo問題を取り上げて以来、SNSで各種支援団体に絡んだ話題がSNS上で珍しくなくなってきた。
Colabo、WBPC、赤い羽根、フローレンス、しんぐるまざぁずふぉーらむ…ああ、盛りだくさんだ。
本年あけてすぐ、能登半島の震災があった。
道路状況の問題から、当初から押しかけ支援への懸念があちこちから言われていたわけだが、SNS上には東日本大震災後の支援で名を上げたと思しきNPOのいくつかが支援の名乗りをあげていたので、今回もいく人は行くだろうなあと思ってはいた。
情報環境が東日本大震災の時とはまるで変っているので、そこそこ炎上する団体はあろうとは思っていたが、ちょっとした有名団体がプチ炎上したのでびっくりした。そうだ、認定NPO法人カタリバである。
2024年1月2日の段階で「情報収集開始」を謳っていたので、どっかで動くだろうってのは予想の範囲ないであったが、炎上一番乗りにここが来るとは…思わなんだ。
ただまあ、炎上といっても、コメの応酬があるわけでもなし、書き口もおだやかなものが多いので、プチ炎上といったところか。
カタリバのプチ炎上を概観する
始まりは、Colaboにストーカー呼ばわりされた上に提訴されて、いろいろ訴訟もやっているエコーニュース音無ほむらちゃんのツイートについた、さぶ氏のコメントで、認定NPO法人カタリバの代表、今村久美氏のnoteで語られた「珠洲入り」についてのレポートが紹介されたことからだった。
後で精査したところ、カタリバ代表今村氏一行の珠洲行軍のスタートは4日であった模様。
今村氏のnoteがでのレポートが起点である。
まあ、私もRTしたので、プチ炎上に加担してはいる。
まあ、4日の食料は持参したらしいので厳密にいえばフルセットではないのだが、このくらいあれば十分だろうというくらいにはやっている。
しかも…7日にアップしたnoteでは、意味不明の「支援物資指南」まで書いている。
ツッコミどころ満載である。
さて、個別のツッコミは後にして、この件からたぐり出せるもろもろの概略をとりあえず図にしてみた。
赤い点線で囲った部分を考慮しなければ、一番槍狙いの新興ボラ団体、新興社会起業家のやらかし?で済むかもしれないが、認定NPO法人カタリバとなるとそうことは簡単ではない。
なぜ?
それを紐解きつつ書いてみることにしよう。
認定NPO法人カタリバをザックリ見ていくと
2001年に、当時大学生だった今村久美氏(慶応SFC環境情報学)と三箇山優花氏(明治大学 文学部/演劇学)が共同で創業した教育支援系NPO。
現在、代表は今村久美氏で、三箇山氏はファンドレイジングを担当している模様。
どうやら、NPO法人で出会った女子大生二人が意気統合して起業といったことのようだ。
「高校生の学習モチベーションのアップ」を、大学生・大学院生のメンターを活用して実現するというビジネスである。
起業家としての「カタリバ」と支援者としての「カタリバ」
当初は、首都圏の高校生を対象とした、独自のキャリア教育プログラム「カタリ場」であった。
初期は「カタリバ流コーチング」というものも前面に出しており、なかなかのキラキラっぷり。
昔のカタリバのWebサイトでは、高校生向け(というか、ほぼ学校向け)サービスだけでなく、大人向けサービスとしてコーチングのワークショップもある。
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沿革ページを見てみると
リクルートの企画を多く手掛けている。
起業家養成という視点なのかもしれない。
2000年を過ぎたあたりだと、政府も経済界も「若年者の起業」を雇用の打開策として考えていたふしもあるので、それに沿った企画にあう団体ではあったのだろう。
キラキラした起業家であるカタリバのキャストがロールモデルになり、高校生に夢と起業家精神を養いつつ学習のモチベーションを上げる…何と素晴らしいモデルだろう(棒)。
人権団体との接点
2008年には、こんな紹介記事もある。
カタリバの旧Webサイトで「紹介されました」コーナーからたどり着いたが、この内容は現在も下記で公開されている。カタリバ創業から6年目というから2007年くらいであろうか。
掲載媒体は同和・在日朝鮮人問題などを多く扱う、人権団体の媒体である模様。
躍進するカタリバと今村久美氏
あくまで印象としてだが、いま代表を務める今村久美氏がマスメディアで注目されだすのは2005年以降だろう。
カタリバが躍進しだすのは2007年に東京都委託事業を受託したあたりではないだろうか?
2008年「日経ウーマンオブザイヤー」受賞、2009年、内閣府男女共同参画局「女性のチャレンジ賞」受賞。同年、米国TIME誌の表紙を飾るなど、今村氏の華々しい活躍が始まる。
そして、2010年には「カタリバという授業」という、書籍が上梓される。
ちょっと付記しておくと、この栄治出版というのは、カタリバ出身で、その後、一般社団法人Colaboを立ち上げた仁藤夢乃氏の「難民高校生」(2013年)を出している出版社でもある(なお、Colaboの稲葉隆久理事は2010年までカタリバの理事であった)。
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