No.20　🌞移り変わる心模様☔

　12月の私の病状は晴れたり曇ったり雨模様だったり、まるで四季が一気に押し寄せてきたような感じで、とても不安定でした。

　11月下旬に初めて老人保健施設の通所リハビリテーションへ行ってきました。午前中はPTさんと体力・筋力・体幹トレーニング、平行棒や歩行器での歩行訓練を行いました。午後は作業療法としてアイロンビーズや塗り絵をして過ごしました。周囲は高齢者の方ばかりですが、女性が多く、スタッフの方も沢山話しかけてくださるので、とても刺激になりました。

初めてのアイロンビーズ作成は、皆大好きなキャラクターにしました。

　　しかし、その日は張り切りすぎたせいか全身倦怠感・頭痛があり、夜になってもなかなか眠れませんでした。

　翌日は起床時から、心の調子が悪く、誰にも会いたくない、何にもしたくない状態で、ベッドわきの暖簾をおろして、ベッドの中に引きこもっていました。理由が分からず、こういうことが起こる日は誰かを傷付けそうで（もしかしたら、もう傷付けているかもしれませんが）消えてしまいたくなります。そして、この日の整形外科のリハビリもうまくいきません。
　
　PTさんはこう励ましてくれました。
「つま先の感覚はありますが、踵の感覚が弱いため、脚が地面につく感じ
　を大切にしてください。今までのリハビリの感覚から、一か月程度で、
　身体の落差が激しくなるため、その時はかなり心身がしんどいだろうなぁ　
　って思いますが、気落ちせず、体調が良くなってきたらまた動けるように　
　なるので、慌てず行きましょう。」

　夜になって、私は幻想の霧の中に歩き出します。

　入浴後、着替えが済んだあと、鏡越しに玄関で寒そうに立っている小さな子どもが見えました。すごく可哀想で、私は自分の着ていたパジャマで子どもの身体を包んであげました。なぜか理由は分かりませんが、自分の履いているパジャマのズボンをハサミで切りとって（履いていた長ズボンが短パンになりました）、玄関の手摺りに巻きつけていました。
　母は驚き、「あれは手摺りでしょ！なんでズボンを切ってるの？ハサミを取り上げるよ！」と混乱して怒っているようでした。私も激しい母の姿に訳が分からず怖くなり、手の震えが現れてきました。その変化を見た母は「もうその子はいないから大丈夫、ごめんね」と抱きしめてくれました。
　幻視があったときに否定されたり、拒否されたりすると、やはり辛いです。。。

　さらには、また別の日の入浴後、肌に纏わりつく湿気の中で誰かが囁くのです。

　「暑いならズボンを切りなさい」

　私はまたハサミでパジャマを切ってしまいました。父親からは、これから何か聴こえたり、何か切りたくなったら、家族に声掛けしてねと言われました。

　それだけではありません。7年前に他界した従兄に会いたがり、なぜ会いに来ないのかと家族に問い詰めたり、入眠時、誰かと話したり歌ったりしていることもあったそうです。そしていつも使用していた歩行器の使い方が分からず、前後逆で使用していたり、お手洗いの突っ張り棒（手摺り用）が夜間には人に見えて不気味でお手洗いに入れなかったりします。安全面から手摺りを使うようにと指導がありましたが、頭では分かっていても、脳のコントロールができず、心も身体も拒否しているのです。もう全てをリセットしたいです。

　ケアマネージャーさんに相談すると以下のメールが届きました。私にとってこのメールは温かくて優しくて涙が溢れてきました。

　「『消えたくなる』でも、消えることなんてできない。。。人間て、難し
　　いですね。『ただ生きる』ってことができなくて、考えてしまうんだか
　　ら。愛してる家族を傷付けたくないから、消えたいのに、消えたら、も
　　っと傷つけてしまう。でも、『傷つけたくない存在』がいること、って
　　やっぱり幸せなことだとも思うし。でも、そんなことを色々考えるため
　　に、人って生まれてくるのかな、って気もするんです。

　　今のmamiさんが『これをしていたら落ち着く』っていうことはありま
　　すか？そんなことが少し見つけられるといいですね。好きなものを見つ
　　けていく。お守りみたいな。小さいころから好きだったようなもの、思
　　い出していったり。音楽とか、香りとか、色とか、なんでも。そんなこ
　　とで、今日を過ごしてみてはいかがでしょう。」

　また時にはこのようなメールもくださいました。

　「私は、根がとってもネガティブ志向なので、何か起きた時は最悪の事態
　　を想定し、結局『それよりはマシ』な結果になることが多いので、『自
　　分はラッキー』と思い込むようにしています。それと、時々、『声に出
　　して』自分を褒めること。『mamiちゃん、よーく頑張ってるよ。今日
　　はこれもこれもできた。エライね。』なんて。最初バカみたいですが、
　　『騙されたと思って』やってみたら、すごく嬉しくて、前向きな気持ち
　　になれたのを覚えています。結局、自分のことは自分が認めてあげられ
　　たら、それでokだと思うんです。幸せの基準も、自分が決めることだか
　　ら。」

　　　私はケアマネージャーさんの言葉に沢山救われました。

　12月上旬は認知症コーディネーターの方と就労支援センターの担当の方のところへ面談をしに行きました。病状やリハビリなどの近況報告をしたあと、両親は認知症コーディネーターさんとお話を、私は就労支援の担当の方と分かれて話をしました。具体的には、今後主治医から就労の話が出た場合、主治医の意見書が必要になるためそのフォーマットをいただいてきました。また、携帯電話からハローワーク障害者枠の求人情報の探し方を教わり、実際にどのようなものがあるか見てみました。

　　

　　　　　  ※治療薬はトレリーフOD錠25mg               （朝食後1錠）
　　　　　　　　　 　 リボトリール錠1mg                  （就寝時1錠）
　　　　　　　　　　  ミヤBM錠                                   （1日3回毎食後）
　　　　　　　　　　  ドンペリドン錠10mg「EMEC」（1日3回毎食前）
　　　　　　　　　　  レベチラセタム錠500mg           （1日2回朝夕食後）
　　　　　　　　　　  デエビゴ錠10mg                        （就寝時1錠）
                                      グーフィス錠5mg                        (1日1回朝食前）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
                                                                      （2022年12月6日神経内科処方）

　　　　　　　　　　オランザピンOD錠2.5mg　　　（1日1回夕食後）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（2022年12月6日精神科処方）