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一人で映画を見るのもそんなに嫌いじゃないという話

日頃思っていたことをふと書きたくなったので…

毎クールのTVシリーズのアニメを追う生活を始めてからそれなりの年月が経つが、それと並行して行っているのが映画館での劇場版アニメの鑑賞である。制作側としても頑張って作品を作ってもBDの売上が伸び悩む中、世のアニメオタクたちが入場料という形で確実にお金を落としてくれる映画という媒体は魅力的であるのか、昨今は本当に猫も杓子も劇場版といった様相で多くの作品が乱立しているのを実感する日々である。

自分の場合はTVシリーズで追っていた作品が劇場版になれば大抵見に行くし、オリジナル作品の映画であっても、気になるものはなるべく見に行くようにしている。そうなると、各クール毎に大体5、6本のアニメ映画を見ることになるし、それ以上になることもけして珍しくない。つまり、平均すれば2週間に1回ぐらいの割合で映画館に足を運んでいることになる。

そうなると、毎回誰かと一緒に映画館に行くのも難しいし、近年はむしろ圧倒的に一人で映画を鑑賞することの方が多い。そして、それがそんなに嫌いじゃない。むしろ、気楽とすら感じている。

趣味の合う誰かと一緒に映画を見に行って、鑑賞後に感想を語り合う時間は本当に貴重で楽しいのだが、これだけ多くの作品を見ていると新鮮な驚きを感じる作品に出会える機会は限られてくるし、お世辞にも頭の回転が早いとは言えない方なので、鑑賞後のなんともしがたい心の揺らぎや高ぶりを言葉や感情に落とし込むのにはそれなりの時間を要するのだ。かといって時間は待ってはくれず、上映時間が終わりシアター内に照明が灯ると同時に相手にその解答を示さなければならない。これが面白いと感じた映画ならまだいいのだが、つまらないものであった場合は上映時間が終わる前から「やっべ、これど~するよ…」ってな感じである(汗

この点、一人で映画を鑑賞する場合はこのプレッシャーがないので実に気楽なものである。良い映画であったならじっくりとそれに出会えた感動と感謝の気持ちを心の中で反芻しながらホクホク顔をしていればいいし、つまらない映画だったとしても、心の中でブツブツと文句を言いながら黙って帰途につけばいいだけなのだから。

また、自分も社会人であるので、自由に使える時間はそれなりに限られている。貴重な休日の一日を映画を見るだけに費やすのはもったいないので、なるべく効率の良い時間の使い方をしたいと考えるのは自然の理である。幸い早起きはそれほど苦にならないタイプなので、朝一の上映時間に合わせて平日と変わらぬ時間に起床し、昼前には自宅にとんぼ返りすることも珍しくはない。これが平日であっても、定時になると同時に映画館にダッシュし、30分後にはシアターの椅子に座っていることもザラにある。

そういえば、最近は映画の公開初日が金曜日であることが主流になりつつある。この重要性は、特に世のアニメオタクたちが深く実感しているところだろう。そう、いつ何時も我々を惑わせる「週替わり特典」の存在である。経験上、どうしてもこれが欲しいと思えるような特典には本当に数えるほどしか出会ったことがないのだが、本来もらえるはずのものがもらえないのは地団太を踏む勢いで悔しい。だから、どうしても特典の変わり目の初日か遅くとも次の日に鑑賞をせざるを得ないのが実状である。花の金曜日がその初日であるならば、仕事帰りに映画館に足を運ぶことで容易にその条件を満たすことが可能であり、これは時間効率の観点からも非常に喜ばしいことなのである(土曜日が特典の変わり目の初日だと、金曜日に時間があったとしても特典が残っている可能性は非常に低くなるので…)。

話が少し脱線したが、要は休日の早朝から映画を鑑賞してそのままとんぼ返りするのも、平日の定時になったら映画館まで(文字通り)ダッシュするのも、一人だから気楽に行える行為だということである。他人にこれを強要するのはちょっと気が引けるというのはお察しいただけるかと思う。

だから、自分は一人で映画を見るのもそんなに嫌いじゃない。

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