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2020春アニメ感想まとめ

2020春アニメの感想をランキング形式でまとめています。劇場版作品については、今回は新作の公開が延期となったため省略しています。


<番外> 魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸

評価:(ある意味)S

お気に入りキャラ:忍部ヒミコ

リメイク作品は世に数あれど、ここまで往年のファンの目線に寄り添いかつ振り切った選択肢は見たことがない。初代の原作アニメは30年以上前に放送されており自分は小学生の頃の再放送で視聴していたのだが、当時との作風の違いが画面の比率が4:3から16:9になったぐらいしか見当たらないのがスゴすぎる。すっかり大御所揃いになった声優陣も変に気合を入れすぎない自然体の演技をしているように思え、当時の「ワタル」らしいキャラの再現力には大いにプロ魂を感じた。「ワタル」シリーズはそれなりに続編も多く制作されており、その過程で「らしさ」はそのままに時代に合わせたスタイリッシュさも徐々に取り入れていったのだが、今回のリメイクは正に真の意味での原点回帰。初代へのリスペクトにリスペクトを重ねるその姿勢はウォーズマン理論のごとくその懐かしさを無限大にまで高めている。ここまで来たら「トリさん」の姿のクラマも見てみたいなぁ…。


<18位> LISTENERS リスナーズ

評価:B-

お気に入りキャラ:サリー・シンプソン

1クール作品として手堅く纏まっていたとは思うが、独特の世界観がいかんせん肌に合わず作品としての評価はやはり厳しめに。こうした「媚びずにやりたいことをやる」作風もそれはそれでアリなのだが、昨今のアニメ市場の需要を垣間見ると懸命な判断とは言い難く、その辺りに訴えかける何かを一つぐらいは入れてもよかったのではないだろうか。そうした観点から分かりやすいのはやはりキャラデザのブラッシュアップであり、女の子キャラは元々けっこう可愛くデザインされているのでもうちょっとだけ媚をプラスしてくれればよいので、なぜかこうしたグローバル感のある作品には大抵いる殿下のようなキモいキャラがもっと渋いナイスミドルであればウケも大分違ったのでは。なお、日替わりのED曲は各話の内容を反映した物語性のあるボカロ楽曲のような気合の入った演出となっており、むしろこっちだけ見ていれば十分だったような気がしないでもない。


<17位> 八男って、それはないでしょう!

評価:B

お気に入りキャラ:ヴィルマ

1話冒頭のハーレム描写のヒロインズの可愛さに心打たれ、期待値を大いに上げて視聴開始したもののその後の右肩下がりの展開にはガッカリした。まず、キャッキャウフフな展開を期待していた立場からは幼少期や下積み時代の描写など無用の長物であり、尺の無駄遣い以外の何物でもなかった。さらに、主人公の女の子への興味がタンパクすぎてその魅力が全く生かされておらず、無味無臭のガムをひたすら噛み続けているような展開はまさしく『グラスリップ』の再来。俺TUEEEの異世界ものであること自体は最初から受け入れるつもりだったので問題にはならなかったのだが、それならそれで主人公に濃い味付けをして楽しませてほしかった。一方、ヒロインズの設定やビジュアルは非常に気に入っており、特にピンク髪のお団子&大食い&小柄な体型&巨大武器使いのヴィルマは自分の好みにもドンピシャであり、1話以降の出番が遅すぎたのが残念でならない。


<16位> アルテ

評価:B+

お気に入りキャラ:レオ

16世紀初頭ルネサンス期のフィレンツェにおける画家の玉子であるアルテの奮闘劇。アルテは「貴族出身」であり当時としては珍しい「女性画家」でもあるのだが、そのせいで偏見にさらされたり思わぬ仕事が舞い込んできたりする良し悪しが物語としての大きな肝。だが、そんな「普通」とは違うことこそが自分の価値であると気付くことができたのは、ある意味物語のひとまずの終着点であるといえるだろう。画家としての物語以外に目を向ければ、やはり気になるのはアルテの恋愛観であり、女性として優しく接しようとする徒弟仲間のアンジェロよりも、男女の隔てなく実力主義で接する親方のレオの方が明らかに好意を持たれているのは真理だな、と思わされたりも。今後の物語では、アルテの「女性画家として独り立ちする」という目標と恋愛の間で揺れる心に焦点が当てられることが予想されるが、レオの側からの心理描写もとても気になるところではある。


<15位> アルゴナビス from BanG Dream!

