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シングルで里親になる(人間の)㉔  現場研修-1

40代未婚、バツ無し、子どもなし、のシングル女性が人の里親になる奮闘

現場研修-1

いよいよ現場研修です。
実際に里子として迎えるかもしれない子どもたちがいる場所で
2日間の施設実習。

児童相談所が保護する子どもたちは
最初に大体一時保護所というところで保護されますが
緊急出産などでそのまま生まれた病院から乳児院に行ったり
ということもあるようです。
保護所から児童養護施設へ行く場合もありますが
保護所から里親家庭に迎えることも多いようです。

ちなみに里子が里親家庭に行くパターンとしては、
実親家庭から、出産病院から、乳児院から、保護所から、児童養護施設などからと様々です。

ということで、研修場所はそれぞれ、のようです。
小さい子の縁組里親を希望している方は乳児院での研修の方もいたようですが、私は保育士として乳児さんはみているから、ということで
一時保護所での研修となりました。養護施設での研修の方もいたかもしれません。

一時保護所は、実親やその時の保護者などから避難する場所
なので、場所や中にいる子たちの情報の口外は厳禁です。
ということで、あまり詳細は書けないのですが
書ける範囲で。

そもそも世の中にそんな場所があるなんて知りませんでした。
でも、緊急で一時保護された場合、行く場所がないと困りますよね。

保護所の構成などは各市区町村などで異なると思うので
私が行った保護所の一例ですが
未就学児(2歳から小学校に上がる前の6歳までの子ども)のいる幼児クラスのフロアと
小学生以上18歳までの学童クラスのフロアが完全に分かれていて
担当する職員や先生たちもそれぞれにいらっしゃいました。

研修初回は、幼児クラスで一日。
当時(2年前の秋)はコロナ禍真っ只中、施設実習の日程もなかなか定まらず(子どもに陽性者が出たりで中止もあったようで)でしたが、決定後は開始まで2週間の健康チェック。(ちょっと懐かしい)
食事介助もあるので、検便検査の結果も提出。
私は、保育園に勤務していたので、毎日の検温、健康チェック申請に、毎月の検体提出は慣れていましたが、知らない方は初めての経験かもです。

初日幼児クラス(資料見直したら幼児ブロックって書いてありました)
朝9:45に集合して里親担当者に資料提出や諸々打ち合わせのあと
早速こどもたちのお部屋へ。
実習時間は10時から午後4時半でしたが、振り返りの実習記録を書いたり、職員との振り返りなどもあって実際こどもたちと一緒にいたのは
16時前ぐらいまで。

10時はちょうど朝おやつ時間でバタバタしている中
先生方に挨拶も早々にテーブルにつくことに。
確かテーブルは2つに分かれていて小さい子用、年中年長さん用
それぞれ5名ずつぐらいはいたような気がします。

まず、最初に思ったことは、小さい子も大きな子も
自分一人でできる子が多い!と、ちょっと尊敬。

当時勤めていた保育園は2歳児までの子どもだけの保育園でしたが
2歳になりたてぐらいだとまだまだお手伝いが必要な子が多かったのですが
ここにいる子たちは意外にも一人で食べたり飲んだりはもちろん
色々できていました。

これは偏見かもですが、、、ネグレクトや放置されている子は
生きるために食べる飲むは自然とできるのかも と思った次第。
実際、甘えられるから、わざと遊んだり、食べなかったり
というのもあると思います。
当時保育園やベビーシッターでみていた子たちは
お金にも余裕ある豊かな愛情あふれるご家庭も多かったので
その背景の違いはうっすら感じました。
その後の給食の時間でも、自分でちゃんと食べられてエライなぁと
感心しました。

明らかに障がい児はいませんでしたが、グレーかなぁと感じる子は数名。
小さいとなかなか診断名もつかないこともあり、ちょっと落ち着きがないとか話をきけない、こだわりが強いとか発達に少し凸凹がある子は
グレーゾーンと言われています。

ちょっと遅れちゃう子がいても、活動はちゃんとできていました。
園庭での外遊びに向かう準備もほとんどの子が出来ていて、年長の子が声掛けしていたり、先生に続いて一緒に園庭に行くことが出来ていました。
普通の保育園だと同じ年齢のクラスでの活動が
ここでは合同保育ではありましたが。
普通の保育園でも合同保育は時々行われるのでそんな特別な感じもなく
小さい子と砂場で遊んだり、追いかけっこしたり、年中さんや年長さんとおままがことや探索したり、楽しく遊ぶことが出来ました。

