マネージャーの恋
本宮不二子(63)は、タレント藤原光司(36)の担当マネージャーである。
不二子は密かに藤原に想いを寄せているが、規律を守る真面目な性格から、
気持ちを知られてはならないと心に誓っている。
ある日、出演する番組の生放送中に不二子のスマホに1通のメールが届く。
藤原の殺害予告である。
『生放送中に藤原を殺害する』
送り主は不明。
不二子は藤原の身を案じ、なんとか退出させられないかと
プロデューサー林田麻琴(50)に懇願するが、
無事収録を終わらせたい林田は、どうせ嫌がらせだと決めつけて取り合ってくれない。
その場にいるスタッフも林田に従うしかないという顔をしている。
番組の終了時間は残り20分。
不二子は藤原本人には伝えず、ひとりで犯人捜しを試みる。
不二子のメールアドレスを知っている人物に心当たりはないか…。
思考を巡らせていると、ゲストとして座っている女優・下平優香(24)と目が合う。
最近よく藤原と会っている人物だ。
1か月前、不二子は藤原から真剣に交際を申し込まれたが、気持ちを押し殺して断った。
その数日後、藤原と一緒にいるのを見かけるようになったのが優香だ。
2人で密会している時、藤原の隙をついてスマホから
不二子のメールアドレスを盗み見ることができたのではないか…。
番組終了時間は残り10分。
本当に優香が送り主なのだろうか。
焦る気持ちを必死にこらえていると、優香がこちらを見て、右ポケットに手を入れたのを目撃する。
「危ないっ!」
優香にとびかかり、右手を掴む不二子。
不二子に押し倒される優香。
騒然とする一同。
優香の右手にはスマホが。
「不二子さん、ごめんなさい!さっきのメールは冗談ですって今メールしようと思ってたんです」
2人に駆け寄る藤原。
「どうしたの?」
「すみません!勘違いでした!番組を続けてください!」
真っ赤になってスタジオを後にする不二子。
番組が終了し、不二子の元へやってくる藤原。
「下平さんから聞いたよ。どんなにアプローチしてもオレがなびかないから、不二子さんに嫌がらせのメールを送ったって。オレが刺されるかもしれないと思ったの?」
「……」
「命がけでオレを守ってくれたの?」
「……うん。良かった。無事で」
不二子は藤原を抱きしめ、藤原も不二子を強く抱きしめる。
ー おわり ー
冗談でも殺害予告メールは良くないですよね。。。
過去の自分のこういう構想ノートを読み返すと、
人の気持ちを考えないような内容が多いので、
人としての常識がないなぁと反省しきりです。
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