人生の楽園、地獄の門|日々の雑記#48
酒の因果か、月イチくらいでお尻が痛みます。いつも決まって真夜中、お腹を下すのとは違う、ただもうゲート周辺が痛んで仕方ないという怪現象。たぶん前世でお釈迦様にカンチョーでもしたのでしょう。
痛みとしては、そのあたりをやっとこで掴まれ、ねじられる様な責め苦。俗に言う「尻子玉を抜かれる」ってのはこんな感覚でしょうか。そんな夜はあまりの辛さに「神様、仏様、ご先祖様!」とひとしきりお祈りする訳ですが、
「ケツが痛い時しか拝まない奴ってどうなのよ?」
って皆さん満場一致のしかめっ面と思われます。
逆に私がご先祖だったら、
「ウチの子孫がすいません、えいっ」
と、率先して金縛りをお見舞いするところ。お尻が痛く身動きも取れないなんて、考えただけでも地獄ですね。
こうして定期的に「尻痛地獄」に堕ちる私ですけれど、住んでいる場所は楽園です。アパートの近所、半径100mくらいに肉屋とパン屋、酒屋が揃っていて、酔っ払いには天国みたいな環境なんです。
楽園の過ごし方は、お肉屋さんで色々と買い込むところから始まります。
まずは串カツ。玉ねぎと豚ロースが交互になった大ぶりなもので、ビール泥棒で困ります。ラードで色良くカラッと揚がったカツに、ブルドッグの中濃ソースを一往復と半。カラシをつけて頂けば、350ml缶なんて2分と持ちません。
薄いハムカツはマカロニサラダ(日替わりでポテトサラダも売ってます)と交互にやるのがいいですね。気付けば2本目のビールも終わりました。
続いてはイカフライですが、飲み過ぎ防止のために、買い置きのお酒はもうありません。こいつはチューハイ案件ですので、酒屋の自販機に向かいます。
冷蔵庫から自販機へ、イメージは蜜を求め舞う蝶ですけども、酒を探すゾンビに近いと思います。短冊型のフライをプツンと噛み切ると、肉厚な白い身が露わになり「どきっ」とさせられます。こうして楽園の夜は更けていきます。
はてさて、人間とは罪深い生き物。昨晩の揚げ物で胃もたれしたのに、昼ごろにはお腹も空いて、またぞろ飲みたくなります。
そんな訳でパン屋さんへ、昔ながらのラップにくるまれた茶色いパンを仕入れに行きます。もちろんアルコール調達も忘れません。
子供の頃から慣れ親しんだパンをつまみに酔っ払うのは、ヤクルトに焼酎を入れるような背徳感があって乙なもんです。アンパンマン(中身はチョコ)も、まさか酒のつまみにされるとは思ってなかったでしょう。まあ、天国のやなせ先生も「ニッポンビール」のキャラクターデザインをされていましたから、これもアリなのかなと。
いずれにしても、地獄のような尻痛があるからこそ、楽園の味わいも増すというもの。あらためて調べたら「消散性直腸肛門痛」と言うそうです。どうやら星野源さんも、安住アナも悩まされているそうで「モニカ病」って名付けていました。英語では「Proctalgia Fugax」。なんかバンド名みたいで格好いいですね。「プロクタルジア フューガックス、武道館ワンマン決定」みたいな。
差し当たり痛みばっかりで、それ以外の困りごとはありません。これからも地獄巡りを挟みつつ、追放されるまでは楽園暮らしを満喫しようと思います。
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