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No.83 仲間

 2月下旬に私と歳の近い認知症の方の講演会に行きました。私は体調がすぐれず行くことを悩みましたが、なんとか気持ちを切り替えて会場に向かいました。

 知人の紹介で、講演が始まる前に彼女と話すことができました。自己紹介をして握手をしました。温かい手でした。そしていつ頃認知症と診断されたのかとか、その時の気持ちとかを聞いてくれました。私は不思議と心を開いて話していました。途中から涙があふれ出し止めることができなくなるほどに。

 精神科医の変更告知(note.81)から私の心は、鉛色の重苦しい雲に覆われて身震いしているのです。一日中気持ちが晴れず怠さに押しつぶされ目を閉じています。

 すると、彼女は私の手をギュッと握りしめて、
「辛かったね。大丈夫だよ。もう一人じゃないよ。」
と優しい言葉で私を包んでくれたのです。私はとても嬉しくて泣きながら笑顔になりました。そしてご自身のことも話してくださり、とても勉強になりました。

 その方の講演会で一番印象に残った言葉は、
「私は認知症の〇〇〇ではありません。〇〇〇です。」
ご家族も素敵です。
「僕のお母さんは認知症だけど、可哀想じゃないから。」

 講演会後は心が穏やかになりました。
私は友人の一人にしてもらい、感謝しかありません。


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