王羲之展
最終日。
写真展の搬入前に先生の書いた蘭亭序の元ネタを観に行って来た。 小さい紙に書いているのに、勢いと繊細さを感じる。 と言いつつ、正直すごすぎてよく分からんかったけど…。
人に宛てた手紙が「作品」となり、こうして17世紀を経て現代に残されるなんて、 ヘタなこと書けないね…とバカなことを考えてしまう。 というか昔の人は手紙をもらったら、 「あ、こいつの字、めっちゃいいやん。コレクションしよ」って思うんだね。 大事に取っておいた誰かの手紙を無くしてしまい、 悔しがってるのを更に手紙で書いていたw
王羲之は12歳まで引っ込み思案だったけど、 儀式か何かで偉い人が王羲之に牛肉を食べさせたら、自信がついたらしい。 皆の前で牛肉を食べさせてもらうということは、 偉い人が王羲之を認めたぞという意思表示で
それ以降みんなの王羲之を見る目が変わったそうな。その自信が王羲之の作品にも大きく影響した。
一人で力を付けて行くのではなく、先輩がこうして導いてくれたんだなぁと。 何かキッカケを作ってやろうとする、温かくも厳しいはからいに ジーンとしましたよ、あたしゃ。
楷書の成り立ちも興味深い。 3世紀~5世紀くらいまでは隷書体っぽさが続いているけど、 6、7世紀で一気に楷書体が出来上がったらしい。 というか、3世紀に書かれた漢字が現代人にも普通に読める形に 既に成り立っていることがもう頭クラクラする。 多少変化はしていても、それでも千年もこれだけの人間たちが操れている記号、 文字とは本当に素晴らしい発明品だよね。
(漢字だけでなくアルファベットも)
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