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初夢が淫夢(数の子豆)|酒と肴 その四十六
関東の冬らしく、柔らかな日差しと乾いた空気。日がなゆるゆる呑んでいるうちに、年末年始は過ぎました。強い方ではないので、大晦日から三が日にかけて四合瓶を1本、缶ビールを7、8本、それとハイボールを少々といったところ。酔っ払いの勘定だもんで適当ですが、このぐらいが罪悪感を覚えず、夢と現を行き来するのに丁度いい量です。
どんな風な一年を過ごそうか、年賀状を眺めつつグラス片手に考えていると、眠気がやってきます。敷いたままの布団にもぐり込み、読みかけの本を横目に昼寝の元日。お正月の過ごし方は多々ありますが、「自宅で過ごす部門」では、高得点を狙えるのではないでしょうか。
夢から覚めてもまだ明るく、差し込む西日で部屋中に暖かな空気が満ちています。枕元の本を読み返すと、またぞろ呑みたくなりました。冷蔵庫から数の子豆とお酒を取り出し、3回戦目を始めます。
「数の子豆」は東北地方や新潟、長野で食べられている正月料理。浸し豆に数の子を入れたもので、お酒との相性抜群です。
合わせるのはWAKAZEの「THE CLASSIC」。フランスで醸造された日本酒を、冷やして頂きます。果実のような風味に、昆布出汁の染みた豆と数の子の塩気がよく合いました。南部のカマルグという、塩で有名な土地の米と麹で仕込んでいるので、組合せが良かったのかも知れません。
おせち料理は他には黒豆を煮て、雑煮は鶏肉と小松菜のシンプルなものを作りました。あとは紅白の蒲鉾と栗かの子を買ってきて、おしまいです。栗かの子は、栗の甘露煮と栗餡で出来た小布施名物のきんとん。一般的な芋餡の栗きんとんと比べて黄色みは少ないですけれど、栗の味わいの違いを楽しめてお薦めです。
いつかはおせちの花形である「身欠きにしんの昆布巻き」にも挑戦したいですが、量を食べる方ではなく、豆を煮るだけでもなかなか骨だったので、尻込みしたまま月日が流れて行きそうな気配。「来年こそは!」と、節分前に鬼を笑わせておきます。
(黒豆は艶やかな関西風。煮汁と牛乳を混ぜたラテと一緒に)
初夢は昼寝の時に見ましたが、新年から公序良俗に反するような内容でびっくりしました。公開することは自粛しますが、今年新たに取り組もうとしていることが、何というか卑猥なものの勉強でして、もしかしたら正夢になるかと思うとドキドキします。そんな訳で「こいつぁ春から縁起がいいわぇ」と言っておきましょう。
2022年は果たしてどんな年になるのでしょうか。いつの間にやら語られる未来は辛気臭いものばかりで、どうにも面白くありません。未来に夢を見なければ、一体いつ見るのかって話です。
元旦の明るいうちから淫夢を見ている奴に、説得力が無いことは重々承知しております。それでも仕事もプライベートも無理をしない程度にやってきながら、一杯機嫌でモラルの綱渡りを楽しもうと思います。
メニューと材料
・豆数の子(青大豆、塩数の子、昆布、酒、醤油、砂糖)
・黒豆煮(黒豆、砂糖、塩、重曹)
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