うんこ漢字ドリルの奥深さよ。
男子はうんこだのちんちんだの1日で何度も言う。なぜならそれは彼らの呼吸音だからだ。よく聞こえてくるのはしょうがない。
うんこの絵を書いては大爆笑、かじったパンの形がうんこに似ていても大爆笑、なんなら自分のうんこのデカさに大爆笑。
あまりにもうんこネタで毎日楽しそうにしているので本当は一緒に笑ってやりたいのだけど、一応親として、教育の一貫として、とりあえず
「うんこうんこ言うんじゃない」
とか言って楽しそうな空気に水をさしてみる。毎日毎日。そんな親の涙ぐましい教育をあざ笑うかのようなものが出た。
「うんこ漢字ドリル」だ。
表紙には全例文でうんこの使用に成功!なんて書かれちゃっている。まてまてまて・・・こっちは毎日うんざりするほど「うんこうんこうるさい」って怒っているのに。
でも気づいたら手元にあった。
うちの長男は一年生。こんなの食いつかない訳がない!なんなんだよ!ってAmazonでポチ。
届いたと同時にクリスマスプレゼントの包装紙をスゴイ勢いで破り開ける子供のごとく、中身を出す。
おっと・・・索引からうんこが散らばっているぞ。あれだけうんこの絵ばかり書いていた息子を注意していたのに。ちょっとうんこすぎないか?そして一年生の最初の漢字は「一」。
1、この うんこが 一番 大きい。
2、うんこを ひとつもって 出かけよう。
3、うんこに えんぴつを いっ本 つきさした。
なんという想像以上のうんこ感・・・!遠慮がない。いや、誰への遠慮だ?うんこうんこ言うんじゃないと叱らなければならない親への遠慮はそもそも微塵も感じられない。うんこをふんだんに使い、うんこなしでは語れない漢字の教育。ページをめくる手が止まらない・・・そして涙を流しながら笑っている・・・私が。
早速息子に見せてみた。
子 「うんこだ!えーと、ぼくは???月になるまでうんこをしないぞって・・・ここなんて書いてあるの?」
私 「六だよ。デカいうんこの下に漢字が書いてあってこの小さいうんこの中に練習で書くんだよ。」
子 「ふーん。あ!おかあさんデカいうんこって言ったー!ははー!」
私 「これは勉強だからね!笑」
子 「うんこをなくしてしまい、な・・・なのかかんさがした、ぐはははは!うんこ七日間もさがすかよ!ぎゃははは!」
私 「早く次いこ、次!」
なんということでしょう。例文が読みたくて漢字の読み方を覚え、うんこの中に記入してみたくて漢字を覚える。こんなにも楽しくて止まらない勉強法はなかった。いや、勉強している感は全くない。うんこの例文を読みたくて、うんこの例文を完成させたいだけなのだ。
親だって、勉強や宿題に付き合うのはしんどい時もある。でもうんこ漢字ドリルは違う。親も早く次の例文が読みたくて付き合うのが苦痛ではないのだ。むしろ楽しい。
うんこ漢字ドリルは深い。うんこと漢字を組み合わせた意味はものすごく奥深いことを知った。
しかし親子でこんなにもうんこを共有して笑い合ったことがあっただろうか。そもそも男子の呼吸音を否定し続けるには無理があったのだ。だからあんなにワクワクして、一緒にうんこを楽しめるかもしれないとポチった私がいた。
ありがとう、うんこ!と、うんこ漢字ドリル!