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アートセラピーについて

アートセラピーの講演を聴かせていただきました。娘が通っている保育園で、先生方と一緒にお話をきけるのはほんとに幸せなことだと思っています。

アートセラピーをはじめられたのは、阪神淡路大震災のときからだそうです。今は災害後の心のケアの必要性は普通だけど、当時はなく、心の専門家たちは子どもたちの心のケアや話を聞くことについて強く求めていたみたいだけど、実際自ら被災した大人たちに子どもたちの話を聴く余裕などなかったとのことでした。そこではじめた青空アトリエで、絵を描きながら元気を回復していく子どもたちの姿を目にしたそうです。

わたしはもともとアートセラピーについて知っていたけど、漠然とした理解しかなかったので、関わり方やメカニズムにピンとくるものがなく、興味だけの先行でいました。娘が3歳になり、色鉛筆をもって何か表現しだしたのをみて、その絵の意味を知りたくなったりしているところです。

今回腑に落ちたことは、
絵はその子自身であること
子どもは語彙が少ない分、絵で話すこと
だから、作品は見るのでなく聴くこと
そして、大切にすることです。

絵は、いま興味のあることだったり関心のあるものとか、心の中にあるものを描くのだそうです。大人であるわたしは絵を描くことなんて日常になく何を描いたらいいのかも分からないんですけど、
確かに最近の娘の絵を見てると、カタツムリ、テントウムシ、家、車、バス、カラス、うさぎ、自分や家族、文字!など、娘に聞かないと分からない絵をたくさん描いていて、「これが今の娘の興味や関心ごとなんだ」と思うと納得できます。そうすると、形にならない絵を自由にたくさん描いてるのをみるとその絵が愛しくなります。形にならないってことは言葉にできないということだっていう表現をされていましたけど、言葉にならないものって大人の心にもたくさんあるもの。大人にも自由に絵を描くことを勧められました。色を載せるだけでもいいそう。使う色も心を表現する。暖色系の赤。寒色系の青。赤と青は正反対の色で、その間には紫。それにも意味がある。画用紙の空白にも意味がある。基底線にも意味があるのだそう。

すごく聞けてよかったと思ったこと。大人がフタをしがちなネガティブなものが表現されたときのこと。暗い色ばかりで表現されたら「もっと明るい色使ったらどう?」←言わなくていい。血みどろの絵や、ナイフが何本も体に刺さってたり、爆弾が何個もあったり。目を背けたくなるし、描くのを止めたくなるようなもの。そんな絵はその子の心の中から表現されているとしたら、どうしてこんなに傷ついているのか、苦しい思いをしているのか。。そう思うと、それを表現してくれたことを嬉しく、ありがとうって思えるかもしれない。もし、それを表現できずに心の中に溜め込んだままでいるとしたら、ずっとずっと苦しいままかもしれない。今回アートセラピーの講演をリクエストしたのは私なんだけど(リクエストしたら、園長先生のお知り合いに講師の先生がいらっしゃり、話がスムーズにいった!)それは、311のあと、被災地で子どもたちが地震ごっこや津波ごっこをしていたということを看護師の友人から聞いていて、その心の意味と、アートセラピーとのつながりがあるんじゃないかってずっと思っていたっていうのがあったからです。表現することの大切さ。イジメって、日本ではイジメられる方のケアに注意がいっているけど、実はイジメる方のケアって大事だったりします。アートみたいに言葉にならないものを表現することは、そんなケアにも繋がってくるって思っています。どんな絵だって認めて大切にする。そうして、セルフエスティームを自分を大切に思う感情って分かりやすく言ってくださってました。それが育まれていく。心がバランスをとれていると意欲的になる。それは子ども大人関係ないですよね。

カリタスプロセス2
希望と信頼をもって他者を尊重すること(自己と他者の主観的な内的な生命世界を尊重し、希望と信念・信頼をもって真に存在する)。
カリタスプロセス5
相手の話にじっくりと耳を傾け、ポジティブな感情のみでなく、ネガティブな感情の表出を可能にすることを助け、それを受容する。

↑これですね。


看護理論家ジーンワトソン教授が提唱しているカリタスプロセスを日常や具体例から紐解いています。

↓参考
https://kodomonomiraie.com/column/%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E7%B5%B5%E3%81%AE%E6%88%90%E9%95%B7%E3%81%A8%E3%80%81%E5%A4%A7%E4%BA%BA%E3%81%AE%E9%96%A2%E3%82%8F%E3%82%8A%E6%96%B9/

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