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ウタウタウ

歌うことが大好きだが、自分の音痴を自覚しているので
歌うことを我慢している坂口美奈(20)は、いつか歌手になれる夢を見て
カラオケでアルバイトをする日々。

ある日、ガラの悪い客に「おい、お前、歌ってみろ」と言われ、
仕方なく美奈は歌を歌う。

すると自分でも驚くほどうまく、その客から喝さいを浴び、首を傾げながらその部屋を出る。


なぜうまくなったのか?


誰もいないフロントで静かに歌うと、いつも通りの不安定な歌声で悲しくなる美奈。


同じアルバイト店員で友人でもある、佐久間しおり(22)に
「101号室で歌を歌ったらうまくなった」と話すと、
あの部屋は女の子の霊が出るんだよ、と答える。


客が帰り、「101」の片づけをする美奈。もう一度歌を歌ってみた所、
またうまく歌えてビックリ。

「本当に幽霊がいるの?いるなら出てきて!」

と問いかけると、10歳くらいの可愛らしい女の子の霊が出てくる。


「私も歌手になりたいの。私とあなたが手を組めば歌手になれるよ。だから私が憑りついてあげる」

今まで散々歌が上手くなるために努力してきた美奈。
この子にただ憑りついてもらえるだけで歌手になれるなら…。

受け入れようとしたところ、しおりがやって来る。

「本当にそれでいいの?」

歌手になれるなら何でもしたい。
でも自分の実力でもない歌を歌ってて私は楽しいかな…。
私が歌手になりたいのは、歌で元気が出たからだ。魂が震えたからだ。

私は自分の声で歌いたい。

中に入ろうとする霊をかわす美奈。

「私はこのままでいい。自分の声で歌う」


肩を落とし、うつむく女の子の霊。


「そっか。そうだよね。私も私のままで歌手になりたかった」


薄くなっていく女の子の霊。美奈が女の子に問いかける。



「名前は?」

「玲子だよ。お姉ちゃんの歌、お空から聞いてるね」


徐々に消えていく玲子を見つめながら、美奈は
これからは胸を張って、どんどん歌うことを心に誓う。


ー おわり ー


↑考えた当時のメモです。
↑再考した時のメモです。


考えた5年前と違い、絵を描きたいけど下手で嫌になっている、
自分の状況を反映したような内容に変えました。

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