【ロンドン発】2024年週刊ジャーナル(3月4日~3月10日):今週もいろいろありました&いろいろ聞きました。
3月4日:イギリスの独立系レコード店の数が10年ぶりの高水準にあるというニュース。
特にコロナ以降、レコード(アナログ盤)の売り上げが上がったというのは、度々伝えられていたが、CDが平日に売れているということは、学生さんかな?後、インストア・ライブの復活もあるかも。レコード買わないと、チケット取れないから。
レコード屋にいくとアドレナリンが上がって誰かと話したくなるから、社交やコミュニティー・グループが存在するのも分かる。私が若いころは、SNSなどなかったので、レコ屋のお兄ちゃんとお友達になった話はこちら(↓)。
そういえば、スクエアプッシャーは、新アルバム『Dostrotime』を、CD、LP、ダウンロードのみでリリースしたよね。こういう動きも広まってくるかも。
3月5日:「私は、おそらくあなたが聞いたこともないようなバンドを何十年も愛してきた。でも、それを理解してくれる人が他に199人もいる」という英ガーディアン紙のコラム。タイトルを見ただけで、同胞意識が湧き出てきた。リードには、「マイ・ライフ・ストーリーを覚えている?彼らは土曜日にロンドンを代表する会場を満員にした。では、その会場が最も小さい会場のひとつだとしたら?」とある。マイ・ライフ・ストーリーは知っている、ブリットポップのど真ん中だったから。
イギリス人らしい、サーカスティックな文章ではあるが、言いたいことは分かる。誰も知らなくてもいいのよ。しかもあまり売れなかったバンドをチケットを買ってわざわざ観に来るという、帰属意識も理解できる。シェア?とはちょっと違う感覚。しかも、再結成してくれるんだったら、まだいい方。ということで、私も出すわ。以下が私の「おそらくあなたが聞いたこともないようなバンド」達。知っている人がいたら、連絡して欲しい。
ルース。恐らく「ヴァレンタインズ・デイ」が有名なのかもしれないけど、私はこの曲が一番好き。
Ruth 「Fear Of Flying」
実は98年のフジロックにも出演していたミジェット。同年の12月に日本ツアーもしたよね(追っかけた)。
Midget 「All Fall Down」。
同じく、フジロックから日本ツアーのモントローズ・アヴェニュー。アルバム一枚で解散した後、Scott Jamesはステレオフォニックスに加入。その後はどうしていうのだろう?ドラムのマット・エヴェレッツはBBC6music でパーソナリティーを務めている。
The Montrose Avenue 「She's Looking For Me」
ザ・マーブルズ。ヴォーカルのマルコの伸びのある声が良かった。2000年だったかな?日本にも行ったよね。マルコは、元ゴーキーズのエイロスのソロライブにも参加してたけど、そのエイロスも今はティーンエイジ ファンクラブで活躍中。
The Marbles 「Slip Into Sound」
だったら、ゴーキーズ・ザイゴティック・マンキも出すよ。大好き。
GORKY'S ZYGOTIC MYNCI 「SWEET JOHNNY」
キャプテン・ソウル。一時期、アラン・マッギーのレーベルPoptones に夢中だったことがあって、その時に見つけたバンド。
Captain Soul 「T-Shirt 69」
マイ・ヴィトリオール。昨年は、20年以上ぶりにライブにも行ったよ。
My Vitriol 「Always Your Way」
シーフード。ソニック・ユースからの強い影響を公言していた。アイドルワイルドとも仲が良くて、サポートを務めたりもしていたのだけど。
Seafood 「Splinter」
ビリー・マホーニー。ライブはもっとマスキュリンで迫力があるのよ。
Billy Mahonie 「Dusseldorf」
ビーチバギー。以前このブログでも紹介したが、彼らもポップトーンズだった。ツインドラムが最高。
Beachbuggy 「Kickin Back」
ザ・ウェッブ・ブラザーズ。言わずと知れた、ジミー・ウェッブの息子たち2人、クリスチャンとジャスティン。そして3男のジェームスもバンドには参加していた。ぱっつり前髪おかっぱ(?)の70sヘアスタイルも良かった。シカゴ出身ながら、ロンドンに滞在していて(イギリスの方が人気があった?)、ライブはやたら日本人が多かったな。
