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女生徒と膝枕|酒と肴 その十一

仕事帰り。職場の最寄りは始発が多い駅なので、大抵座って帰れます。
昨日のお隣は真面目そうなおさげの高校生。不良中年が週末のつまみをスマホで調べていると、学生さんは眠りばな、舟を漕いで電車より激しく揺れています。

時々、隣で眠る人がこちらの肩に寄りかかってくる事がありますが、皆さんはどう対処していますか?仕方なく肩を貸す人に、迷惑そうに肩をビクッとさせる人、相手によって対応を変える人と様々ですが、私は挟む人です。体を前にかがめて隙間をつくり、頭が入ったタイミングで背中と座席でサンドします。
これをやるとほとんどの人は驚き目を覚まし、その後は眠らずに起きています。老若男女問わず挟んでいますので、博愛主義と言っても過言ではないかもしれません。

過言でした。

で、学生さんですが舟を漕いでいるうちにペタンと90度、お辞儀の姿勢になりました。もう爆睡です。
これなら挟むことも無いなと安心していると、そこから頭がもたれて私の膝の上に。車内で女生徒に膝枕をするというカオス、どう対処するのが正解なのか分からないまま固まってしまいます。
周囲を見回し助けを求めても、いかんせん被害者は中年男子、苦笑いしか返してもらえません。1分程で駅に着き、彼女は慌てて降りたので難を逃れましたが、おかげで週末の肴も考えらたものではありませんでした。

やがて自分の降りる駅に到着。初めての体験に混乱したまま改札を抜けると、駅では産直野菜のコーナー「のもの」が開催されていました。いつもは寄らずにスルーしますが、心を落ち着かせるために覗いてみると、今が旬、生の落花生が売られているではないですか。膝枕のおかげで思いがけない出会いがありました。

で、作ったのがこちら。

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塩茹でにして、キリンの秋味と合わせました。一般的な落花生の2倍はある大粒の「おおまさり」という品種、ホクホクな食感と濃厚な味には豊かな味わいのビールが良く合います。

ちなみに落花生の花言葉は「仲良し」。高校生の頃(20数年前)だったら何か違っていたかなと思いましたが、クラスの女子となかなか話ができなかったことを思い出し、少し塩気が増しました。

メニューと材料
塩茹で落花生(落花生、塩)

酒と肴|その十  秋さけ三昧
酒と肴|その十二 ひとの目を盗み、飲む



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