自己暗示
19世紀後半
エミール・クーエは、
フランスで薬剤師として
キャリアをスタートさせました。
彼は患者に薬を渡す際、
ただ薬を渡すだけでなく、
優しい言葉や励ましを添え、
心の奥から「治る力」を
引き出そうと心がけました。
ある日、
薬を処方できない患者に
「特別な薬」として
水のボトルを渡したところ、
その患者は劇的に回復しました。
この出来事を通して、クーエは、
「人を動かすのは意志よりも想像力である」
「想像の力」と「自己暗示」が持つ
大きな可能性に気づきました。
しかし、それでも
私たちが望む変化を
得るためには、
自己暗示や
表面的なポジティブな言葉だけでは
難しいことがあります。
私たちの深い無意識の中には
大切にしたい
過去の経験や思いが在るため、
外側からの
無理な言葉や意図で
それを変えたくはないのです。
ここで
催眠を活用する
価値があります。
催眠状態においては、
普段の意識では到達しづらい
無意識と繋がり、
無理やりにではなく
そこで起きる
自発的な気づきや
イメージが活性化されます。
帽子に違いない!
という頑なな概念から
像を飲み込んだ蛇?
を想像できる柔軟さへ。
そして、この変化は
外部から押し付けられるものではなく、
自らが望み、
受け入れたものであることが重要です。
自発的な関心や
自分の心の声を大切にすることで、
心はポジティブなイメージに反応し、
望む未来へと導かれやすくなります。
外側から強制されるものではなく、
自分自身の意志と想像力が生み出す、
自発的で持続的な変容を引き出す。
これこそが、「自己暗示」
と言えるのかもしれません。