午前の活動を終えて、お部屋に戻ると
給食の前に新しい子が3人入ってきました。

普通の保育園と違うのは、1年を通じて同じ子たちがいるわけではないのです。保護所にいられるのは通常2か月まで。
(なぜかもっと長くいた子もその時にはいましたが)
なので、常にいる子が違うんですよね。お友達もコロコロ変わる。
突然来て、突然いなくなる。なんとも切ない。

入ってきた子の内の二人は兄妹。妹は号泣です。
そりゃ突然知らない場所に連れてこられたら泣きますよ。
ママもいない。
お兄ちゃんも泣いてはいたけど、泣いている妹を私の膝に乗せ
お兄ちゃんの隣で一緒に先生の紙芝居を見ていると落ち着いてきました。
給食の時にはお兄ちゃんが妹の通訳的に色々お話してくれました。

研修日が月曜日だったので、土日保護された子たちが
月曜午前中にメディカルチェックを受け
OKが出て午後お部屋に合流という流れだったようです。

給食のあとは、お昼寝。
これは普段の保育園と変わりません。
ここにはベッドがある寝室があって
各自ベッドでトントンしてあげて
おやすみなさい。
年長さんは別のお部屋で静かに絵本だったようです。

午睡中は見守りの先生を残して、事務所で引継ぎの見学。
保護所はお迎えがないので、24時間。
ということで、午後から夜間勤務の先生もいらっしゃいます。
新しい子や今いる子の引継ぎなど。普通の保育園では投薬はしないけど
ここでは投薬もあるので、必要な子の情報など。

保護者対応をしなくて良いのは、苦手な保育士には良い職場かも
しれないけど、私はこの入れ替わり立ち替わりの子どもたちと
この状況に慣れてしまうのが悲しい気がして
ここの保育士にはなれないな、と思ってしまいました。
もちろん夜勤までして大変な子どもたちを常にみている先生方は
大尊敬です!

お昼寝から起きたら、室内遊び、再び外遊び。
広い園庭は遊具や三輪車も色々あって
可愛い子どもたちの遊ぶ姿は
普段の保育園の子どもたち、公園で遊んでいる子どもたちと
何ら変わりありません。

ただ、その時たまたまだったのかもしれないですが
男の子も女の子も、とても可愛い顔の子が多かったんです。
年長さんの女の子は、もう色っぽいぐらい。
なんとなくその子たちのママたちを慮ってしまいました。
ちょっとベタベタした触れ合いを求める子もいて
愛着にも問題がある子もいるんだろうなとも感じました。

外から帰ると、入浴。
ここに泊まる訳ですから、お風呂もここで、なんですね。
入浴担当の先生がいて、小さい子は先生が、大きな子は一人で洗って
順番にサッと入浴して、着替え。
私は浴室の中には入らず、外で体を拭いてお着替えのお手伝い。

そこからお部屋に戻って室内遊びをちょっとしてお別れでした。

約6時間の実習は、あっという間。
ほとんど普段の保育園の勤務と変わらない感じで
可愛らしい子どもたちと楽しい時間を過ごして終了。

そのあと、本日の実習の振り返りを記載して、提出
職員の方々と振り返り。

保育士、ベビーシッターとして、同じ年代のこどもたちとは関りがあったので、ほとんど違和感なく過ごした初日の実習でした。

もっと扱いにくい子どもたちがいるのかなと思っていましたが、
むしろ一人で色々できる子たちが多くて職員の数も多いし
普段の保育園の活動より楽だったという印象でした。
たまたま入所していた子たちが比較的おとなしめだっただけかも
しれませんが、、、

現場の施設からは
「穏やかに子どもに接して頂き、泣いている子の対応も慌てずに声をかけていて良かったと思います。同時にトラブルが発生した時も一人を抱っこしながらもう一人の話を聞いてくれたり、落ち着いて対応していました。」
と言ってもらえました。

「子どもへの声掛けはとても重要です。しっかりと話を聞き、子どもの気持ちを受けとめながら対応していきたいですね」の最後の言葉は改めて今でも心に留めておきたいと思います。

次は、学童期の子どもたちの実習です。

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