前に住んでた家のこと(愛をこめて)。
今わたしが住んでるのは、義父が建てた家を取り壊して、15年くらい前に建て直した家なんですけど、その元々あった家はなかなかホラーな感じでした。
だって、応接間の壁紙なんて、ホーンテッドマンションのエレベーターのとおんなじ!だったし、重たいシャンデリアが下がってたし、奥の和室は大小取り混ぜてありえない数の襖があったし、とにかく暗いし寒い。
わたしは霊感のかけらもないし、不思議体験とか全くしてないんですけど、その前の家のお風呂に入ると、時空がゆがむ?というか、今がいつなのかわからなくなることがよくあった。
謎なレンガ色のタイルのその湯船に浸かって、昔のことをあれこれ思い出していると、ずーっと前に好きだった人のことなんかを考えてしまって、それが今好きな人のように思えてきて、湯船から出てシャンプーをしようとする頃に、いやいやいやいや!!今わたしは結婚してて子供もいるんじゃん!!あーびっくりした!!って鳥肌が立つ感じ。
それがしゅっちゅうあった。
でも、わたしってお風呂でどんだけぼんやりしちゃうんだろうー!くらいにしか思ってなかったし、もうずっと前のことだからすっかり忘れていた。
それがね、ちょっと前にこんな話を聞いて、ぎょっとした。
一瞬今の季節とか時間とかがわからなくなるような場所があったら、そこは危険なので避けた方がいいって。
え!それって、あのレンガ色のお風呂でなってた現象かも!!あれはわたしが心底ぼーっとしてたからじゃなく、どんなふうに危険なのかよくわからないけど、とにかく危険な場所だったのかも!!だって今のお風呂じゃならないもん!!
そういうのってなんなんだろう?方角とか?
あんまり掘り下げると怖いので、そーっと忘れることにしよう。