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『幸せという名の小さな光』 3分で読める超短編小説10

はじめに:僕の原文 x ChatGPT x 村上春樹の文体

この短編小説は僕の書いた原文を元にChatGTPに加筆修正してもらい、さらに僕自身が加筆修正をして完成したものです。文体と作風は村上春樹というプロンプトを入れました。「僕 x ChatGPT x 村上春樹の文体・作風」を楽しんでいただけると嬉しいです。(タイトルはClaude 3.5を使用)

『幸せという名の小さな光』

「君って、幸せだよね」

そのメッセージを受け取った瞬間、僕はただ戸惑い、そして少しばかり息を呑んだ。僕の頭の中に「なぜ?」という疑問が静かに湧き上がる。それは不意にふわりと舞い上がり、僕の心に小さな波紋を投げかけた。いまの僕は、幸せなどというものとは程遠い場所にいたはずだった。暗くて深い、誰にも見えない穴の底に沈んでいた。

最愛の妻をがんで失ってから、僕はほとんど生きる気力を失っていた。何も手につかない日々が続き、仕事も長いこと休んでいた。最近ようやく職場に戻ったが、その重さと向き合うたび、どこかがちくちくと痛むような感覚があった。ほんの些細なことさえも、普段の何倍にも感じられ、まるで壊れかけた機械が、ひどくぎこちなく動いているかのようだった。

現実の暗闇と重みから逃れる術を求めるように、僕はSNSに妻との思い出を書き綴った。プライベートな事は投稿してこなかったので、それは初めてのプライベートの投稿だった。彼女が僕のその投稿を読んでいたのだと知ったのは、ある日、彼女から「地下鉄で読んで、思わず泣いてしまった」とメッセージが届いた時だった。そして、その後すぐに、「君って、幸せだよね」と追って送られてきた。

「君って、幸せだよね」という言葉には、妙な響きがあった。まるで、僕が知るはずのない何かがそこに込められているようで、しばらくの間、その言葉が頭から離れなかった。

僕の幸せは、すべて妻とともにあり、妻ともに作り上げた日々に存在していた。妻のいないこの世界には、幸せのかけらも残されていないと思っていたのだ。心から笑える日はもう一生ないだろう。そう固く信じ込んでいた。

だから、もし、その言葉が彼女以外の誰かから送られてきたなら、針で刺されるような反発を覚えて、川面を漂う枯れ葉のように流してしまおうとしただろう。でも、不思議なことに、彼女のその一言は胸のどこかに深く残り、僕を捉えて離さなかった。彼女は心理学の教授で、人間の幸福度に関する研究をしていると聞いていたせいか、「君って、幸せだよね」という一言の意味について、ひとり静かに考え続けた。どうして彼女はそう感じたのか。なぜ僕にそんなことを言ったのか。

そうして、一週間ほどが過ぎたある早朝、鳥のさえずりに目を覚まし、薄暗い意識の中で、ふと気づきが訪れた。すべてがゆっくりと、まるで深い霧の向こうから現れるように、僕の中に浸透していった。
 
そう、僕は確かに幸せなのだ、と、少しずつ、けれど確かに気づき始めていた。妻を愛し、その愛があったからこそ、今の僕がある。たとえ彼女がこの世からいなくなったとしても、その愛は僕の内側で微かに燃え続けていた。あの日々が、あのぬくもりが、今の僕を支えているのだと。
 
出会えたこと、愛し合ったこと、そして共に過ごした時間。ささやかだけれど、その一瞬一瞬が、僕の中で輝きながら溶け込んでいる。それは、時に苦しくもあるが、同時に、その一つ一つがこの世界と僕をつないでくれる絆のように感じられた。失われたわけではなく、ただ別の形でここに在り続けている。それが僕を今も生かし続けているのだ。

その愛が、あの朝、僕の中でひそやかに目を覚ましたのがわかった。まるで、夜明けに空が一番はじめの光を帯びるように。ほんの小さな、かすかな光だった。でも確かに、そこにあった。

気づけば、ただ窓の外で鳴く鳥の声にさえ、妻の面影が宿っていた。流れる風の音に、妻の笑顔の記憶がどこかしら織り込まれていた。妻のささやかな気配が、静かな部屋の中にも漂っていた。僕の心の奥底で、ずっと寄り添っていてくれたのだ。

「君って、幸せだよね」というあの言葉。それは、僕がどんなに深い闇の中にいようとも、なおも手の届くところにある幸せを、もう一度思い出させてくれるための、ささやかな祈りのように思えた。 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

❤️ この短編小説は友人の中川麻里さんの投稿に刺激を受け、背中を押されて誕生しました。中川さんに心から感謝いたします。

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雅 Masa 🍀『日本語教育 x Well-being』の…
🇳🇿ニュージーランド在住25年🌈NZの大学教員トップ10の一人(博士:応用言語学)🌈日本の公立高校英語教員・NZの高校の日本語教員を経て国立大学教員❤️愛の響きのシンガー🌻YouTube『転機・支え・幸せ』&『Masa Music』🌈『瞬きする瞬間も愛おしく』感じながら生きていきたい


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