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我が家の保活

以前「私が働く理由」として書いたように、
私は娘を出産したら、
翌年の4月に復職できたらいいなぁと、
漠然と考えていた。

先輩たちの話を聞き齧って、なんとなく、
一歳で保育園に入れるのは難しそう、
0歳入園の方がまだ入りやすそう、
そう思ったからだ。

私の考えは、あながち間違ってはいなかったことを後々知るのだが、非常に考えが甘かった。

1. 保活のリアル

娘の妊娠が判明し、
病院から母子手帳をもらうように言われた2月初旬。
浮き足立った私は、区役所に母子手帳をもらいに行った。

ところが、そこで未だに忘れられない光景を目にすることになった。
待合室は子連れの母親たちで溢れかえり、
何やら皆職員に怒ったり泣いたりしながら、
必死に何かを訴えていた。

そう、まさにこの数日前に、
4月入園の保育園内定通知があったのだ。

ここに集まるのは、
内定できなかったお母さんたちだった。
あまりに壮絶な光景に、
母子手帳をもらいに来た頭がオメデタイ私は、
ひどく場違いに思えた。

「私、今年入園できなかったら、仕事クビになるんです」

と訴えていたお母さんの言葉が、耳から離れなくなり、帰りの足取りは、非常に重かった。

保育園に入るのは大変だと聞いていたけど、
ここまでとは知らなかった。

2. 情報収集

怯えた私は、母子手帳をもらうついでに、
勢い余って保活の相談までしてしまった。
まだ2センチくらいの小さな赤ちゃんは、
性別もわからなければ、無事に生まれるかすら不明だというのにだ。

あぁ、心配になっちゃいますよね...
という顔をしながら、
担当の職員は一連のお母さんたちの行列が落ち着くまで、私に待てるか聞いてくれた。

つわりもなかった私は、二つ返事で頷いた。

私を担当してくれたのは、若い男性だった。
なんだ、頼りないなという印象とは裏腹に、
ものすごく丁寧に教えてくれた。

まず、入園申し込みは10月末くらいに始まること。
うちの自治体は、それまでに見学に行った保育園しか、申し込みできないこと。
来年新設の保育園があること。
中には隣の自治体の保育園を希望する人もいること。
万が一、お腹の子が何かしらのサポートを必要とする子だった場合でも、預かるシステムがあること。
その他、必要書類諸々。

3. 気づいてしまった最重要事項

区役所で説明を受けて、私は最重要事項に気がついた。

うちの自治体だけかもしれないが、事前に見学した保育園にしか、入園申し込みできないということだ。

お腹の赤ちゃんの予定日は、9月25日。
保育園入園申し込み開始は10月末頃。

里帰りの予定も、親のサポートを受ける予定もなかった私にとって、産後1ヶ月以内にいくつもの保育園を回ることなど、到底不可能である。

かと言って、平日昼間に仕事を休んで行けるわけもなく...
もちろん、夫が行けるわけもなく...

ということは、産休が唯一の保育園見学可能な期間だった。

4. 保育園見学

産休直前、私は仕事の引き継ぎに追われながら、
昼休みにはいくつかの保育園にアポをとっていた。

そして産休に入るや否や、うちから通勤に支障が出ない距離の保育園5つに見学に行った。

だが、ここでもお腹の大きな私は、場違いだった。
見学に来ていたお母さんたちは、みんな可愛い赤ちゃんを連れていた。
お腹が大きいのは、私だけ。

みんなオムツやトイトレ、離乳食、着替え、昼寝、色んなことを質問していたが、まだ我が子に会ってすらいない私は、何を聞いていいのか全く分からなかった。
唯一聞けたのが、園内のベビーカー置き場や抱っこ紐置き場の有無くらいだ。

ぶっちゃけて言うと、この頃の私は、産むことで頭がいっぱい。
産んだ後の子育てのイメージが全くなく、トイトレはプラレールの仲間だと思っていたくらいだ。

そんな感じで、とりあえずよそ様の質問事項をメモした紙をもとに、保育園の優先順位を決めた。

今になって思うことだが、切迫で入院したり、早産でもしたりしていたら、タイミングによっては保育園見学すらできなかったのではなだろうか。
妊娠前から保育園見学するわけにもいかないし、子供を生む季節考えろと言われているようで、
何だか非常に納得のいかないシステムだ。

5. 保育園入園申し込み

娘はほぼ予定日通りに元気に生まれた。
保育園申し込み通知が出るまで、
事前に必要だと聞いていた書類の準備を始めた。

そして正確には覚えていないが、10月末頃に、
保育園申し込みの通知が出た。

こうして、小さな小さな娘を4月から保育園に入れるのだと、改めて腹を括り、申し込んだ。

6. 内定通知

1月末、ついに待った内定通知が来た。
このご時世、なんてありがたいことだろう。

「やったね!保育園入れるよ!」と、
娘を抱きしめてから、ふと我に帰った。

きょとんとした顔で、されるがままに私に抱かれている娘。

やっぱり本当にこんなに小さな子を預けて働くべきなんだろうか...

そんな思いが頭をよぎった。

でも、私が内定をもらった一方で、
入れなかったご家庭もあるだろうと思うと、
無駄にしてはいけないと思った。

そしてこの時も、子育ての先人たちから、
「0歳入園のメリット」を散々叩き込まれ、
背中を押され、再度腹を括った私であった。

7. 保活を通して思うこと


我が家は本当にありがたいことに、
認可保育園に入園できた。

でも、待機児童の数を見ると、
なんて頭の痛い話だろう。

一時期、待機児童解消のため、児童手当の見直しを図るというニュースが流れたが、そうじゃないだろうと個人的には頭に来た。

保育所も、児童手当も、少子化も、なんなら不妊治療に関する制度も、まだまだお粗末で改善が必要なのだ。
そして、これらは決して切り離して考えるべきではなく、一連の流れとして考えるべきではないだろうか。

不妊治療をして生んだはいいが、保育所がなければ働けないし、共働きでも児童手当がなければ2人目をどうしようか考えざるを得ないかもしれない。
不満が出ているからと、そのスポットだけを改善すれば良いのではない。
個人的には、そう思っている。

そしてそもそもが、1歳入園は倍率が高く、
絶望的だからと0歳で入園させられる子供たちも、
ある意味被害者なのかもしれない。
慣らし保育のとき、今生の別れと言わんばかりに、
私の服にしがみつき、簡単には剥がせなかった娘。

小さな娘は風邪ももらいやすく、体調を崩すたびに、こんなに小さなうちからごめんよと思ってしまう。
もちろん、小さなうちから保育園に通わせたことで、おしゃべりが上手だったり、うちでは出来ないような経験からたくさん学んだりしているから、保育園様々なのだが。

なんだか、内定もらっといて、文句言うんじゃねぇよとお叱りを受けそうだが、内定をもらった身でも、手放しでは喜べないのが現実なのだ。

理系の私には、社会の仕組みは難しい話だけれど、
みんなが保育園に入れたい時期に、入園させられる世の中が、一番ではないだろうか。

こうして決まった娘の保育園入園。
コロナ禍に翻弄することになるのだけれど、
それはまた別の機会に。

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