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ヒッチハイクと性善説

暮らしながらラジオ「豆と小鳥」エピソード42を配信しました

今回は最近、鎌倉の海辺のドライブを楽しんでいるバクとナミンで
高速道路、そして北米のフリーウェイについて話しています


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人生で一度だけヒッチハイクをしたことがある
ハワイ、ワイキキのあるオアフ島、ノースショアでの出来事

私は息子の親友家族と風通しのいい
青い屋根の古い家を借りてステイしていた
サッカーができそうな広い庭にはニワトリの群れが元気に走り回り、
庭でごはんを食べているといつも小さな野良猫が軒下から現れた
夜には怖いくらいの数の星が見える本格的な田舎

その日、友達夫婦はレンタカーでパールハーバーに行っていた
息子と息子の親友とわたしの3人は行きたくなかったのでうちに残ってた
近くにある人がほとんどいない静かなビーチにも飽きた私たちは
ノースショアでは一番、大きな町ハレイワタウンで
メキシカンのランチが食べたいねと言うことで話がまとまった

タクシーとUberは配車に1時間半以上かかると言われ、
徒歩では永遠にかかる距離
ちょっと考えてから「しゃーない、よし、ヒッチハイクしてみよ」
と私は2人に言った
そう言った瞬間にちょっとドキドキしたけど
何故か楽しい予感しかしなかった

当時、息子と親友は14歳
親友は関西の名門公立高校の受験に合格したばっかりだった
今回の旅行はそのお祝いも兼ねたバケーション
2人の若きティーンエージャーは「そんなことしてもかまへんの~」
と言いながら背徳の魅力に引きずられ、イキイキした表情

3人で作戦会議をした
*車内、特にワゴン車には乗らない
*ピックアップの荷台が理想
*3人のうちひとりでもイヤだと感じたら乗らない
*いやだなって感じた時は前髪をひっぱる合図も決めた

私たち3人は映画で観たように親指を上にあげながら、
私を先頭にして道を歩きだした
ダメで元々、そんな気楽な気分で歩いて約3分後
赤いピックアップトラックが少し砂埃を立てて停まった
ドライバーは日に焼けた男前の中年オヤジだった
しかも私が独身だったらスケベ根性を出してしまいそうな
ナイスガイだったのである

ナイスガイ「どこに行きたいの?」
私「ハレイワに行きたいんだけどタクシーがつかまらなくて」
ナイスガイ「日本人よな?観光?」
私「そう、日本人。観光で来てます」
ナイスガイ「後ろに乗り!帰りも時間、言ってくれたら送ってあげるよ」

一応、私たちは3人でお互いの気持ちを目で確認した
「この人は大丈夫に違いないよね」

「Thank you soooo much!」

私たちは彼のピックアップの荷台に乗せてもらった
荷台には使い込んだ感じのサーフボードが積まれてた
まるで昔、読んだ片岡義男の小説のワンシーンのようだった

気持ちいい海風に吹かれながら 
私たちはこの幸運に、
そしてこの親切な男前ドライバーさんにココロで手を合せた

ハレイワの街に着いて荷台から降りて、せめてもの感謝の意を表したいと
私はいくばくかをナイスガイにお渡そうとしたけど、
彼は爽やかな笑顔で手を振りながら走り去ってしまった
終始一貫したナイスガイのこれまたかっこいい去り際であった

「こんな優しい人がいるんやなぁ、俺らのこと全然知らんのに
かっこいよかったなぁ、オトナになったらあんな人になりたいな」
とボーイズ2人はタコスをムシャムシャ、
中身をボロボロ落としながらそう言った


その時の息子と親友の顔が忘れられない
14年間しか生きてない始まったばかりの
これからの人生に思いっきり期待してるようなワクワクの表情
未来への不安より楽しみが圧勝してる
疑うことより信じることを選んでいきたい
そう2人の笑顔は語っていた と私は感じた

この世はきれいごとでは済まされないこともあり、
無条件で誰でも信じたらあかん時もたくさんある
今回のヒッチハイクはホンマにラッキーやったけど、
いつもそうとは限らない
それでも自分の野性の直観を信頼して、
できたら人の善を信じて生きていく方が
絶対、楽しいし気持ちも良く、
よりたくさんのシアワセを引き寄せることができると
思うから、基本、性善説で私は生きてるみたいな事を、
私もタコスの中身をボロボロとこぼしながら2人に話しましたとさ


次々に咲きだしてる春のお花にウキウキしながら
旬のタケノコ料理を楽しみながら
断捨離に精を出しながら

聴いてくださったらうれしいです


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