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生涯現役を意識したのは…

実家が小さいながらも寺ということで、いろんな話が入ってきていた。
なぜか母の言葉でインパクトがあり、残っている言葉がある
「旦那さんに先立たれ、路頭に迷うことがないように、女性も手に職を持った方がいい」と…
寺を切り盛りしている母は、ある程度自由にお金を使っているように見えていた。
昭和の中盤は、共稼ぎもなく、サラリーマン家庭は、父の給料で母がやりくりするというもの。だから稼ぎ手の父がいなくなったら、路頭に迷う人は少なからずいるのだと思っていた。

いつしか、夫の収入に頼るだけではなく、自分で稼いで自由にしていたいとぼんやりと考えるようになっていた。
そもそも、家にいるのは得意ではないことはわかっていて、大好きな雑貨に囲まれてショップを持つことを夢見たこともあった。
仕事をして、お金を貯めて店を持つ。海外に買い付けに行くなどと夢を描いていたこともあったけど…そんなに甘いものではないとわかっていた。
だいたいが、気に入ったものは売りたくなくなる性分で、話にならない。

早く社会に出たいし、勉強も好きではないから、4年制の大学に行く必要はなく、短大を選び就職した。
社会にでたら、いろんな先輩からいろんなことを学べるとワクワクしているにも関わらず、何の努力もせず、自分で選択することもなく、縁故を頼り、思い描いいた夢は弾け散った、20歳…

そう、就職だけでなく、高校進学の時から、さほど努力もせず、
成績が下がったからと志望校のランクを落とされ、やる気をなくし、
母が持ってきた、短大/大学の付属高校に何とかギリギリの成績で入学し、思っていた高校生活と真逆で、毎日が苦痛の日々だった。
進級ギリギリラインで半期に10日間は休むし、3年間の思い出と言ったら、辛うじて修学旅行の想い出が少しだった。
私にとって、高校/短大の5年間は空白でしかない。
自分で人生を選択してこなかったからだ。

人生が動きだしたのは、縁故で入った会社で1年あまりが過ぎた頃
兄が新聞広告で、中途採用の記事を見つけ、大手で中途採用はなかなかないから受けてみたら…というのがきっかけだった。

前職場には内緒で面接を受け、「どのくらい勤めるつもりですか?」と問われ、何も考えていなかった私は「4年くらい」と答えた。
なんの根拠もない「4年」…

面接を通過したとたん、前職場の人事に話がいき、呼び出され、状況を聞かれた。
正直に想いのままに伝えたら、立場的には応援できないけど、個人的には応援すると言っていただき、最終的に職場の上司や先輩方が寄せ書きをして見送ってくれた。

人生が動き出したのは、転職した22歳から…
労働組合で2年働けば、総務部に異動できると言われ、頑張り続け
新しい仕事を知ることは、いろんな出会いも広がり楽しくて仕方なく…
そのうちに、当時花形だったワークステーションなるものと出会い、社内公募でインストラクターや講習会の講師を募集していたので応募。
初めて自分から、やりたいことに向かった一歩だったかも…

そして、仕事を通して出会いがあり、結婚。
その頃には仕事が楽しくて楽しくて。。。
結婚1年半にして、夫がアメリカ駐在となった。当時は妻は仕事を辞めて着いていくのが当たり前。
でも、それって、会社を辞めなくてはならない。
それは絶対にない! 仕事が楽しい! 子育てしながら定年まで仕事を続けるという気持ちになっていた。

そんな私の気持ちを察してか夫は好きにしていいと…
アメリカに遊びに行くからねー、それにワークステーションでメールのやり取りできるしねーと見送った。

女性が定年まで働くには、専門職でないと難しいと考え、上司に相談。
マニュアル制作という専門職に移動し、育児休職制度、できたばかりの育児のための時間短縮制度を活用して乗り切った。
当時はワーキングマザーはまだまだ少なく父親の育児参加もほとんどいない時代だったけど、子育てしながら働くのを当たり前にしたい。親の援助がなくても、夫婦2人でできるはず…とまい進。

そう、この頃には、定年まで会社にいると確信していた。
定年再雇用の間に次の仕事のステージを見つけようと思い始めていた。
「生涯現役」を目指して!

死ぬまで、自分でお金を稼いで、やりたいことに挑戦し続けたい。
自分が自分であるために
そして…自分が生きてきた価値はなんなのか…
生きてきたからには、誰かの役に立ちたい。
そうだ、いろんな経験をしてきたこと。この経験知は誰かの役に立つかもしれない。
一人の人生で体験できることには限りがある。
だから、自分の体験を伝えることで、何かのヒントになるやも…と思い始めた。
そして、こうやって、noteに記すことで、母の生き様を伝えたい。
私が母から受け継いだものを、娘に伝えておきたい。

「いろいろあったけど、今が一番楽しい」と言い切れる人生のエピソードを綴っていきたいと思うのです。

P.S. なんだか一気に書き上げたので、わかりにくいかも…
でも、根底にある「生涯現役」について、最初に残しておこうと思うのです。

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