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原子力潜水艦を舞台としたBBCスリラー『Vigil』。スコットランド沖で起こった核兵器をめぐる政治ドラマは、「冷戦は終わったが…」常に戦争状態にあるという英海軍を見事に描いた緊張のドラマ。
今回も6週間しっかりがっつり喰いついた。BBC1日曜9時枠で『ライン・オブ・デューティー』、『ボディガードー守るべきもの』の製作陣が手掛けた作品、『Vigil』が昨夜最終話を迎えた。まさに息を吞むというか、舞台が潜水艦内だけあって、その展開には正直息が詰まりそうになった。そのプロットさながら、潜水艦内と地上とが同時進行に真実を追求していくという設定も良かった。結論から言うと、「これ絶対シリーズ2あるよね!?」というのが私の意見。
原子力潜水艦HMC Vigilの艦内で起こった船員の自殺をきっかけに様々な事実が暴露されていく。
以下ネタバレあります。
とりあえず、犯人も特定したし(ドラマの登場人物達よりも視聴者の方に先に明らかにされた)、真実の愛も確認できたしで、ハッピーエンディングなんだけど、いくつかまだ、引っかかるところが...。
DCIシルヴァは船員の自殺を調査するために、Vigil 艦内へ派遣されるが、自殺ではなく他殺であると断定。ということは、殺人者が艦内にいることになる。それは一体誰で何の目的で殺害を実行したのか?
1.犯人の動機は一体何だったのか?ロシア側に加担するに至ったいきさつは?またその理由は?犯人は「no comment」と供述し、DClシルヴァは「彼はナルシストよ!」ってそれだけ?「PR?人が死んでいるというのに!」と憤っていたが、確かにそれだけではないだろう。
2.海軍 vs 警察 vs MI5 vs 政治家(vs 反原子力潜水艦グループ)、敵対しながらも協力せざるを得ない非常にポリティカルな関連性。誰が何を隠しているのか、海軍の予算を増やすためにもロシアやアメリカの脅威は必要?クルーの安全が一番だろ、と思う私はナイーヴ過ぎなのか?
3.HMS Vigil は、主要人物たちを降ろした(地上に戻した)後、再び航海へ出たが、あのような事件があった後、キャプテン・ニューサムをはじめ、クルーは通常の任務が遂行可能なのか?そもそもニューサムがキャプテンに任命された経緯にも疑問が残る。そして私はハドロウがなんか胡散臭いと思っている(間違いであって欲しいが)。
DCIシルヴァは過去のトラウマが原因で閉所恐怖症を患っている。限られたスペース内で、職務を遂行することができるのか?
と、このような理由で、シリーズ2を熱望するわけである。
個人的に非常に残念だったのは、プレンティスの死。最終的に非常に良い人だったので。「もし、彼が私に気付かなかったら、私は死んでいたわ」と感情を吐露するDCIシルヴァに、キャプテン・ニューサムは「彼は任務を全うした。最善の方法で。それを私たちは熟知している」とシンプルに答えたが、彼も悲しみに打ちひしがれているのは見て取れる。
バークがジェイドに残したビデオメッセージーーー「この世界が破滅してほしくないから」という理由で、ロシア側のオファーを断り、自身もそしてジェイドまでも殺されてしまったこと、そして、その後に起こったことを鑑みるとーーーーそこまでシンプルではないんだよなあ、とも思うが、どうだろう。
同僚かつパートナーだったクリスティンの助けもあり、事件は解決。そして死に直面したDCIシルヴァは、本当に大切なものに気付かされる。
こちらは、『Vigil』のオフィシャル・トレーラー。
下の記事も併せて読んで欲しい。上記のドラマを製作した、World Production が手掛けた、こちらは事実に基づいたドラマ『The Pembrokeshire Murders』の内容とあらすじ。