大島奈桜

小説家を目指す専業主婦です。こちらのnoteには、短編小説・本の感想、を主に載せています。

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写経で小説の勉強を。

「写経」とは、本来はお経を書き写すことですが、私は小説を紙に書き写す、「写経」をしています。以前、文章術の本に、小説の練習として「写経という名の写し書きが良い」と書いてあったので、1週間前から始めました。 1回につき、2~3ページだけですが、一言一句そのままに。人気作家の推理小説や、なろう系の異世界転生モノなど、過去4冊やりました。 書くだけで勉強になるの?って思うかもしれませんが、それがかなり勉強になります!(断言します!) 書いてみないと気づけないことがたくさんありま

    • 『SAVE THE CAT の法則』読んでます

       10月8日から読み進めている『SAVE THE CAT の法則』ですが、もう少しで読み終わりそうです。そんな今、言えるのは、本当に買ってよかった!  私は日本人だから、アメリカ人である筆者との言葉遣いや文化の違い、()の中にジョークが入っていたり、私が映画をあまり知らなかったりするせいで、頭の中がはてな(?)でいっぱいになることもたくさんあって、読み進めるのに、時間はかかっていますが、本当に買ってよかった。  読んでいくうちに思ったのは、この本を参考にして作られた作品が

      • あまのじゃくだね、天野くん。その2

        先日書いた短編小説の続きです。 告るねと言ったレナが天野へ向かっていく。田中と松尾は肩を寄せ合ってそれを見守っている。 「天野くーん」 食べ終わったアイスの棒を、自分が持っていたゴミ袋へ投げ入れる天野。「何?」 長いサラサラな茶髪を、派手なネイルの手でかき上げるレナ。 「あのさー、えっとねー」 「なんなの?」 レナを見上げ、眉間にシワを寄せる天野。 「天野くん、いまぁ、彼女いる?……いないならー、私と付き合わない?」 照れくさそうにレナは、身体をくるくると揺らした。 天野

        • あまのじゃくだね、天野くん。その1

          短編小説を、2回に分けて書きます。 「天野ー!アイス食べる?」 文化祭が終わった校庭で、ごみ拾いをしている実行委員・天野の元へ、先生からのおごりだと、同じく実行委員の田中が声をかけた。 「いらない」 天野はそっけなく言い、再びゴミ拾いを始めた。 「あー、それならジュースはー?」 今度はジュースを持った松尾が声をかける。 「んー、……じゃあ……ジュースはもらおうかな」 松尾は天野にジュースを渡し、田中と共にその場から離れた。 「ぷぷぷっ」 田中は振り返って天野を見た。天野は

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        写経で小説の勉強を。

          銃を乱射したいと書いた日

           25年前のことだから言えることですが、私は高校3年の時、学校のプリントに「銃を乱射したいです」と書きました。  当時、私の担任は、『今自分が思っていることを何でもいいので文章にしてクラスのみんなに発表しましょう』というのをやっていました。  週に1回、クラスの生徒1人が前に出て、書いてきた文章を発表し、聞いた人はその発表をどう思ったか、1枚のプリントに書いて提出する。  クラスの大半は「なんて面倒なことが始まったんだ」と不満そうにしていました。私は自分の番が来たらどんな

          銃を乱射したいと書いた日

          『あのクズを殴ってやりたいんだ』感想

          恋愛ドラマが大好きな私。今期も色々な恋愛ドラマがありますが、 既に面白くてこれからが楽しみなドラマは「あのクズを殴ってやりたいんだ」です。(まだ今期の恋愛ドラマを全部見たわけではないです。) もう、主役の奈緒さんの演技がとにかく面白い!コミカルで可愛くて、ずっと目が離せません。 気持ちや身体の痛みまでが分かりやすく伝わってきます。オーバーなんだけど、そんな人いないでしょう?という程あり得ないわけではない。 歩く姿、走る姿、驚く姿、どれもが、役の「ほこ美」ちゃんが今どんな見

          『あのクズを殴ってやりたいんだ』感想

          高3の約束

          「ぎゃはははは。お前、マジでそれはねーわ!」 廊下を歩きながら、ツレが馬鹿笑いをしている。廊下を歩いていた周りの生徒は俺たちを避ける。それはまるでモーゼの海割りのようだ。俺は1軍男子だ。陽キャだ。そんな俺にドンッとわざとぶつかってきた女子がいた。 メガネの黒髪、スカートは膝よりだいぶ長い陰キャ、カースト最下位の女子、七菜香だ。 ぶつかった拍子にメモを渡された。俺はそっとそれを開く。 「今晩うちに来て」 メモにはそう書いてあった。 夜、俺は本棚を組み立てていた。昼間

          オーディブルで『トットちゃん』

          ただいまオーディブルの無料体験期間中です。 色々な本を聞くことができています。 電子書籍では有料で読めなかった本もリストにあって、聞くことができてとても良いです。 中でも1番良かったのは、マイコプラズマ肺炎になった時。 体がだるくて何もできない。動きたくない、映像も見たくない。 そういう状態にオーディブルが大活躍しました。 横になって聞く。勝手に耳に入って来る。 その時に読んだのは「窓際のトットちゃん」でした。 著者である黒柳徹子さんご本人が朗読してくれます。ただでさえ、

