【個性が引き出される環境】低年齢ボーディングスクールの内情
ここに娘の例を紹介します。
スイスのボーディングスクール在学中に小4の娘はテニスを始めました。日本の学校に通っている間はテニスを習った事もなく、娘は全くの初心者でした。にも関わらず、娘は何故か上級者クラスに入る事を許可されたそうで、その事実が娘のやる気を一層高めてくれた事は言うまでもありません。
そんなやる気満々な娘の希望もあり、私は娘が日本に帰国している夏休み中にプライートレッスンを受けられる様手配しました。やる気がある今がやらせ時!と思ったのです。
するとどうでしょう。あんなにレッスンを受けたいと懇願していた娘が、回数を重ねるごとに段々と行き渋る様になってきたのです。コーチはとっても礼儀正しく、真面目、指導も的確でレッスン後には必ずその日のレッスンの振り返りをしてくれるなど、母親的には大満足でしたし、安心して指導をお願い出来るコーチでした。
それなのに何故・・・屋外でのレッスンだったので、暑くて嫌だったのかな、くらいに考えていました。
新しい環境での新しい気づき
疑問に思ったのも束の間。時は流れ夏休みも明け、娘はイギリスの学校に転校しました。
転校してから気付いたのですが、残念ながら娘の通う学校ではテニスはシーズンオフだった様で選択することが出来なかったそうです。そこで娘は仕方なく、それこそ全くの未経験である『ホッケー』とスイス在学中に少し習った『サッカー』を放課後のアクティビティ(部活の様な位置付けだそう)として選んだ様です。
するとどうでしょう。転校して1ヶ月ほどで娘はスイスの時と同様にまたもやレベルの高いサッカーチームの一員として活躍し、地区大会2位に入り、秋に行われる全国大会にも出場する事となった言うのです。
更に、秋休みで帰国中の娘に学校でのアクティビティ(部活)の様子を聞くと、「私ね、学年一、ホッケー上手いと思うんだよねー」と得意気に話すのです。我が娘の話ながら半信半疑で聞いていましたが、更に驚いたのは全校集会でBest Player of the Weekとして表彰されたと言うのです。(ホッケー始めてまだ1週間の時だったそうです!笑)
続けて、「日本でホッケー習えるところないのかなぁ。あ!でもいいや!日本のコーチ怖そうだし」と言うではありませんか。
娘が感じた「コーチの違い」
そこで初めて「向こうの(海外の)コーチと日本のコーチ、何が違うの?」と聞いてみました。娘の答えは「向こうのコーチは沢山褒めてくれるし、レッスンが楽しいんだよ。日本のコーチは厳し過ぎるの!」と。
あー、なるほど。全てを納得した瞬間でした。
夏休み中にお願いしていた日本のコーチは礼儀も大切にしてくれる方でしたので、レッスン前後には挨拶、声出しもしっかり、など、レッスンを通して色々と娘に教えてくれていたのです。私も小学生の頃はスポーツをしていたので、上下関係や礼儀を重んじるべき、などの概念が当たり前の様に染み付いていたので、その点に関して疑問に思う事もなく、むしろ海外ではそういったものも希薄になってしまうとの思いから、日本人らしく、その様な概念も大切にしてほしい、とすら思っていました。それ故に私はお願いしていた日本人のテニスコーチに絶大な信頼をおいていたのです。
必ずしも「厳しさ」は必要ではない?
しかし、この出来事を機に、本当にその概念が必要だったのか?と自分自身の考えに疑問を持つ様になったのです。娘はスポーツ選手になりたい訳でもなく、ただスポーツ(身体を動かすこと)を楽しみたいだけ。私としても娘には純粋に色々なスポーツを楽しみ、好きになってもらいたいだけ。気付けば目的は親子共々同じでした。
そうしてやっと、今の時点で礼儀や厳しさを強いて、スポーツを楽しめないのは勿体無い!!という結論に辿り着いたのでした。娘はどの様な環境だと自分がベストパフォーマンスを発揮出来るのかを無意識ながらに感じていたのだと思います。
ボーディングスクールでの成長
イギリスでの練習風景がどんな感じなのかは娘の話からだけでは分かりませんが、イギリスの学校のコーチが大好きだと言う娘の話からも楽しんでいる様子が伝わってきました。そして未経験だったスポーツをここまで楽しみ、好きになり、自信を持って楽しんでいる娘を見て、改めて学校のコーチに心底感謝している私がいました。
どちらが良いか悪いか、と言う話ではなく、ウチの子には海外のコーチの様な指導スタイルが合っていたのだと思います。しかし、これはあくまでも私の感覚ですが、低年齢で留学しているからこそ、この様な指導方針であることはとても大切だと思いました。
伝統的な「スポ根」の価値と留学環境
その昔、「スポーツ」と「根性」と掛け合わせた言葉で、「スポ根」と言うワードがありましたが、改めて調べてみると「熱意と根性さえあれば、どんな苦境も打破できる!」の様なマインドを指す言葉だそうです。そういったマインドが通用する場面もあるのは理解できますが、留学先の先生がこの様なマインドだったらどうでしょう?私であれば少々心配になります。
子どもが疲れていたり、今は気が乗らないなどの気分の時に「根性があれば出来る!」みたいな環境に終始置かれていたら、海外という親元から離れた土地に暮らしている訳ですから、子どもは親に訴える事も、また親が現地にすぐに駆けつける事も出来る環境ではないのでやはり心配になります。(何度も言いますが、そういったマインドが必要な場面もありますが、ね)
留学先の学校での安心感
我が家が低年齢からボーディングスクールに行かせる事に抵抗がない理由の一つは、『人と比べる事は無意味であること』、『自分自身が楽しむ事』、のマインドが当たり前に存在し、更には先生方は子ども達を型にはめず個性を大切にしてくれ、褒めて伸ばしてくれるといった事を先生方が当たり前に示してくれる。
まさに私が子ども達にしてあげたいのに難しいと感じる部分を学校の先生がやってくれるのです!子ども達にとっても「親ではない大人から褒められること」はありそうでなかなか無い、貴重な経験だと思うのです。それを日々経験しているなんて、どうりで娘は変わった訳です。
親が近くにいることのメリットと、ボーディングスクールで得られるもの
親が近くに居てあげられる事で多くのメリットもありますが、ボーディングスクールにはこんなメリットもあるのも事実です。
少なくとも、私は完璧な母親であるとは到底思えないので、学校の先生方のおかげで娘は日本で私と一緒に暮らしている時よりも主体性を持って行動する様になったと感じます。それを感じ始めたのは留学して1年も経たない頃です。そんな短期間で変化するなんて!幼少期における環境の大切さを改めて感じました。
娘の話ではイギリスの学校では校長先生は寮生と朝食を共にし、寮生全員の名前をしっかりと覚えているそうです。また、学内でも知らない先生からも名前を呼ばれることも多々あるそうで驚いてしまう程だそうです。
「人に名前を覚えてもらうこと」は「認められている」「尊重されている」「繋がりを感じられる」といった感情に直結しますので、特に親元を離れて暮らしている低年齢の子ども達には非常に大切であると思います。こういった学校で起こる全ての出来事が娘の心の安定に繋がり、また性格までもをプラスに変えたのだと思っています。
結論:主体性を育むボーディングスクール
人の顔色を伺うことがなくなった、ポジティブになった、自分で考える様になった、自分の意思をしっかりと示す様になった、などなど。まとめると『主体的になった』、と表現するのが一番ピッタリだと思います。
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