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◉震災から30年・・・未来はいま②

今振り返ると私はずっと子供だった自分でした。何時も気になったのはどこか大人びた友達でした。好きな女の子も自立している様な人ばかりだった。

中学校の時に初めて付き合ったけど、大人しい良い子でしたが自分が求めていたものがわからず別れてしまいました。身勝手な恋愛ごっこでした。

そんな何も考えてない私に取って、確固たる生き方を持っている人は憧れの存在です。

勉学もスポーツも喧嘩すら秀でた奴は『自分』を証明している大人であり、私のコンプレックスを増進させる相手でもあったのです。

軟弱で貧弱でと言うよりも、ただただ子供だった私はやっと気づき始めたのです。中身の無い人形の様なもので、良い人を明るい人を演じてるヤツなのだと。

だから、思春期になって周りを見始めた途端にコンプレックスを抱く様になり、早く大人になりたいた望みました。

大人になれば何も無い自分が、必ず変われるものだと信じて疑わなかったのです。努力の努の字も頭にはありません。脱皮する様になるんだと思っていたのです。バカです(笑)

何者でも無い自分なのに、何者にもなろうとしない自分を、ただ『わからないから』と逃げて、目の前のことをしていれば何とかなると勝手に思い込み、思春期を生きて来ました。

まさにRPGに出てくるモブキャラ若しくはNPC程度だったのです。

だから成人していわゆる大人の世界に変わっても、NPCですから何も考えずに人を信じ、その度に裏切られ振り回されて騙されるような生き方をして来たのです。

なのに『自分は良いやつで騙した奴が悪いんだ』と被害者意識を持ってました。そうして弾かれる様にして神戸に出たのです。

そんな時に震災に遭ったのです。自力で考え生きる事を選ぶしか無い岐路に立たされたのです。やるしか無い!をやる環境に置かれたのです。

そんな怒涛の日々を懐かしむ気もありませんし、声高々に震災を語る気もありません。朝ドラで今やってますけど、どう描いても経験しないと分からない世界なのです。

自分の生きて来たものを一瞬にして無くし、悲しみに囚われる間も無く生きる事をしなくちゃならない毎日でした。そんなところに正義も道徳もあったもんじゃ無いのです。

規律正しくや法を守るなんて、生きようと足掻く人の前では意味をなさない事だって起こっていたのです。

そんな中を神戸の人たちは出来るだけ真っ当に生きて来ました。一部の暴走に流される事なく協力しあって今があるのです。素晴らしい事です。

そんな怒涛の様な運命の流れに乗って、流されるボートの様に私は学校へと無事に入学し、あれよあれよと年月は過ぎて気づけば6年の歳月が過ぎてました。肩書きも得て当初の念願は果たしたけど、田舎に帰る気にはなりませんでした。

当時の彼女ともあれから直ぐに別れました。私が子供すぎて頼りなくてそこを見透かされて嫌になり別れたのに、それを逆恨みしてました。捨てられたんだと。

長い長いそしてあっという間の6年間ではもちろん大人にはなれません。震災を経験したからとて私はそんなに変わる事は出来なかった。

ただ思ったのはあの日に何も出来なかった自分に誓ったのは『どんな時にもどんな場所であっても、困った人の為に治療出来る自分になろう』と。

そうやって私が本当に一人前という様な大人になれたと思ったのは、結婚してからです(笑)すべては妻であるゆあんさんと子供達との出会いからです。

大人のふりをしていた自分を、手探りで先頭を切って家族を率いて生きて行かねばならない自分になった時に、全ての経験が腑に落ちました。

そして頼りない親父であっても、それでも信じてついて来てくれた家族があったからこそ、私は父親でいられたのです。

えらぶった親父でしたが、今では息子たちに嗜められたり励まされたりして、家族が好きだなと笑って生きています。

そして今日ふと理解した事があって、私は家族団欒でご飯を食べている時間が一番好きだという事なのです。

そしてその未来をくれたのが家族であり、震災で選んだ大人になる道なのです。

あの日生き残った自分も、コロナで生き残った自分も、そのほか何度も死にかけた自分はここへ辿り着く為の人生だったと思います。

そしてその道は更なる未来へと繋がっています。

社会は物騒でこの国も政治もあやふやです。あれから30年経ちましたがあまり変わりはない社会の様に思います。

しかしながら確かな事は私が選んだ未来は、子供達がコッチだよと呼びかけてくれてからあるのだと思っています。

そして間違わずにリタイアもせずに歩き続けた結果でもあります。いま新しい岐路に立っています。

子供達が私と肩を並べ始め、次第に追い越そうと勢いを増してます。人生で初めての経験です。どうしたら良いのか?新しい立ち位置を見つけようと私はしています。

未来が投げかけている次へのサインを見落とさず聞き逃さず、私は足を前に出そうと思います。

あなたと家族の周りの人が今日も健康であり幸せでありますように・・・。

※下記のホームページは前のものですが、ボチボチと変更して参りますので、それまではご了承下さい。

https://shinki2115.wixsite.com/mametec/blank-1



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