          オーディブルで『トットちゃん』

          キングオブコントで感じた7つのポイント

          とっても面白い、ロングコートダディからのスタートだった2024。 その後もずっと面白くて、これはどうなるんだろうのワクワクがすごかった。 でも審査って難しいんだろうし、好みがバラバラなんだろうし、合計点数に⁇が続いた。 順番の妙。色んなことが重なっての結果に、心から満足したかというとそうでもない。 2023のサルゴリラさんが圧倒的で爆発的だったので、それを期待してしまっていたせいもある。 今回感じたのを7つにまとめてみた。 ①大規模なセットは良くない ②小道具を使いす

          キングオブコントで感じた7つのポイント

          SAVE THE CATの法則買いました。

          以前からずっと気になっていた「SAVE THE CATの法則」という本を買いました。 本格的にストーリー作りをしよう決めてから、色々な本を読んだり、サイトの記事を読んだりしていると必ずと言っていいほど、オススメされている本「SAVE THE CATの法則」。 電子書籍もいいけど、老眼になりつつある私はやはり手に取って読みたくて、アマゾンで購入し、昨日届きました。 まだ買って数ページしか読んでいませんが、すでに買ってよかった! 時折、言葉の表現の仕方で何を言わんとしてい

          SAVE THE CATの法則買いました。

          トマトの達人

          ある野球少年は「太鼓の達人」がやりかった。 でも少年の両親はゲームを許さない。 少年は8歳。いまだ ゲームに触れたことがない。 でも彼は見てしまった。 クラスメイトが ゲームセンターで太鼓の達人をやっているのを。 楽しそうだった。もう夏は終わったとというのにお祭りのようだった。 やりたい。どうしてもやりたい。 あの赤いマル、(ドンちゃんというらしい)は、叩くと花火になるんだ。 少年は家の中を物色した。 プロ野球の応援バットが見つかった。これはバチになりそうだ。 目に

          トマトの達人

          サラリーマンは水鉄砲で遊ぶのか

          「あちーっ」 もうすっかり夏だ。飛び込み営業をしていた、俺は滴る汗をぬぐいながら、緑が生い茂る公園に立ち寄った。 寄って正解だった。木陰にベンチがある。 (よっこいしょ ……はぁ…… 疲れた) 座った途端、 ぴゅぴゅっ!ぴゅ―――!! 少し離れた場所で水鉄砲をして遊んでいた少年2人の水が、俺の髪にかかった。 (はぁ!?) 腹が立った。が、俺はもうすぐ30だ。ふぅ……と、深呼吸してびしょ濡れの少年2人に、手をあげ声をかけた。 「ねえ…… 俺の髪、濡れたんだけど?も

          サラリーマンは水鉄砲で遊ぶのか

          ラジオCMを聞いた感想

          「ラジオCM面白いよ?聞いてみたら?」 漫画家の夢をあきらめた私に、夫がこう言いました。 「短い時間でも引き込まれるし、聞いてて面白いんだよ」 私の中でラジオは、芸人さんのを選んで聞くくらいで、 ラジオCMはほんの数回しか聞いたことがなかったので、 ユーチューブで検索して、聞いてみることにしました。 聞いた感想は、「ラジオはラジオだ!」ということ。 当たり前だけど、音に特化している。 でも4つの気づきがあったので、書きます。 1.「たけしー!」 と、名前を叫んだり

          ラジオCMを聞いた感想

          ビビりで、弱虫で、お腹弱い上司

          (私の上司は、どうしてこうも頼りないんだろう……) 歩道の真ん中でうずくまっている。 プレゼン会場に行きたくないからだ。 「もう!課長、時間ないですよ!」 私がイライラして叫ぶと、 「イヤだ……行きたくない……胃が痛い……帰りたい……」 課長は小さな声でボソボソ言い始めた。 ( はぁ―― ) 無理やりでも立たせなければ……と私は思い、 課長に近づくと、課長はパッ!と立ち上がり、 「トイレ!」 と叫んで、真横にあったコンビニに消えた。 「それではっ…お手元の

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          夏の日の図書館

          図書館が閉鎖されてしまった。 大学受験を控えているというのに。 家で勉強なんて無理。 弟が友達とゲームで騒いでてうるさすぎる。 ああ、どこで勉強しようか……。 畑中このみ は、勉強道具をトートバッグに入れて、 家の戸を開けた。 もうすぐ10月。暑さはいくらか和らいでいる。 でも、夏休みは良かった。 まだ図書館が開いていたから。 あれから毎日のように通った。 あの人元気かな。 どこで何をしているんだろう。 ミーン!ミーン! セミの鳴く声が、やたらと耳に突き刺さ

          夏の日の図書館

          事故物件の幽霊

          人の運命は生まれながらにして決まっているんじゃないだろうか そう思えてくる私の平たい手のひら。 手相の線はあまりにも薄く、 『あがいても、もがいても、何もつかめないよ』  と、語りかけてくる。 小説家を目指す木村真理子(きむらまりこ)は、 そう思って、掲げた手のひらを降ろした。 事故物件の部屋。 古いアパートの、西日だけがやたらと差し込む部屋。 畳の上にゴロンと横になって、何時間経っただろうか。 跡形もないし、安いし、幽霊なんて怖くないし……。 いっそ、ここに幽

          事故物件の幽霊