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Adobe MAX Challenge 2025への挑戦──「Create magic.」に込めた想い

MAX Challengeとは?

Adobe MAXにあわせて毎年開催されているコンテストで、ロゴを用いて指定されたテーマに沿って作品を作るというものです。
今年のテーマは「Create magic.」各参加者がこのテーマにインスパイアされ、静止画や映像のクリエイティブな作品を競い合います。
まめたろうはこのモーション部門に応募するため、今回のテーマを自分なりに解釈し、作品を制作しました。

制作した映像はこちらです。

コンセプト

Google翻訳だと「魔法を創る。」
連想したのは魔女が黒い鍋でグツグツと液体を煮込んでいる様子。これをベースに秘書(ChatGPT)とラリーしてコンセプトを煮詰めた結果、「魔法」とはキラキラしたポジティブな面だけではなく、使うことで生じる代償や毒々しい闇の部分も含めてこそその魅力が際立つのではないか、と考えました。

Adobe製品を使った制作も、あふれるチュートリアルに従えば簡単に「それっぽい」ものは作れる。しかし本当に自分が作りたかったものに仕上げるためには、試行錯誤や調整といった「調合」が必要。そしてその過程では、時間や制約とのトレードオフが避けられません。その中でいつの間にか自分自身が当初作りたかったはずのものを歪めてしまう時がある。結構頻繁に。自分でゴールを移動してしまう。
その「気づいたらそうなっていた」という感覚が、魔法の「闇」の部分を感じさせ、今回の表現したいテーマにあっているなと感じました。

また、最近は「それっぽいもの」を作ることにかなりうんざりしてきていて、「本当に作りたいもの」を作りたいという気持ちが日に日に増しています。一見あたりまえのことのように聞こえますが、これを実現するのは本当に難しいです。そんな自分自身のテーマと今回のコンテストのテーマを掛け合わせて、以下の文章を軸としました

きらきらと煮えたぎる輝きの中から紡ぎ出される魔法とはどのようなものだろう…美しさの奥底に潜む鋭さと力が渦を巻き触れる者に問いかける。果たして、この魔法に飲み込まれることなくその力を思うがままに操ることができるだろうか…?

平たく言うと、妥協すんな!ということです。

ビジュアル

きらきらした美しいものの中に、鋭さや毒っぽさを表現したかったので液体を小さな宝石のようなもので表現することにしました。
それらは綺麗だけど鋭利な部分もあり触れると怪我してしまいそう。
全体の色味はイメージでは青や紫だったんですが、Pinterestなどで検索してみると結構グリーンなものが多くあったのでその要素を加えました。

MAXロゴの色味はとても悩んだんですが、
背景の青や紫との対比、エネルギーの象徴、危険な魅力といった要素を考えて赤にしました。(半分はこじつけで色相回した感じ赤がいい感じだった)
全体の構成として、冒頭はひたすらきらきらで無害なものに擬態しているかのようなイメージ。後半になるにつれちょっと毒々しさを入れたいなと思いました。

でっかい球ボケは動画素材

余談ですが、この小石みたいなものはプラスチックみたいな質感や金属にしてもとても綺麗だったんですよね。(そっちのほうが綺麗だったかも)
でもそうするとコンセプトに沿わないし、なによりいつもの妥協パターンだったので半透明質感をある程度高めることができて良かった…!

アニメーション

液体(小石)の中からロゴが出てくるようなイメージにしました。そしてそれらはまがまがしくウネウネして渦巻いているような印象に。
グツグツと沸騰している様子も表現したくて、たまに飛び跳ねている小石たちがいますね。
細かくカットを割ったり、速い動きを入れたりなどは不要だと思い、ゆっくりシンプルな挙動で厳かな感じを意識しました。

制作プロセス

Houdiniを習得したいと考えているので、当初Houdiniでトライしてみましたが悩んでいる時間が捻出できずあきらめて大好きなCinema 4Dで表現しました。(これは妥協とはいわない!)
せめてもの手癖回避、新しいことの学習のためにレンダラーは不慣れなOctane Renderでいくことに。
以下の素晴らしいチュートリアルたちを参考にしています。

その後はAfter EffectsでカラコレとParticularできらきらの粒を大量に作成。
.c4dをそのままインポートできるので同じカメラを持ち込めるのが最高すぎます
Looksでディフュージョンや画面キワのゆがみなど足してフィニッシュ。

音楽

昔からとても好きで、普段も大変お世話になっているcubesatoさんに相談。
今回時間なさすぎたので、過去の制作物でなにか使用しても良い音源ありませんでしょうか!?とお伺い。
コンセプトと現状の映像データを送付してお返事を待ちました。
次の日の朝ぐらいに5ファイルほど調整された音楽データが届き(!)すべてをあててみて、今回の音が決定しました。
cubesatoさんいつも最高の音楽を本当にありがとうございます…

まとめ

先日赤ちゃんが誕生したばかりというのもあり、今年はチャレンジできないと思っていましたが脳はこっそりネタを考えていたようで、魔女鍋…?と思いついてからは「やらない後悔よりやって大成功!」と唱えながら土曜日の一日だけ作業時間をいただきガッと作業しました。(妻ありがとう)
しかも今回は先述の通り、ぽいものじゃなく本当に表現したいものをテーマにしていたので、やり遂げることができてとてもスッキリしています。
達成するために色々な勉強も必要でわかりやすく知識も増えたし、やっぱり挑戦してよかったなと思います。
このお題に対する「今」の自分の解釈を形で残せたことがとても幸せです。

Xで #AdobeMAXと#モーション部門のタグを見るとたくさんの作品がみれますのでぜひ皆さんご覧になってください。
でもなぜかまめたろうの作品はタグ検索しても出てきません…?もしかしたら応募できていないのかもしれないですが、それがどうでも良いほどに清々しい気持ちでいます(いやだめ)
今回のMAX Challengeも素晴らしいものになりました。

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