The Webb Brothers 「Summer People」
フレンチ・キックス。大好き過ぎてニューヨークまで追っかけちゃったよ。マットが脱退して、少し形が変わってしまったんだけど、今も活動しているのかな。彼らもポップトーンズだったわ。
French Kicks 「Close to modern」
レディオ4。ちょうどストロークスが出てきたあたりから、本気でニューヨークに移住しようと思っていた。前述のフレンチキックス、そしてブルックリン出身のこのバンドもその理由のひとつ。ロンドンではチケットが手に入らないくらい人気だった。ギターが上手くて、ライブの度に惹き込まれていた。
Radio 4 「Dance To The Underground」
ザ・フェイント。上のレディオ4と一緒によくプレイしていた。今でも活動しているみたいなんだけど、イギリスには来てくれないのよねえ。
The Faint 「I Disappear」
エレクトリック・ソフト・パレード。アレックスとトムのホワイト兄弟はブライトン出身。この当時19歳と17歳だった。
The Electric Soft Parade 「Empty At The End」
エド・ハーコート。スナッグのライブは観たことがないのだが、エド君のライブは何度も行った。
Ed Harcourt 「Apple Of My Eye」
そして最後は、ブレンダン・ベンソン。最高のシンガーソングライターだと思うのだが、最近音沙汰ないなあ。
Brendan Benson 「tiny spark」
まだ何個か忘れていると思うがキリがないのでこの辺で。
3月8日:友人たちとコーヒー・モーニング。ハムステッドにオットレンギがオープンしたので、チェックも兼ねて。
友人の一人は、長女が去年からエクセターの大学に通い始めたのだが、毎週Gails のクロワッサンとマフィンを郵送しているのだとか!エクセターにベーカリーは無いんかいな!と突っ込んだが、「Gailsのクロワッサンがいい、って言うのよ」と。「マミも来年、息子が大学に行ったら同じことするわよ」と言うが、ミドルクラスのお嬢様は手がかかり過ぎるな、と返しておいた。
3月9日:すごい試合だった。イングランド v アイルランド。2ポイント差で、アイルランド逃げ切ると思っていたけど、マーカス・スミスのドロップキックでイングランド逆転。アイルランド人(半分)の夫は、ショックで声も出ず、固まってしまっていた(笑)。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ITVの『The Jonathan Ross Show』にリアム・ギャラガーとジョン・スクワイアがゲスト出演。
ジョナサンの「二人ともそれぞれ大成功したバンドを終了させた後、最初の2~3か月はどんな感じだった?」という質問に、ジョンが「ただ曲を書き続けて、最終的に別のバンドをやった。シーホーセズを。で、たくさん子作りした」と答え、一方リアムは、「パブに直行」と(笑)。ジョンの口からシーホーセズという名前が出てくるのが嬉しいね。
リアムはこのショーには何度が出演しているし、ジョナサンとは家が近くて、子供たちの学校が同じだったりするから、お互い良く知っているんだろうけど、ジョンは初出演。トークショー自体もそれほど体験ないんじゃないかな、めっちゃきょとんとしていて、素だった。トークの内容はそこまで濃くはなかったが、パフォーマンスライブも観れて良かった。
3月10日:BBC3のドラマ『Borders』を観てる。とある全寮制の私立校に、南ロンドン出身の黒人生徒5人がスカラシップで入学するという設定。
いきなり日本語の課外授業に放り込まれたToby(Sekou Diaby)。しぶしぶ出席せざるを得なかった割には日本語上手!これだけの長いセリフを覚えるのは大変だったのでは。ちなみに隣に座っている日本人の生徒さんは、私のお友達の中川亜紀ちゃん。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
今週の1曲 ザ・シーホーセズ「Suicide Drive」。ジョンがインタビューでメンションしたから。
アルバムの中で一番好きな曲。
去年の夏に観に行ったの、クリス・ヘルム。ドッジ―のサポートだった。「Suicide Drive」はやらなかったけど、ギターソロ、とっても良かった。
(今週終わり)