評価:B+

お気に入りキャラ:白石万浬

もはやお約束となりつつなる『バンドリ』のイケメンVer.であるが、『アイマス』のSideM同様女性向けであるという偏見を取り除けば楽曲のレベルも高く普通に男性でも楽しめる。もはや不自然なまでに女性キャラが排除された世界観には苦笑いであるが、これもまたお約束か。本プロジェクトは今年の5月で2周年を迎えたということで、過去の路上ライブの再現シーンなどにはファンの感慨もひとしおだろう。ライバルであるGYROAXIAの那由多はさすがの存在感を見せたが、曲調が人を選ぶアクの強いものとなっており、爽やかな歌詞とメロディーラインで素直に聴かせるアルゴナビスの方が広く支持を多く集めそうという点で既にピエロ的な役割が滲み出てしまっていた点はちと気がかり。また、キャラの怪我や病気をストーリーのメリハリのために使うのも個人的には好ましくなく、この辺りはいわゆる「萌え」で勝負できないカテゴリの難しさが出てしまった気がする。


<14位> 社長、バトルの時間です!

評価:B+

お気に入りキャラ:アカリ

しょっぱなから、本作品のキャラデザからは濃厚なかんざきひろ先生の影響を強く感じたが、(後日)「これが原作ゲームの絵か~。どっちかというと『ケロロ軍曹』みたいな絵だな」→ホントに吉崎観音先生だった模様(笑 まあつまるところ個人的にはかなり好きな部類の絵柄だったわけで、それだけでも視聴する十分な理由になったというオチ。ちなみに『フルバ』の作者いわく、必死に頭を絞って考えたキャラが他作品のキャラに似ていると言われるのは(悪気がなくても)嬉しくないそうなので、こうした意見はほどほどにしておくべきなのかもしれない。というか、本作品のヒロインたちっていったい何歳なの?というのは非常に気になる点で、ガイドさんなんかは設定的には三十路でもおかしくないような…。ソシャゲの宣伝要素は薄かった気がするが、知名度の低い本作品についてはあからさまと思われようとももっと貪欲にいった方がよかったのでは。


<13位> 継つぐもも

評価:A-

お気に入りキャラ:桐葉

知る人ぞ知る学園で伝奇でバトルで美少女山盛りな欲張り付喪神コメディの2期。特にラブコメ方面に関してはけっこうぶっ飛んでおり、昨今では珍しいほどのストレートな描写の数々には良い意味でひと昔前のノリを堪能できる。作者の浜田よしかづ氏はイラスト畑の出身だけあって原作の高い画力には定評があるようなのだが、アニメでそれが表現しきれていたのかについてはちょっと怪しいところ。だが、見せ場のバトルシーンはこれまた侮れない本格的な格闘描写とスピード感に溢れ迫力満点であり、その片鱗は確かに見せてくれたといえるだろう。基本はコメディながらシリアスな一面もしっかりと腰を据えて存在しており、最終話の展開などは完全に予想外だったがかなり続きが気になるので、3期の制作にも是非とも期待したい。なお、原作は既刊25巻の長寿作となっているが、絵柄を見れば納得のクオリティだったのでこれを機に集めてみようか検討中である。


