あのウイルスってほんとうなの?16
一度死んだから言えること!
◎ICUにサヨナラ!
そんなこんなでクリスマスが終わると、一般病棟へと移されるという話になりました。詳細は聞いたとは思うのですが、まったく覚えてなくて、あの時の流れを記憶しているだけなのです(笑)
移動する直前に、私は入用をするという話になりました。もちろん通常の入浴は出来ません。なぜなら喉に穴が開いてるままなので、そこからお湯が入れば、肺に直接入り込むので、感染症を起こすのは明らかだったので、寝たままで入浴する感じみたいな説明でした。
ちなみに、今までは3日に一回くらいのペースで、清拭してもらってました。これがあったので、お尻の件もなんとかクリア出来たのですが、人って元気になって来ると、無性に風呂に入りたいんですよね(笑)だからこの話は渡りに船ということだったのです。
だからすごく楽しみでした。2人のおばちゃん介護士さんが、私をベッドからストレッチャーに載せ替えて、風呂場へと向かいました。
そのストレッチャーは変わっていて、風呂場に着くとガチャガチャだと操作したら、四辺が競り上がって10〜15センチ程度の深さを持つ超超簡易風呂になるのです。
そこへ程よい温度のお湯を満たして行くのですが、横から見て私の厚みの半分以下くらいしかお湯が貯まりません。暖房も入ってるので寒くは無いのですが、なんか物足りないのですが、それでも私は幸せでした。
それに気づいたのかいつもの通りなのか、体全体にシャワーを掛けてくれて、どんどんと身体を温めてくれるのです。その間に2人の介護士さんが、たわいもない話を笑顔で色々としてくれるのです。もちろん声は出ませんので、私は笑い顔しか返せませんでしたけどね(笑)
介護士「大変だったね」
「生き返れてよかったね」
「早よ帰って安心させないとね」
親身になって言ってくれるのに、思わず声にならない声で泣いてました。するとお二人とも私の苦労を見ていたらしく、一緒に貰い泣きしてくれました。なんか、ずっとPTの事で腹が立っていた自分が居たのに、スッと収まってきました。人の人情と入浴は治療効果抜群です!
そうやって楽しい時間は直ぐに終わり、再びベッドへと戻りました。
そしていよいよICUを卒業する日が来たのです。そして見送ってくれたのは、担当看護師と入浴の時に泣いてくれた介護士さんでした。
そのとてもやさしい笑顔を似た時に、またもや泣いてしまった私をあの介護士さんが、「よく頑張った」と褒めてくれて、私のくちゃくちゃになった髪をとかして、伸びた爪を綺麗に切ってくれました。
エレベーター前のほんのわずかな時間でしたが、「こうやって様々な人が私の面倒見てくれてたんやな」とつくづく思ったのです。後からゆあんさんの話で、自分の状態がどれほど危なかったのか聞いて驚きました。私が誰もがあきらめた死の淵から、蘇ってきた奇跡の人だったからです。
さぁ明日からは一般病棟編が始まります。真の苦痛はここから始まったというくらい死にそうな毎日を送るのです(笑)
つづく😉👍