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too much|日々の雑記#28

酒食に溺れた夢のようなゴールデンウィーク。薄れる記憶に寂しさを覚えても体重計は忖度なしの塩対応、デジタルの無情ですっかり日常に戻りました。
何にせよ数字が増えた時には見知らぬ国の単位か、せめてりんごに換算するぐらいの気遣いが欲しいものです。

さて、あの頃なら自然と適正な数値に戻りましたが、10日経っても戦況は膠着状態。この頃は不自然な行為をしないと体重が落ちない呪いにかかっています。だけど嫌いなんですよ、痩せるための運動って。

幸い今年の夏は水着になる予定もありませんので、食事に気をつけ1ヶ月かけて戻すことにしました。5日で手にしたものを30日かけて手放す非対称性。等価交換は特殊景品を扱う錬金術の世界でしか通用しないようで、この歳になったら夢を見ずに現実を見ろと言うことでしょう。

とは言え長期戦と決まれば、腹ごしらえが大事なのはご存知の通り。「腹が減っては戦はできぬ」「ダイエットにはご褒美が必要」という話もありますので、お昼を買いに駅前のパン屋に出掛けました。

結果、食事パンだけでなく、つまみパンとおやつパンもトレイに乗せた心の悪魔に驚きです。しかし、悪魔がいれば天使もいるのがこの世の常。近くにあった献血ルームで白衣の看護師に血を抜いてもらい、一時的に罪悪感と体重を減らすことに成功しました。ボランティア精神とはかけ離れていますが、私の自己満足が誰かのお役に立つなら幸いです。

そう言えば昔、正月明けに献血したところ「お前の血、酒臭いから捨てたわ。あと数値がおかしいから病院行っとけ」という内容の、紹介状付きの丁寧なお手紙をもらったことがありました。今回は数日間、酒抜きしているのできっと大丈夫でしょう。

それにしても400mlも抜いたせいか、血液を作ろうと骨髄や内臓が頑張っている気配を感じます。体の管理職としては部下である細胞たちの努力に報いたく、さっそく栄養の差し入れをすることにしました。献血後は水分補給が大事との話でしたので、ビールのトマトジュース割りであるレッドアイをキメます。

家族にはトマトジュースを装うため(イカサマのスリルに溺れてっ)、表情は天使のような悪魔の笑顔(罪と罰の酒を飲もうよ)です。

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