<12位> BNA ビー・エヌ・エー

評価:A-

お気に入りキャラ:日渡なずな

終始世界に向けての強いメッセージ性に溢れたTRIGGERの意欲作。人間の世界とは隔離された獣人特区「アニマシティ」、そこに生きる獣人たちの姿を何に投影するかは各々の解釈に委ねられることになるが、みちる、なずな、ロゼ市長それぞれの立場からの融和へのアプローチには大いに考えさせられるものがある。「異なるもの」に対し彼ら彼女らだけの居場所を与えるのか、それとも共存への道を模索するのかという命題に対し本作品は一定の解釈を示したといえるが、若干王道すぎる帰結点であったのではという感もある。おかげで作品としてはスッキリとした気分で見終わることができたが、「考えさせる」という観点からはメッセージ性が薄れてしまったのではというのは少し酷な意見だろうか。なお、獣人化したなずなのキャラデザは個人的にかなり気に入っており、『ONE PIECE』のしらほし以来久しぶりにフィギュアがあれば欲しいなと思ってしまった。


<11位> 神之塔 -Tower of God

評価:A-

お気に入りキャラ:エンドロシ・ザハード

序盤から終盤にかけて終始、塔の頂上まで到達して綺麗に終わるかどうかは大きな注目点であった。結論としてはそこまでは到達できなかったものの、十分物語の方向性を示すことには成功し適度にこれからが気になる良い締め括り方をしたといってよいのでは。端的に表現すれば『HUNTER×HUNTER』序盤のハンター試験をやっているようなストーリーなのだが、このような展開で極端につまらなくなるはずもなく、選別者や試験官それぞれの思惑や目的は適度に謎を深めつつ物語は進んでいく。このようにキャラにしろストーリーにしろまさしく「適度」という言葉が相応しい出来であり、淡々と大きなストレスもなく視聴することができた。ちなみに、本作品のOP「TOP -Japanese ver.-」は何度も聞いているうちにどんどんクセになるスルメ曲となっており、アニメらしい曲調ではないものの毎回飛ばさずに見てしまうほどには良かったので是非聴いてみてほしい。


<10位> 波よ聞いてくれ

評価:A-

お気に入りキャラ:城華マキエ

原作は借りて読ませてもらったことがあるのだが、アニメ化に際して一番大きかったのはやはり活舌の良いマシンガントークをぶっ放すミナレの「生きている声」を聞けたこと。そういう意味ではミナレ役の杉山里穂さんは最大の功労者であり、見事に原作ファンの期待に応えてくれたといえるだろう。ミナレのビジュアルや性格からも察せられるとおり、いわゆる「オタク受け」を狙った作風ではなくある程度現実感のある設定は、量産型の美少女ものの山に埋もれるよりは断然好ましい方向性。自分のようなブタ野郎の趣向など歯牙にもかけずにこのまま突っ走ってほしい。また、ラジオのパーソナリティという仕事はプライベートの切り売りが必須だと読み取れる展開には考えさせられるものがあり、自らがピエロになってでもネタのためのインプットを常に意識する正に身を削る生活を強いられるのは大変そうだな、と少しミナレが心配にもなってしまった。


<9位> 新サクラ大戦 the Animation

評価:A-

お気に入りキャラ:東雲初穂 望月あざみ レイラ

原作ゲームはプレイ済なので、ED後の展開であることはすんなりと受け入れることができた。今回のアニメ化は企画当初からの既定路線だったようで、作画面での安定感は申し分なし。ただ、ファンがアフターストーリーに求めていたものをそのまま表現してくれたかという観点には疑問符が残り、序盤の隊員全員の好感度MAX状態ゆえのギャグや初穂の嫉妬の描写ぐらいにしかその利点を生かせていなかったように思う。ぶっちゃけて言えば、原作をプレイしたファンの一番の関心事は今も「幻都」で戦っているという大神や(真宮寺)さくらたち旧華撃団の隊員たちとの邂逅であり、この部分をやるためにアニメ化したとばかり思いこんでいた自分には正直肩透かし感がハンパなかった。総じて、新規にとってはクラーラ&レイラに出番を食われて主要メンバーの描写が物足りず、古参にとっては予想の斜め上の展開という何とも中途半端な作品となってしまった印象である。


