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めぐるもの

しばらく目を閉じて
そっと 目をひらく

ひとつ季節を越えていた
あんなに熱で覆われた
大地
稲穂実り まさに収穫のとき
心にも何かが
新しく生まれていた

もう一度目を閉じる勇気は
未だなかった

季節に置いてけぼりに
されそうで
どうしようもなく
怖かった

いのちとは
誰かが落とした
泪の欠片
いのちとは
誰かの したためた
鈍色 (にびいろ)の 情熱
緑の木々 葉を揺らせて

こころは 話しかける
こころは うたう

いのちとは 
日々を 優しく 捲る

笑顔の記憶


生命の神秘

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