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2人目に対する想い

独身を謳歌しすぎたせいで、
よく子供嫌いだと勘違いされるが、
私は子供が好きだ。

職は保育士さんもいいなと思ったこともあるし、
将来は3人くらい子供が欲しいと思っていた。

結果、色々諸々の諸事情により、晩婚となり、
すでに1人産むのすら怪しい年齢だったこと、
私の体調のこと(若年性更年期)、
私の仕事のこと(薬品等暴露の可能性)を考えて、
最初から夫とは
「1人いたら上出来」というスタンスに収まった。
いつの間にか、2人目以上欲しいとは、
全く考えなくなった。

1人授かったら、また考えも変わるのかもしれない。
そうなったら、その時の年齢や体調を見て、
考えればいいや。
そんな風にゆるく考えていた。

ところが奇跡的に、ベストなタイミングで、
トントン拍子に娘を授かった後も、
2人目を考える余裕もなければ、
もうこれ以上の幸せは望まなくても
私は十分であるという想いにシフトした。

娘には、兄弟がいない分、
いつか親がこの世からいなくなってしまっても、
たくましく生きていける子にしよう。
夫とは、ずっとそんな話をしている。

ところが、「いつ結婚するの?」と同じ感覚で、
いや、下手したら「おはよう」の代わりに、
「で、2人目はいつ?」だの、
「1人なんて可哀想よ」だの、
「まだまだいけるでしょ」だの、
「●さんは2人目だって!偉いわよね!」だの、
ちょいちょい世間の洗礼を受けることが出てきた。

こう見えて、私は気にしぃだ。

一人っ子は、可哀想なんだろうか...
親のエゴで一人っ子にしてしまって、良いのだろうか...
後々やっぱり欲しかったとはならないだろうか...

一人っ子と決め、ミレーナまで入れているくせに、
なんだかたまに悩ましくなる時があった。

結婚ラッシュの時のように、
周りの友人が2人目や3人目を授かったら、
多少の焦りや羨ましさを感じるのだろうか。

物欲が強い私は、人が持っているもので、
良さそうなものはすぐに欲しくなる。
子供と所有物を一緒にしたらお叱りを受けそうだが、
周りが子沢山で楽しそうな姿を見たら、
やっぱり欲しいなとなるのかもしれない。

もうじき年齢的にタイムリミットだ。
後戻りできない問題だ。

そんなある日、同じ時期に結婚し、
同じ時期に第一子を産んだ大親友から、
2人目妊娠報告を受けた。
あまりに唐突すぎてビックリはしたものの、
ずっと2人は子供が欲しいと言っていた彼女が
妊娠できて、本当に本当に嬉しかった。

そして意外なことに、
「やっぱり私も2人目欲しいな」とはならなかった。

その瞬間、今まで感じていた私の中のモヤモヤの真相が
急にクリアになった。

私の中では、とっくの昔に、
「娘一人で十分幸せである。二人目は望まない。」と
結論が出ていたのだ。

だからきっと、外野の二人目は?という言葉に、
マイノリティだと突きつけられている感覚に陥り、
自分が正しいのか不安感が半端なかったのだ。

外野の言葉に惑わされ、
欲しくなる「かもしれない」を
ずっと危惧していたようだ。

ちょっと無駄な時間を過ごしてしまった。

そんなクヨクヨする時間で、もっと娘と真っ向から、
向き合う時間を割けば良かった。
ごめんよ。

そもそも感染症が流行り出してからは、
両家とも新幹線や電車で4時間以上かかるため、
ジジババや親族のサポートは皆無の我が家。

初めての出産、子育て、職場復帰、イヤイヤ期、
子供の体調不良、休園騒ぎ、全てを夫と娘と私、
たった3人で乗り越えてきた。
もっと要領のいいママさんやパパさんは、
世の中にはたくさんいるのだろうけど、
私にはすでに今の生活がキャパオーバー気味だ。

もう一度、
ふにゃふにゃの新生児を抱っこしたいな
という気持ちはなくもないが、
もう1人いたら、生活が破綻するどころか、
私の人格が破綻するに違いない。

もし、感染症の流行がなく、
ジジババサポートがあったら...
2人目を考えたのだろうか...
うーん、それは正直わからない。
でも、なんとなく、
結局は娘1人という選択をするような気がしている。

だって、うちの娘、最高に可愛いから、
すでにこれ以上ないくらいに幸せなんだもの。

2人目や3人目がいる方が、子供が可愛くないとか、
幸せじゃないとか言っているつもりはないので、
誤解なきように。
みんな、それぞれ、幸せの形は違っていいということ。

イヤイヤ期の娘に翻弄され、
仕事との両立に涙したくなる日もあるが、
私には、今の我が家3人の生活が、
とてもとても楽しくてたまらないのだという、
たったそれだけのこと。

そうそう、蔑ろにするつもりはないが、
夫の考えについて少し。

夫はと言えば、柄にも無く嫁が大好きだ。
だから、兄弟はたくさんいたら嬉しいが、
その分嫁が悪阻だの陣痛だので苦しむ姿を見るのは、
耐えられないらしい。
娘を授かった時、心底そう思ったらしい。

代れるなら代りたいと言う夫の腹は、
臨月の私よりも、普段からパンパンである。
彼はいったい、何を育てているのだろうか。

また新生児のふにゃふにゃに触りたかったら、
孫を抱けるくらい長生きしないとならないね...
この前、夫がぽつりと言った。
じゃ、頼むから痩せてくれ。

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