<8位> 本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません

評価:A

お気に入りキャラ:トゥーリ

大人気ビブリア・ファンタジーの2期。1期当時は原作の美麗なイラストとのギャップに少々戸惑ったが、その部分に慣れてしまえばむしろこれまでは想像でしか補えなかった様々な魔術、衣装、道具、キャラの表情や仕草等々を改めて映像として見られることの喜びと新鮮さの方がはるかに大きかった。そういう意味では1期以上に純粋に物語を楽しむことができ、改めてマインの青色巫女見習いとしての新しい生活を堪能することができた。「下剋上」という言葉が示すようにこれからマインの立場もどんどん変わっていくのだが、今回の神殿入りはその第一歩。原作ファンとしてはむしろ懐かしくすらあるのだが、最初は上手くいかなかったフランやデリアら側仕えとの関係性から徐々に信頼、いや親愛を築き上げていく過程は大いに胸に来るものがあり、今でもこの関係性を大事にしてくれていることに改めて感謝したくなる。さあ、アニメはどこまでやってくれるのかな…。


<7位> かくしごと

評価:A+

お気に入りキャラ:墨田羅砂

正直、舐めていたのは否定しない。久米田先生の作品はこれまでまともに読んだことはなかったのだが、下ネタ多めのギャグ漫画家という先入観だけはあり、本作品もどこかでこのハートフルかつシリアスな世界観をぶち壊してしまうに違いないと高を括っていた。しかし、最後までその路線を一貫させ、最終的に美しい感動すら呼び起こさせる物語を紡いだ展開にいい意味で驚かされた。可久士の親バカぶりや時折挟まれる漫画家あるあるこぼれ話や担当編集の十丸院の変な話っぷりなどギャグ混じりの日常シーンも侮れなく、それぞれキャラが立っているので単純に面白可笑しいコメディとしても楽しめる非常にレベルの高い作品であった。なお、「姫」が「秘め」とのダブルミーニングでもあったことに気付いたのが最終話のあのシーンだった自分は非常にいい視聴者だったと思うのだがいかがだろうか(ついでに「可久士」にも)。ああ…「君嘘」が懐かしいなぁ…(遠い目


<6位> 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

評価:A+

お気に入りキャラ:メアリ・ハント

『本好きの下剋上』と同様に主人公が転生前の記憶を持っている意義に大いに溢れる作品。当初は主人公の性別が女性であることをマイナス要素として捉えていたが、そんな思い込みはなんのその。自分も天真爛漫かつ無自覚に周囲をたらし込むカタリナのハーレム要因の一員になったかのような心地でコミカルかつハートフルな乙女ゲームの世界を堪能してしまった。カタリナとその周囲の人物(&視聴者)とでは恋愛フラグに対する認識がまるで違っているのだが、男性主人公であればストレスが溜まりそうなこの状況もカタリナであれば微笑ましく見られてしまうのは何とも不思議な感覚であった。本作品は今回のアニメ化をきっかけに男性からも多大な支持を獲得したそうだが、やはり乙女ゲームとBLゲームは同じ女性向けでも完全に性質を異にしており、その差が如実に表れた結果なのかもしれない。しかし、2期制作が決定するほど話題になっていたとは…(笑


<5位 プリンセスコネクト!Re:Dive>

評価:A+

お気に入りキャラ:コッコロ

ソシャゲのアニメ化はクオリティが二極化する傾向にあるが、本作品は間違いなく当たりの部類。キャラの愛らしさが存分に発揮されているキャラデザに加え、デッサンの崩れは皆無でバトルシーンもヌルヌル動く様にハチナイ民として血涙を流しながら毎週視聴していた。また、3人のヒロインそれぞれについて、日常・シリアスの両面からきちんと掘り下げがなされていたのは大評価点。とにかく大勢のキャラを見せてどこかに新規を引っ掛けようとするよりも、適度にキャラを絞って一つの作品としていいものを作ろうとする方が結果的にファンも増えると思われるので、この方向性は今後も続いていってほしい。3人のヒロインは全て魅力的だったが、毎晩の抱き枕にして一緒に眠りたくなるコッコロが個人的には一押し。こんな子に主さまと呼ばれたいだけの人生だった。なお、OPのイントロから既に濃厚な田中公平節を感じ取った方とは美味い酒が飲めそうなので是非(笑


