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【アラフォ女子旅】非武装地帯(DMZ)ツアーに参加した#001


DMZ非武装地帯

2024年9月5日
会社から韓国行きのチケットを頂けたので、せっかくだから会社の同僚女子(干支1回り違う子)とDMZ(非武装地帯)ツアーに参加した。

怖いもの見たさ、安易な気持ちで参加したけど、朝鮮半島の歴史・情勢に関して勉強になったし、色々な思いが巡る一生の思い出になった。


DMZ(非武装地帯)とは

DMZ(非武装地帯)は、韓国と北朝鮮の間に存在する、約4キロメートル幅の緊張した区域で、軍事的な活動や武装を禁止するために設置されている。
DMZは1953年に朝鮮戦争の休戦協定によって設立されましたが、正式な平和条約ではなく、戦争状態の終結を示すものではない。

DMZの特徴

DMZの主な特徴は以下の通り。

  1. 地理的位置: DMZは、韓国と北朝鮮の国境線に沿って東西に広がっている。南北約250キロメートル、幅約4キロメートルの範囲。

  2. 設立目的: DMZは、戦争の再発を防ぐために設置。軍事的な緊張を緩和し、双方の軍隊が接触しないようにするための緩衝地帯。

  3. 軍事的制約: DMZ内には軍事基地や兵器を持ち込むことが禁じられており、軍事的な活動も制限。
    ただし、DMZの周囲には韓国と北朝鮮それぞれの軍事施設がある。

  4. 自然保護区: DMZは長年にわたり人の手が入らなかったため、多くの野生動物や自然環境が保護されている。
    韓国側にはDMZ内の自然環境を保護するための観光施設もある。

  5. 観光と見学: DMZの一部は観光客に開放されており、見学ツアーが提供。
    ツアーでは、DMZの歴史や現状、平和の可能性について学ぶことができる。
    特に板門店(Panmunjom)は、南北首脳会談などが行われる重要な場所として知られている。

なぜ参加を決めたのか

またもやサハリンをふいに勧めた兄の一言から笑
しかし学生時代、世界史が苦手だった私も旅を通じてたくさんの世界で起こっている出来事を理解するようになったので、いずれいつかのきっかけで勉強がてら行きたいと思っていた。

ちなみにサハリン旅行日記はこちらから

DMZに行くには

韓国側から北朝鮮を見学するにはDMZ(非武装地帯)を通過する必要があり、こちらから先は個人では入場することが禁止されているため、ツアー参加が必須。
いろいろな現地ツアー会社で企画されているけど、トータル的に考え今回はVELTRAのツアーで申しんだ。

朝は早く明洞からバス出発

明洞にあるセジョンホテル前(明洞駅の10番出口)にて集合。
私たちのバス以外にもたくさんのDMZツアーバスが停車していたんだけど、ツアーガイドさんが日本人の方ーって呼んでいたのですぐにわかった。
どうやらこのツアーはアジア人より欧米の方達の参加が多いみたい。

バスに乗ってからまずは名前(パスポート名)を記載

まずバスに乗ってからまずやる事はパスポートに記載されている名前と生年月日を正確に書く事。
後に統一大橋で兵隊さんから1人づつパスポートチェックがあるので、正確に書かないと
そこから先に入ることができないのだ。
またパスポートを所持していないと参加できないので要注意。

臨津閣(イムジンガク)へ

軍事境界線から南に7km離れた所にある臨津閣(イムジンガク)公園。
ここは検問を受けることなく民間人が行ける北朝鮮に最も近い場所とのことで、ツアー客でなくても来れる場所。
二階建ての施設があり、そこでは韓国料理やカフェ、軽食を食べられるような座れる場所もたくさんあった。

DMZと書かれたお土産もちらほら。

DMZと書かれたマグカップ

臨津江を渡る「自由の橋」(帰還した捕虜たちが祖国に戻るために使用した橋)

自由の橋
自由の橋の下は少し公園のような作りになっている

1953年の朝鮮戦争停戦後、韓国に戻ってきた捕虜たちが自由を取り戻すために渡った橋。ガイドさんによると『自由万歳ー』と言って走ってきたことから自由の橋と呼ばれるようになったとか?

この橋はイムジンガクのシンボルの一つで、統一の願いを込めて祈る場所となっている。

自由の橋の前にあったオブジェ

現在では観光客が歩いて渡ることができるエリアが設けられ、韓国と北朝鮮の分断を象徴する場所になっている。

平和の鐘

平和の鐘

2000年1月に建てられた統一と平和を祈る象徴的なモニュメントである平和の鐘。
韓国国内外の要人や訪問者が、この鐘を鳴らして平和を願う儀式が行われている。

弾痕まみれの機関車

痛々しい機関車が展示されている

「長湍駅の機関車」は2年間の保存処理に入り以降臨津閣の自由の橋の南端に移されて展示されている。ボディにボコボコとあなが空いているのは銃弾の跡。
半世紀以上にわたり非武装地帯に放置されていたらしい。

望郷の歌碑

望郷の歌碑

38度線の向こうで暮らしているだろう離別家族を惜しむ歌が刻まれており、ガイドさんが説明しながらボタンを押すと音楽が流れる。

望拜壇(マンベダン)

望拜壇。朝鮮戦争により故郷を追われた人が停戦ライン以北の故郷や家族,祖先を偲び拝む壇。日本でいうお盆やお正月の時期にここに集まって離散した家族を思う場所。

座るスペースは程よくあった

とても広い公園なのでここだけでもとても満足の高い観光地となっている。ガイドさんの説明後も40分くらい時間があったので来る前にコンビニで購入しておいた朝ごはん(キンパ)を食べてのんびりと。(アイスコーヒーはこちらの売店で購入)

