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子ども達に勉強や宿題よりも大切にしてほしいと思っていること

一言で言うと「経験」です。

といっても、ただの「潮干狩り」や「餅つき」といったイベント的なものではありません。ここで言う経験とは、その経験の先にある『自分で考えて行動する経験』を指します。




長女の例

長女に関しては、第一子ということもあり、私もついあれこれ口出しをしてしまいがちでした。今思えば、彼女の主体性を奪っていたのは紛れもなく私だったと思います。

娘は小学4年生の時に自分から単身留学したいと言い出し、スイスのボーディングスクールに留学しましたが、留学させて良かったと思うことの一つはそんな彼女が主体性を取り戻したこと。

主体性とは「自分の意志や判断に基づき、責任を持って行動する態度や性質」とありますが、留学前の娘は私の言うことを素直に聞く「育てやすい子」で、たとえば「良さそうな塾があるから行ってみない?」と私が聞くと「分かった」と答えるようなタイプでした。

考えてみれば、自分から進んで塾に行きたい子どもなんてなかなかいないはずですよね。

娘が私の提案をいつもすんなり受け入れてくれることに甘えて、私はあれこれと決めてしまい、宿題や勉強についても小言を言っていました。私が口すっぱく言わなければ娘の成績はどんどん落ちてしまうと本気で思っていたのです。


長男の場合

一方で、2歳年下の長男については、私はあまり干渉しなくなりました。息子が通う学校も「子ども時代は子どもらしく、遊びを大切にする」という方針で、成績表もない学校だったことが影響したのかもしれません。また、息子自身も私が口出ししなくても自主的に行動するタイプだったからかもしれません。

いつしか宿題をやる・やらないよりも、息子の「好き」を伸ばす方が大切だと心から思う様になり、教育スタイルが大きく変わったのです。


子どもたちの変化と成長

この正反対の教育を受けた二人の成長ぶりを見て驚かされたことがあります。

長女は留学後に成績優秀者として表彰され、クラス分けでも上のクラス。私が口出ししなくても、自分でしっかり学び、学校や寮の先生方からも素行良好、友人関係良好、と良い報告を受けるばかりです。私のサポートがなくても、彼女はしっかりと主体性を持って自分で行動できるようになっていました。

一方、長男は「ピアノ」と「読書」という自分の好きなことに日々、没頭しています。私はピアノや読書そのものではなく、そうした「没頭する経験」に価値があると感じているので、なるべく邪魔をしない様見守る姿勢を貫いています。そして元々自立が早く主体的だった息子の「やりたい!」を邪魔せず、伸ばせる様心掛けています。


自分でコントロールする力

「好き」を伸ばすことも大切ですが、読書に夢中になりすぎて寝不足になったり、ピアノの練習不足で本番で失敗したりするのもまた学びです。

自分でやってみて改善点を見つけてほしいという願いから、日常の時間の管理も自分でコントロールできるように伝えています。こうして息子も娘とは異なるタイプではありますが、自分で判断して行動する力を育んでいるのです。


子どもとのバランス

長女に対して、「私がサポートしてあげなきゃ」、と思っていたのは今振り返ると私の思い込みに過ぎませんでした。

それでいて、海外の素晴らしい先生方のお陰で自己肯定感も上がり、自分の意志をしっかりと持つ様になりました。さらに、母子のバランスも以前より良くなったと感じています。帰国時には存分に甘えさせて親子で過ごし、充電してから留学先に戻る。このルーティンが私たち親子には合っているのだと思います。

「留学」という経験が娘にとって良かったのはもちろんですが、それ以上に、留学によって主体的に行動する力が育ったことが何よりの成果だと感じています。この選択は本当に良かったと思います。

一方、どちらかというと優等生タイプの息子は、時には疲れて「学校に行きたくない」という選択をすることがあります。そんな日は一緒にランチに出掛けるなどして「ママと二人きりの時間」を意識して作るようにしています。何でも自分のやりたい様にやらせていると、無関心に見えてしまうのでしょうか・・・決して無関心ではなく、息子にもきちんと意識が向いていることを伝え、バランスを取るよう工夫しています。




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