<4位> 球詠

評価:S-

お気に入りキャラ:川口息吹 中田奈緒

『ハチナイ』でも語ったとおり、「女子高生×野球」というコンセプトは自分のストライクゾーンど真ん中。作画面でのアレコレは期待外れというよりもはや期待どおりと言った方が相応しく、県大会の行進シーンはこの評価を逆手にとった制作陣渾身のギャグとしか思えない。最近は女子スポーツ作品について思うところが増えたのだが、「女子」である意味ってなんだろうという点は少し気がかり。『ハチナイ』のストーリーの柱となっている「高く険しい(男子と同じ)甲子園への道」のような女子であるからこその壁や悩みは本作品には無縁であり、ぶっちゃけ男子野球をそのまま女子野球に置き換えているだけになってしまっているのが事実である。可愛い女子高生にスポ根要素がプラスされれば否が応でも魅力的な作品にはなるものの、それだけでいいの?と思ってしまうのは贅沢な悩みなんだろうか…。なお、『ハチナイ』とはアニメ化に際して密かにコラボを行っていた。

☆新越谷高校野球部 部員一覧☆

武田詠深【投手】

とりあえずでかい(160センチ)。本作品特有のお尻ムッチリ太ももバキバキのフェチにはたまらない体型のパイオニア。お化け変化球でもっと無双するかと思いきや意外と早く対応されてしまった模様。でも、決める時はキッチリ決めるメンタルお化け。彼女の才能の真価はこれからと思われるので、将来性に期待大。

山崎珠姫【捕手】

捕手がめんどくさい性格してるのはもはやお約束。最近は捕手が一番「カッコいい」ポジションだと思っているのだが、なぜかあまり惹かれなかった。ビジュアルがイマイチ刺さらなかったのかも。詠深と並ぶとその小柄さが際立つ(149センチ)。なお、ヘルメットを被るとキャプテンと区別がつかなくなる。

中村希【一塁手】

世間の反応だと一番人気な感じがする。博多弁の女の子は可愛い。完全に『おお振り』の田島の女性版だが、彼女を一番に固定できるようになるのが本校の最重要課題だろう。スタンドに近い一塁手が野次られるのは野球あるあるなので、これからも野次られる度に可愛いリアクションを見せて欲しい。

藤田菫【二塁手】

ビジュアルだけなら一番好み。本校では三番目のお気に入り。「菫」っていう漢字いいよね。ていうか、登場は早かったのにあまり目立たなくて悲しい。2番で二塁手といえば『H2』の柳なので、彼女にはいぶし銀の活躍を期待したい。坊主頭でもシャンプーには拘る柳と同じく、オシャレ番長の設定があるらしい。

藤原理沙【三塁手】

お色気要因も兼ねる通称「理沙先輩」。本校では二番目のお気に入り。三塁手にとって肩力はとても重要であり、気まぐれで草野球に参加すると1塁までの距離感にビビる。なので、彼女が投手の素質を見込まれたのは至極当然の結果なのである。とてもモテそうで心配だが、本校って女子高なんだよね…?(震え声

川口息吹【左翼手】

素人の皮を被った怪物。本校では一番のお気に入り。器用すぎて完全に便利屋扱いだが、なんだかんだ仕事をこなせてしまう有能オブ有能選手。OPでの軽快な打撃は豪快な中田さんの打撃と並んで大好きなシーン。双子の姉ってどういうわけか刺さる子が多い。苦労人気質なところがグッとくるのかもしれない。

岡田怜【中堅手】

皆の頼れるキャプテン。主人公の上級生のキャプテンって実力的には一歩劣ることも多いけど、彼女の場合は正真正銘の中心選手。希と勝負してもらうには後を打つ自分の存在感が重要ときちんと認識し、後輩のために一肌脱ぐ姿は正に理想の先輩。なんだかんだいつも打ってくれるので、普通にカッコいい。