民間人統制区域内へ・・統一大橋でパスポートチェック

韓国側には南方限界線から更に5-10km南に、民間人統制区域と呼ばれる地域も設定されている。この区域に入るには検問所を通らなければならない。

バスで5分ほどしたところに検問所があった。
バスの中に軍の兵士さんが2名入ってきて、事前に提出した個人情報と本人を1人ひとり照合(ここでは一切の写真撮影禁止)
迷彩服の兵士さん2人で1人づつチェックする姿はなんとも言えない緊張感があった。

地表面から73メートルの地下に続く第3トンネルを歩く

DMZ

南侵第3トンネルは北朝鮮が韓国への南侵のために秘密裏に掘っていたトンネルで、1時間に軍人が3万人移動できる規模とのこと。
休戦中に北朝鮮側がDMZの下に韓国側を侵攻するためのトンネルをDMZ内に20個ほど掘ったそう。

韓国側が見つけた順番に番号をつけていき、ここは1978年に三番目に見つけたトンネル。このトンネルの存在は、脱北者の証言から明らかになった。
ちなみに現在、歩いて良いエリア以外は地雷がまだ沢山埋まったままだそう。。

DMZ訪問センターで歴史を学ぶ

外でガイドさんから丁寧な説明を受ける

まず入った施設でトンネルの歴史や非武装地帯の現状に関する説明を動画で見る。
この動画も凄くて、日本人観光客には日本語の字幕と日本語の音声で流れ、映像の作りもドキュメンタリー感があり、朝鮮戦争に知識がない私でもくいるように見ることができた。
また施設の中では模型などで詳しくDMZ に関して紹介している。

いざ第3トンネルの中へ

第3トンネルは、地上から約70メートルの深さにあり、片道およそ600メートル。
そのうち観光客が立ち入れる265メートルを歩いて見学する。
片道の長さで考えると大した長さではないのだが、深さ70メートルというのはビル22階くらいの高さであり、真っ暗で狭いトンネルを急坂を下るという、かなり体力が問われる見学地になっている。

このトンネルが発見された当初、北朝鮮は韓国側が掘ったものだと主張したらしい。
しかしガイドさんによるとトンネルの内部の爆破の跡が南に向いているという痕跡が見られ、北朝鮮側の虚偽が明らかになったという。
そのことでちょっとずつ境界線がずれてきているとも言っていた。

バスの中でも入る直前も心臓や体の弱い方は無理しないで入り口で休んでいた方がいいと伝えられ、救急車で運ばれている写真が入り口に何枚も飾られていたのを見ると、流石にだんだん不安になってきた。

水以外は持ち込み禁止で、入る前にロッカーで全て物を預ける。
入り口でヘルメットを借り、岩盤がむき出しになった緩やかな坂を下っていく。
中はとてもひんやりしており、寒いくらいだったが、天井もどんどん狭くなり、また息も上がってだんだん暑くなっていった。
閉所恐怖症の方も危険かも。。。

どうやらトロッコもあるみたいだったけど、私たちのツアーは全部徒歩。(トロッコが現在壊れているとかなんとか。。。)
途中のトンネル内で、白人の高齢者がベンチで休憩しているのを何度も見た。

ゴール(行き止まり地点)では監視カメラと閉ざされた扉と少量の明かり。
その先は真っ暗でなんとも言えない恐怖心があった。
それと同時に同じルートを
最初は見て!ダイナマイトのあとだよ!など興味津々で歩いていたけども、帰りの緩やかに永遠と続いているような登り坂は無口にただ歩くだけだった。

入り口には売店があったので、そこで飲み干したポカリが最高の思い出。

烏頭山統一展望台 오두산통일전망대

烏頭山統一展望台の場所(Googleマップより)

烏頭山統一展望台(ウドゥサン トンイル チョンマンデ)は、韓国の京畿道(キョンギド)に位置する展望台で、北朝鮮との軍事境界線に近い場所にある。

この展望台は、韓国と北朝鮮の関係に関する歴史や現状について学べる施設で、特に北朝鮮の風景を一望でき、地下1階から地上2階までは展示室となっている。
以前は有料の施設だったけど、2024年1月から無料になったらしい。

烏頭山統一展望台の入り口

展望エリアはは全面窓ガラスで外の景色を一望できるようになっていた。
大きなモニターで望遠鏡の景色を見ることもできる。
またカフェも併設しており、ヨギボーがたくさん置いてあるリラックスブースもあり、ツアーの白人の方達がのんびりと過ごしていた。

肉眼で見る北朝鮮の街並み
無料の望遠鏡から北朝鮮を見る

外に出ると無料の望遠鏡がいくつかあり、そこを覗くと北朝鮮の街並みが見える。
対岸の北朝鮮までわずか2.1km。
今回はあいにくの曇り空で建物くらいしか見えなかったけど、天気がいいと動いてる人や銅像なども見えるらしい。

DMZ(非武装地帯)ツアーに参加してみて

今回旅のツアーでお世話になりました

1950年6月、北朝鮮が武力による国家の統一を目指して韓国に攻め入ったことから、「朝鮮戦争」が始まった。
ちょうど私の父が生まれた年。それは昔々の話ではない。

DMZ(非武装地帯)ツアーはほぼ毎日決行しており、また世界中のかたがツアーを組んで観光している。
ゴミ風船の影響で今回ツアーに組み込まれなかった場所もあり、いまだに現在進行形で緊張感のある南北朝鮮問題。

こちらのツアーは安全とはいえど、地雷がまだ埋まってる地域、写真撮影NG区域の箇所も多々あるので、思わぬ大事件に巻き込まれぬよう観光客は節度を守って行動して欲しい。

そして改めて世界中の人が当たり前の普通の生活ができる平和な世界になることを切に願う。



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