母と消費生活団体

母は子育てが落ち着いて我々が中学高校へ進学した頃に知り合いの方から誘われたことがきっかけで加入した消費者団体で市役所と関わりながら今の暮らしには当たり前となっている内容を勉強していた

あの頃はよくわからなかったけど食品添加物のことや船便で果物などが運ばれてくる様子を見学に行ってポストハーベストと称する残留農薬について学んだり工場見学にも積極的に参加していた

今で言う産業まつり的な行事を毎年やっていて家の食卓でB紙と読んでいた大きな紙に訪れる人たちに知ってほしいことを色カラフルなマジックで書き込んでいたのは鮮明におぼえている

こういう団体は役員選びが難航するのがお決まりで会長の後継人に何度も数人で家に押しかけてきて説得されて渋々引き受けて2年連続務めあげたことは母自身の武勇伝になっていることだった

勉強の熱が加速して市役所からの任命で名古屋へ毎月1回の講座に通っていてその頃からのお付き合いで高齢になった今でも親しくお付き合いがある数人の皆さんとは私までも深いお付き合いをさせていただいている

あの頃では画期的だった廃油からつくる石けん作りにも力を入れていたしホウ酸を入れてゴキブリ団子作りや干支作りだったり会員の皆さんと共同購入でお茶や様々なものを入手できていた

成人式を迎える娘のいる家庭に振袖の購入をすすめる勧誘の電話にのせられて購入してしまった友達の相談にのってクーリングオフ制度があることを伝えて代金が無事に戻ったり役に立てたことがあったわ

次第に母の体調が悪くなってきて手術をすることになったことは後にこれらの忙しさとは関係のないことだったと判明したが母がまるで働いているかのように留守が多くて専業主婦なのにどうして私は鍵っ子なんだろうと考えた時期もあった

市役所との関わりから近隣の商店へ統計調査のお願いに廻ったりスーパーや八百屋さんの計量のお仕事も引き受けていた　

まあこうして振り返ってみると仲間が良くて楽しかったから熱心にやれていたんだろうとは思うけど貴女のその頑張りには脱帽です

私の人生が貴女のように上手くいくかどうかは最期になってみないとわからないことだけれど少しでも真似できるように生きていこうと思ってるよ
だからもう少し長生きしてお手本となっていてほしい
病床の母へこの思いを届けよう涙