大村白菊【右翼手】

基本扇風機だが、一度芯で捉えれば悠々とスタンドまで持っていく本校のロマン砲。せっかくホームランを打ったのに希に本気で蹴られてたのはワラタ。全盛期の福留孝介は白菊のような意外性と希のような確実性を併せ持つホントに頼れる打者だった。剣道の精神は全てのスポーツに通ずる。これ、常識な。

川口芳乃【マネージャー】

選手じゃないけど間違いなくセリフも心情描写も一番多いある意味おいしいポジション。むしろ、もう彼女が主人公でいいんじゃないかな。試合中、彼女が必死に頭を悩ませているのに監督が地蔵状態なのはちょっとどうかと思った。『SLAM DUNK』の小暮のように3ポイントを決めてくれる日が待ち遠しい。


<3位> グレイプニル

評価:S-

お気に入りキャラ:小柳紗耶香

作品のあらゆる要素からひしひしと地力を感じる今期のダークホース。序盤の概評に主人公には眼鏡を外して漢気のある性格になってほしいと書いたらホントにその通りの展開になって驚いた。作者の趣味が小気味よく反映されているキャラデザも素晴らしく、お気に入りに挙げた紗耶香の水着&デニム(@腹部のバツ印)などはその最たるもの。主人公周りはもちろん、敵チームやサブキャラにもそれぞれの矜持や信念が見え隠れし、いわゆるサバイバルものでありながら同情の余地もないキャラがいないのも大きな特徴で、言うなれば全員が自分の「正義」を掲げて戦っている姿が非常に印象的であった。このように、作者が「自分の描きたいもの」を大事にしてくれているのが伝わってくるのが心地よく、適度なエロスと適度なダークさを絶妙にブレンドしたストーリーは他に類のない独自の魅力を醸し出しているので、出版社としても大事にしていってほしい作品である。


<2位> かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~

評価:S-

お気に入りキャラ:割と皆可愛い

この作品ってこんなに面白かったっけ?かぐや様ってこんなに可愛かったっけ?などと思わされた回数は数知れない大幅なパワーアップを遂げた2期。作品初期の御行とかぐやが「告らせたい」やりとりを繰り返す流れはそこまでだったのだが、2期ではその成分は薄れ王道的なラブコメ展開や生徒会メンバーの絆や人間的成長がストーリーの中心になったことで、キャラ本来が持つ魅力が一層引き立つようになった。元々定評のあった演出力にさらに磨きがかかったのも見逃せない点で、作品としてこなれてきたからなのか終始繊細かつキレキレであり、特に生徒会選挙を経てミコが加入するまでの流れはストーリーも抜群に良く正に絶好調状態。総じて、「告らせたい」という縛りから脱却して涙あり笑いありの総合エンターテインメント作品として昇華されたのは想定外の進化といえ、出版社としても嬉しい誤算だったのではというのは失礼な意見だろうか(笑


<1位> イエスタデイをうたって

評価:S

お気に入りキャラ:野中晴

本作品を高評価足らしめるのはなんといっても作画・演出面へのあくなきこだわり。緻密な背景、繊細な空気の音、細やかな表情芝居、それらが古めかしい時代背景に溶け込み抜群のノスタルジーを醸し出している。原作が足掛け18年間という長期連載作品というだけあり、キャラの性格やストーリーにその時々の作者の気分や趣向が反映されてしまっているようにも思えたが、小洒落た喫茶店で店主こだわりのコーヒーを楽しむかような雰囲気が味わえるという趣旨は一貫しており、映像作品としてはしっかり自己完結している。連載当時、この結末にファンが荒れたというのもさもありなんといったところだが、個人的にはそこまで意味不明かつ納得できないというほどのものではなく、まあよかったねといった心持ちが強い。陸生を信頼できない語り手ととるかどうかは意見が分かれるだろうが、無条件で好いてくれる女の子は可愛い。これに尽きるのではなかろうか。

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